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斜面[物理]【しゃめん[ぶつり]】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

斜面[物理]
しゃめん[ぶつり]
slope
水平面に対し傾きをもった平面。傾斜角 θ のなめらかな斜面上に置いた重さ w の物体を斜面に平行な力 F で支えるとき,物体には斜面から垂直抗力 N も働くから,これら三つの力の釣合いの条件から Fw sin θ ,Nw cos θ となる。したがって,ゆるい斜面 (傾斜角 θ が小なので sin θ も小) では,荷重 w の大部分 (w cos θ) は斜面が支えるので,重い物体を小さい力 F で支持できる。加える力をこれより大きくすれば,斜面に沿って物体を上げることができる。この意味で,斜面は一種の単純機械とみなせ,くさび,ねじとして利用される。しかしこの場合,斜面に沿って s だけ上げても,鉛直には高さ hs sin θ だけ上がっただけであるから,Fswh となり,鉛直に上げた場合と仕事の量は変わらない (仕事の原理の一例) 。次に,物体 (質量 m) がなめらかな斜面に沿って降下するときの加速度は (w sin θ)/mg sin θ であって,傾斜角 θ を小さくすれば,自由落下の重力加速度 g に比べて非常に小さくできる。ガリレオ・ガリレイはこの事実を利用して,大きい加速度の自由落下の代わりに小さい加速度の斜面に沿った降下運動を観察して物体の落下運動を論じた。最後に,摩擦のある斜面 (静止摩擦係数 μ) で物体を支えるとき,傾斜がゆるくて tan θ<μ ならば物体は摩擦力だけで支えられる。物体が静止摩擦に勝って滑り始める極限平衡は,傾きが tan θ=μ のときで,この傾斜角は静止の摩擦角に等しい。傾きが tan θ>μ となると物体は滑りおり,これを支えるには大きさが w (sin θ+μ cos θ)≧Fw (sin θ-μ cos θ) の力 F を斜面に沿って働かせなければならない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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