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文化領域【ぶんかりょういき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

文化領域
ぶんかりょういき
culture area
文化地域ともいう。類似した文化が分布する地域のこと。アメリカの文化人類学者が用いる概念。 F.ボアズに始り,C.ウィスラーによって確立された。ドイツ,オーストリアの民族学でいう文化圏が固定されたものであるのに対して,文化領域は現在あるいは特定の時期における状況を反映した区分である。ウィスラーはアメリカインディアンの諸民族について,食糧獲得,動物飼育と運輸,編み物,陶器,建築など文化要素の類似形態の地理的分布を研究し,社会集団の分類を試みた結果,南北両アメリカに 15の文化領域を設定した。さらに文化要素が高い密度で分布する地域を文化中心とみなし,文化はそこから周辺へ同心円状に伝播するという歴史的発展を考えた (→伝播論 ) 。そのほか M.ハースコビッツによるアフリカの9文化領域など,いくつかの文化領域区分が行われている。

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世界大百科事典 第2版

ぶんかりょういき【文化領域】

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日本大百科全書(ニッポニカ)

文化領域
ぶんかりょういき
culture area
文化を空間的に分類して区画した領域をさす。ことにアメリカの文化人類学において、アメリカ大陸をはじめ、アフリカ、アジアなどにおける文化領域設定が盛んに行われた。文化領域の研究の基礎をつくったのは、ウィスラーの著した『アメリカ・インディアン』(1917)である。彼によれば、文化領域とは、他地域と比べた場合、その内部において、多くの集団が多くの文化要素を共有していることによって特徴づけられるような地域である。たとえば北アメリカの平原文化領域は、食糧のためにバイソン狩猟を行い、これに反して農耕と漁労は特徴的に欠如し、住居としては皮張り円錐(えんすい)形テント、野営地にはテントを円形に配置すること、円形盾(たて)、騎馬と男子軍事結社による戦争、皮製容器を用いるが土器や籠(かご)は欠如、宗教的幻覚、太陽踊りなど、約20の要素によって特徴づけられている。そして中央部の11種族はこれら要素のすべて、あるいはほとんど全部をもつのに対して、周辺部の種族になると、これらの要素のうちもっているものの数が減る傾向がみられる。
 文化領域には、その規模において少なくとも三つの種類が区別される。第一は、多くの語族や生態学的な大領域を含むような広い地域、たとえばアメリカとかアジアのような大陸において数個ないし十数個の領域を設定するものである。第二は、ブラジルのように、大陸よりは小さく、熱帯雨林という一つの生態学的大領域のなかに入ってしまうが、数多くの語族を含むような中規模地域での文化領域設定である。第三は、日本のような本質的に同質的な小規模の地域内において、東日本と西日本というような文化領域を設定することである。
 文化領域とは、ある時点における特徴的な文化要素の群であって、構成する個々の要素は新旧さまざまである。この点において、過去のある文化層を表す要素の群として考えられるドイツ・オーストリアの民族学における文化圏の概念とは相違がある。文化領域が形成される要因としては、気候区、植生、地形などの生態学的条件と、中心文化からの影響、住民の移動などの歴史的条件の二つがおもなものである。いったん確立した文化領域は、時代を経て内容的には変化しても持続する傾向がある。日本では東日本と西日本の対立は縄文時代から続いているが、特徴となる要素は時代とともに変遷してしまった。[大林太良]

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精選版 日本国語大辞典

ぶんか‐りょういき ブンクヮリャウヰキ【文化領域】
〘名〙 文化要素の類似が文化複合に及び、これらを包括する地理的分布圏。文化人類学でいう。

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