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時代精神【じだいせいしん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

時代精神
じだいせいしん
Zeitgeist
ある時代の文化的所産に共通する人間の精神的態度,様式,理念をいう。この言葉の使用はすでにヘルダー,ゲーテに見出されるが,この言葉が哲学的に深められたのはヘーゲルにおいてである。ヘーゲルは『歴史哲学講義』において世界史は世界精神の理性的で必然的な行程であり,その行程を民族精神との結びつきにおいて東洋,ギリシア,ローマ,ゲルマンの4つに区分した。彼によるこの時代精神の思弁的な統一把握は,客観的,科学的な歴史叙述を主張するランケ,ブルクハルトらの「歴史主義」,あるいは史的唯物論の立場から批判され,また相対主義の立場から各時代精神の一回性,完結性が主張された。ディルタイでは歴史的理性批判,生の哲学の立場から歴史的生と個人との連関が注目され,時代の相対性が認められている。

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デジタル大辞泉

じだい‐せいしん【時代精神】
ある時代を支配し特徴づけるような普遍的な精神、または意識

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世界大百科事典 第2版

じだいせいしん【時代精神 Zeitgeist[ドイツ]】
一般に,ある時代に支配的な知的,政治的,社会的動向を特徴的に表す全体的な精神的傾向をいう。この言葉は,もともと,18世紀後半から19世紀にかけて,とくにドイツにおいてつくられたもので,〈民族精神Volksgeist〉という概念の形成と相関している。ヘルダーは,民族的な精神文化,とくに民俗的,地方的な言語や詩に深い関心を寄せるとともに,人類史を人間精神の完成に向かう普遍的歴史としてとらえる考え方を提示し,〈もろもろの時代の精神〉を示す〈諸民族の精神〉,〈諸民族の天才〉などの概念を用いた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

じだいせいしん【時代精神】
ある時代の社会・人心に広く行き渡ってその時代を支配し特徴づけている精神。ヘーゲルでは世界精神の個々の発展段階としての民族精神をさすが、ディルタイでは歴史的個人の参与をまって存立する、より具体的なものを意味する。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

時代精神
じだいせいしん
一般にはある時代の哲学、文学、芸術などの作品に共通するその時代の人間の精神態度。精神史のうえで、たとえばルネサンスの時代精神は何かといった形で問題にされる。
 時代精神Zeitgeistということばは、ドイツではヘルダーが1769年に初めて使ったといわれており、ゲーテも『ファウスト』のなかなどで用いているが、時代精神を歴史の過程と結び付け、それを個々の人間精神を超えた普遍的世界精神が歴史のなかで自己を展開していく各過程でとる形態とみたのが、ヘーゲルであった。ヘーゲルはそれをさらに民族精神と結び付け、東洋、ギリシア、ローマ、ゲルマンの4段階に区分する。なおコントは、子供から大人に至る個人の精神の成長過程との類比で、古代から近世への人間精神の発展段階を神学的、形而上(けいじじょう)学的、実証的の3段階に分けたが、これも時代精神の一種の区分とみることができよう。また唯物史観の立場からすると、時代精神はイデオロギーであって、それはそれぞれの時代の経済的構造に依存していることになる。
 ところでヘーゲルやコントにあっては、歴史の進歩とともに時代精神も進歩すると考えられているが、19世紀の歴史主義になると、時代精神はそれぞれの時代において完結した1回限りのものとされ、歴史における人類の進歩という思想は色あせ、それにかわって歴史的相対主義が登場する。[宇都宮芳明]

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精選版 日本国語大辞典

じだい‐せいしん【時代精神】
〘名〙 ある時代を特色づけている精神的態度。その時代の人心を支配的におおっている思想や気分。
※馬骨先生に答ふ(1902)〈登張竹風〉「ニイチェは、〈略〉時代精神に大痛棒を与へたる者なり」

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