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日常性【にちじょうせい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

日常性
にちじょうせい
Alltäglichkeit
M.ハイデガーが人間存在の構造分析の手掛りとして用いた語。「人間が通常あるあり方」の意。人間は通常平均的日常性に埋没 (頽落 Verfallen) している。すなわち,だれともつかぬ世人 (ひと das Man) として生きる。「ひと」は平均性,公共性などの性格をもち,その自己了解は,饒舌,好奇心,曖昧性を介して行われるにすぎない。平均的日常性は人間の非本来的あり方であるが,本来的あり方としての実体はこれの自覚的変容である。

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世界大百科事典 第2版

にちじょうせい【日常性 vie quotidienne[フランス]】
個体の生活の維持や,類の再生産に向けられた人間の生活の持続的・反復的なあり方をいう。古くから,美的・創造的な行為との対比において論じられてきた。今日〈日常性に埋没してはいけない〉等といわれるように,消極的な価値とされることもあり,また〈日常性を重視せよ〉というように,空理空論避け,生活に根ざした観点を指す積極的な価値を担う場合もある。 日常性が,それを生きる人々にとって耐え難い無意味な宿命であるか,それとも生き生きとした充実感を伴うものであるかは,それぞれの時代・社会の文化の構造に依存している。

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大辞林 第三版

にちじょうせい【日常性】
日常の普通の状態。日常的なものの持つ性質。

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(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

日常性
にちじょうせい
vie quotidienneフランス語
Alltglichkeitドイツ語
日々の労働、消費、家族生活など、人間の生存と社会の維持にとって基本的な意味をもつ定常的、反復的な生活過程の特性をいう。一般論としては「非日常性」に対比される概念であるが、思想史的には、しばしば美的、芸術的な創造性(あるいは創造的な活動)との対比において問題とされてきた。あるいはまた、聖に対する俗として、ハレに対するとして、遊びや祭りに対する労働としてとらえられる場合も少なくない。日常性を離れて人間の生活はありえないが、反面、日常性はその性質上、保守的、現状肯定的な傾向をもつ。ここから、日常性に対する両義的な価値判断が生じ、一方で「日常性への埋没」が批判されるとともに、他方で「日常性の重視」や「日常性の復権」が説かれることになる。しかし近年、そうした価値判断をいちおう保留して、日常性(あるいは日常生活)そのものの構造や意味をさまざまの学問領域から検討しようとする傾向が強まりつつある。[井上 俊]

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精選版 日本国語大辞典

にちじょう‐せい ニチジャウ‥【日常性】
〘名〙
① 人間生活の、日々くり返されるあたり前の状態。また、日常生活における物事のありふれた性質
※事実の世紀(1939)〈河上徹太郎〉現代の頽廃について「十九世紀の頽廃が〈略〉換言すれば日常性への反逆であるのはその故である」
② (Alltäglichkeit の訳語) ハイデッガーの存在論の用語。現存在のごく一般的な在り方の様態

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