Rakuten infoseek

辞書

文学座【ぶんがくざ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

文学座
ぶんがくざ
劇団。 1937年9月,岩田豊雄岸田国士久保田万太郎の3人が,当時勢いのあった左翼思想に抗して,戯曲文学の尊重を主張して結成。しかし中心俳優の友田恭助戦死,その妻田村秋子の引退で発足が遅れ,翌年2月森本薫『みごとな女』その他で旗揚げ弾圧を免れて 45年4月森本の『女の一生』を初演。 47年からのフランス演劇研究会や 49年からのアトリエの会による実験的試みなどが特色となった。 63年福田恆存,芥川比呂志ら 28名の脱退者を出し,続く秋に,三島由紀夫『喜びの琴』上演中止問題で再度分裂,中堅のほとんどが抜けたが,杉村春子を中心に危機を乗越え,新劇最古の劇団として活動を続けている。主要上演作品に『鹿鳴館』『欲望という名の電車』『美しきものの伝説』『華岡青洲の妻』などがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ぶんがく‐ざ【文学座】
昭和12年(1937)岸田国士・岩田豊雄・久保田万太郎幹事に結成された劇団。政治性を排し、芸術至上主義的な姿勢をとった。第二次大戦後森本薫の「女の一生」などの創作劇から翻訳劇まで上演し、杉村春子を中心として活動を続ける。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ぶんがくざ【文学座】
第2次大戦後の日本における代表的な新劇団の一つ。1937年,岸田国士(くにお),久保田万太郎,岩田豊雄を発起人として,友田恭助・田村秋子夫妻(しかし同年,友田は戦死し田村も身をひいた),杉村春子,中村伸郎,宮口精二,三津田健らによって創立された。政治性を排した〈娯楽としての演劇〉を目ざし,戦中も弾圧を免れた唯一の新劇団として活動を続けた。戦後は49年に芥川比呂志(1920‐81)らも加わり,〈フランス演劇研究会〉〈アトリエ公演〉で内外の新しい演劇を紹介・上演する一方,森本薫《女の一生》,T.ウィリアムズ《欲望という名の電車》,シェークスピアハムレット》などの上演で地歩を固め,昭和20年代,30年代を通じ,新劇界の中枢的劇団として多くの人々に親しまれた。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

文学座
ぶんがくざ
劇団名。1935年(昭和10)に解散した築地(つきじ)座の後を受けて、37年9月に岸田国士(くにお)、岩田豊雄(とよお)(獅子文六)、久保田万太郎の幹事で友田恭助、田村秋子を中心に結成された。旗揚げ公演は友田の戦死などで遅れたが、杉村春子、中村伸郎(のぶお)、宮口精二ら若手の陣容に改めて、翌年3月森本薫作『みごとな女』ほかの上演を第1回試演会とした。プロレタリア演劇に対抗して「姑息(こそく)と衒学(げんがく)と政治主義を排し、真の意味における『精神の娯楽』を舞台を通じて知識大衆に提供する」芸術至上主義的な劇団として結成されたが、その性格から第二次世界大戦前の新劇弾圧を逃れ、戦後まで生き延びる唯一の新劇団となった。第二次世界大戦中は久保田、森本、真船豊(まふねゆたか)、飯沢匡(ただす)らの創作劇を中心に活動を続けたが、とくに森本の『女の一生』(1945)は戦後も繰り返し上演されて代表的なレパートリーになった。第二次世界大戦後加入した芥川比呂志(あくたがわひろし)、加藤道夫、福田恆存(つねあり)らがフランス戯曲やシェークスピアの上演で新風を吹き込み、アトリエでの小公演でもイヨネスコ、ベケットなどの前衛劇を手がけて成果をあげた。1963年(昭和38)1月、1956年に退座していた福田の「新芸術運動」に参加すべく芥川、高橋昌也(まさや)、岸田今日子、加藤治子ら29名が大量脱退した。同年11月には『鹿鳴館(ろくめいかん)』などを書き下ろした座員の三島由紀夫が自作の『喜びの琴』の上演拒否で座を離れ、ほどなく中村伸郎、賀原(かはら)夏子ら14名も三島の後を追ったために、文学座は解散かとささやかれたが、杉村以下、演出家の木村光一や、北村和夫、江守徹(とおる)、太地(たいち)喜和子ら若手の努力で危機を脱した。以後、木村の発言力が増すとともに宮本研の『美しきものの伝説』や水上勉の『飢餓海峡』など、従来になかったカラーを加えて活動力を回復したが、その木村は座の運営をめぐる意見の相違で80年に退座、太地は92年(平成4)に事故死した。大黒柱の杉村も97年4月に没した。いずれも文学座にとっては少なくない、あるいは大きな痛手だったが、この間に西川信広、鵜山仁(うやまひとし)らの演出家、平淑江(たいらよしえ)や内野聖陽(まさあき)らの俳優を輩出、わが国最古で最長の新劇団として旺盛(おうせい)な活動を続けている。[大笹吉雄]
『大笹吉雄著『日本現代演劇史 昭和戦中篇』(1992・白水社) ▽大笹吉雄著『女優 杉村春子』(1995・集英社) ▽戌井市郎著『芝居の道――文学座とともに六十年』(1999・芸団協出版部) ▽大笹吉雄著『日本現代演劇史 昭和戦後篇』(1998、2001・白水社) ▽北見治一著『回想の文学座』(中公新書)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ぶんがく‐ざ【文学座】
劇団の名。作家岸田国士、久保田万太郎、岩田豊雄を幹事に昭和一二年(一九三七)に結成。芸術至上主義を旗幟としていたので第二次大戦中の弾圧をまぬがれた。戦後は杉村春子を中心として活動。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

文学座」の用語解説はコトバンクが提供しています。

文学座の関連情報

関連キーワード

マキノ雅広山本嘉次郎日中戦争清水宏島津保次郎久松静児中国映画豊田四郎成瀬巳喜男郵便切手

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.