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新体詩【しんたいし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

新体詩
しんたいし
明治期の詩の一形態。名称は外山正一,矢田部良吉井上哲次郎共編の『新体詩抄』に由来するが,旧来の和歌,俳諧,漢詩などに対して,ヨーロッパの詩歌の形式と精神を取入れた新しい形式の詩をいう。福沢諭吉の『世界国尽 (くにづくし) 』 (1869) は啓蒙を目的としたものだが,この種の試みの先駆とされ,また賛美歌の日本韻文律による翻訳 (74) も新しい詩形の誕生に影響を与えた。他方,明治 10年代 (77~86) には七五調を主体としたいわゆる唱歌体が形成された。それを代表するものに文部省編『小学唱歌集』 (81~84) がある。『新体詩抄』はそうした気運を背景に「明治ノ詩」を求めて編まれたが,それに続いて竹内節編『新体詩歌』 (82~83) などが現れ,新体詩の名称が一般化していった。普通,明治 40年代の北原白秋や三木露風の頃までの文語詩を新体詩と呼ぶ。

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デジタル大辞泉

しんたい‐し【新体詩】
明治後期に口語自由詩が現れる以前の文語定型詩。多く七五調で、明治15年(1882)外山正一らの「新体詩抄」に始まり、北村透谷島崎藤村土井晩翠(どいばんすい)などの作によって発展、やがて近代詩の確立とともに単に「詩」と呼ばれるようになった。

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世界大百科事典 第2版

しんたいし【新体詩】

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大辞林 第三版

しんたいし【新体詩】
〔それ以前「詩」といえばもっぱら漢詩をさしたのに対していう〕
明治初期、西洋の詩歌の形式・思想を取り入れて作り出された文語定型詩。1882年(明治15)、外山正一らの「新体詩抄」に始まった。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

新体詩
しんたいし
明治時代に生み出された文語定型詩をいう。1871年(明治4)の『仏和辞典』(好樹堂訳)にはPome=詩、『英和字彙(じい)』(1873・日就社)ではPoetry=詩学と訳出されている。だが、明治時代は一般に、詩とは漢詩を意味していた。外山正一(とやままさかず)、矢田部良吉(りょうきち)とともに『新体詩抄』(1882.8)の撰者(せんじゃ)兼出板人である井上哲次郎は、ロングフェローの訳詩「玉の緒の歌」の序言で、「夫(そ)レ明治ノ歌ハ、明治ノ歌ナルベシ、古歌ナルベカラズ、日本ノ詩ハ日本ノ詩ナルベシ、漢詩ナルベカラズ、是(こ)レ新体ノ詩ノ作ル所以(ゆえん)ナリ」と主張した。新体詩の名称は、漢詩の古体詩・近体詩から喚起され、和歌や俳句のような伝統的な短詩型では表現できない、近代人の自由清新な感情や複雑深遠な思想を形象化するための、新詩型として成立した。唱歌、軍歌、賛美歌のスタイルともなり、H・スペンサー流の進化思想を背景とした、文学改良運動の典型的な成果である。竹内節(せつ)編『新体詩歌』、山田美妙(びみょう)編『新体詞選』などがベストセラーになり、湯浅半月(はんげつ)の「十二の石塚」、落合直文(なおぶみ)の「孝女白菊の歌」が初期の代表作。北村透谷(とうこく)、中西梅花(ばいか)、島崎藤村(とうそん)、土井晩翠(つちいばんすい)、薄田泣菫(すすきだきゅうきん)、与謝野鉄幹(よさのてっかん)、河井酔茗(すいめい)、蒲原有明(かんばらありあけ)らが、『文学界』『帝国文学』『明星』『文庫』『太陽』を舞台に新体詩を発展させ、明治30年代には隆盛期を迎えた。明治40年代に入り、自然主義の影響で、口語自由詩運動の展開とともに衰退した。[千葉宣一]
『大和田建樹著『新体詩学』(1887・博文館) ▽岩野泡鳴著『新体詩の作法』(1907・修文館) ▽中島健蔵・矢野峰人監修『近代詩の成立と展開』(1956・矢島書房)』

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精選版 日本国語大辞典

しんたい‐し【新体詩】
〘名〙 主として、明治末期に口語詩が起こる以前の明治文語詩をさす。外山正一らによる「新体詩抄」に始まり、北村透谷・島崎藤村・土井晩翠・蒲原有明・薄田泣菫らによって発展し、日本近代詩の源となった。
※硯友社(1893)〈島崎藤村〉「卓辺の談話には束髪舞踏公園の逍遙男女交際新小説新躰詩美術演劇などと英語仏語までをかしくまぜて」

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