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文化財保護法【ぶんかざいほごほう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

文化財保護法
ぶんかざいほごほう
昭和 25年法律 214号。文化財保存し,その活用をはかり,国民の文化的向上に資するための法律。法隆寺金堂壁画焼失を契機に制定。これに伴い,従前の史蹟名勝天然記念物保存法 (大正8年法律 44号) ,国宝保存法 (昭和4年法律 17号) ,重要美術品等の保存に関する法律 (昭和8年法律 43号) などは文化財保護法に吸収されて廃止。保護の対象となる文化財は,(1) 有形文化財 建造物,絵画,彫刻,工芸品,書跡,典籍,古文書,考古資料,歴史資料その他の有形の文化的所産で歴史・芸術・学術上価値の高いもの (2条1項1号) 。 (2) 無形文化財 演劇,音楽,工芸技術その他の無形の文化的所産 (同2号) 。 (3) 民俗文化財 衣食住,生業,信仰,年中行事などに関する風俗慣習,民俗芸能およびこれに用いられる衣服,器具,家屋その他の物件で,日本国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの (同3号) 。 (4) 記念物 貝塚,古墳,都城跡,旧宅その他の遺跡。庭園,橋梁,峡谷,海浜,山岳その他の名勝地。動物,植物,地質鉱物など (同4号) 。 (5) 文化的景観 棚田,里山,用水路など,地域における人々の生活または生業および地域の風土により形成された景観地で,日本国民の生活または生業の理解のため欠くことのできないもの (同5号) 。 (6) 伝統的建造物群 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの (同6号) 。これらの文化財のうち重要なものを重要文化財史跡・名勝・天然記念物に指定し,特に価値の高いものに対し,国宝,重要無形民俗文化財,重要有形民俗文化財,特別史跡特別名勝特別天然記念物,重要文化的景観,重要伝統的建造物群保存地区の指定がなされる。指定文化財は政府,地方公共団体による管理,保存,伝承,記録あるいは修理・公開に要する費用の補助がなされる一方,所有者に対し,管理,修理に関する命令や勧告が行なわれている。また,現状変更の制限,修理の届け出,輸出の禁止,環境保全,一定期間の公開などが義務づけられている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

文化財保護法
文化財保護法は文化財の保存・活用を目的とする法律。文化財を「貴重な国民的財産」として、現状変更などの際は届け出を義務化し、保存のために必要な一定の行為を制限・禁止している。桜山地区の場合、地下に遺跡が残っている可能性があるため、地下工事を必要とする改築などは、同法に抵触する。
(2010-11-01 朝日新聞 朝刊 岩手全県 1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

ぶんかざいほご‐ほう〔ブンクワザイホゴハフ〕【文化財保護法】
文化財の保護およびその活用を図り、国民の文化的向上に資することを目的とする法律。昭和25年(1950)施行。従来の国宝保存法・重要美術品等の保存に関する法律・史跡名勝天然記念物保存法などを統合。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ぶんかざいほごほう【文化財保護法】
〈文化財を保存し,且つ,その活用を図り,もつて国民の文化的向上に資するとともに,世界文化の進歩に貢献すること〉(1条)を目的とする法律(1950公布)。この法律にいう文化財は,有形文化財,無形文化財,民俗文化財,記念物および伝統的建造物群に分かれる(2条)。文部大臣は,〈有形文化財のうち重要なもの〉を重要文化財に,〈重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので,たぐいない国民の宝たるもの〉を国宝に指定することができる(27条)。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ぶんかざいほごほう【文化財保護法】
文化財を保存し、その活用を図り、国民の文化的向上と世界文化の進歩に貢献するための法律。1950年(昭和25)制定。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

文化財保護法
ぶんかざいほごほう
文化財を保護するため、1950年(昭和25)制定公布された法律。前年1月の法隆寺金堂炎上が契機となり、議員立法によるものであったことを第一の特色とし、第二には「国宝保存法」(1929制定)と「重要美術品等ノ保存ニ関スル法律」(1933制定)とをあわせたばかりでなく、「史蹟(しせき)名勝天然記念物保存法」(1919制定)をも吸収し、歴史上または学術上価値あるものは、土地や植物、動物などをも文化財として保護することにした。
 このほかにもまったく新しい観点から無形文化財、埋蔵文化財、民俗資料を加えたことが第三の特色である。その後、社会情勢などの変遷により、これらに適合させるため、1975年、同法に大改正がなされた。その結果、新たに、周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的建造物群、有形・無形の民俗資料をあわせた民俗文化財、無形文化財の一つであるが文化財の保存のために欠くことのできない伝統的技術・技能で保存の措置を講ずる必要のある選定保存技術などの保護についても考えられている。
 1996年(平成8)の同法改正では、従来の指定制度を補完するものとして、緩やかな保護措置を講ずる制度(文化財登録制度)が導入された。さらに2004年(平成16)の改正(施行は2005年)では、地域における人々の生活または生業および地域の風土により形成された景観地で、わが国民の生活または生業の理解のため欠くことのできないものとして文化的景観が加えられた。
 行政機構としては、当時の文部省外局として新しく文化財保護委員会を設け、国立博物館と国立文化財研究所を付属機関として吸収した。その後、1968年6月、文化財保護委員会が廃止され、新設の文化庁に文化財保護部として吸収され、諮問機関として文化財保護審議会が設置された。また、2001年の省庁再編に伴い、文化財保護部は文化財部に、文化財保護審議会は文化審議会文化財分科会に改組された。このような中央的機構に直結するものとしては、都道府県教育委員会に権限や事務を委任して地方的機構にかえている。都道府県教育委員会では、現在はおおむね文化課ないし文化財保護課などを設置し、文化財保護の主管課としている。また、国立博物館と国立文化財研究所は2001年4月より独立行政法人となり、2007年4月には統合されて独立行政法人国立文化財機構となっている。
 これらの機関が行う主要行政は、(1)保護すべき文化財の指定、(2)指定文化財の管理(滅失・亡失・毀損(きそん)などの防止、所在変更届出)、(3)保護(指定文化財の保存に障害を及ぼすようないっさいの行為の制限・禁止、危険な場合の積極的指導、財政援助など)、(4)公開、(5)調査、(6)記録の作成などとなっている。
 とくに(3)の保護関係の条文では、重要文化財に関し、所有者・管理者への財政援助とともに現状変更の制限、修理の届出制、輸出の禁止、売渡しの際の申出制など、文化財保護のための最小限の制限事項をうたっている。
 これらの文化財の保護については、社会や経済の急激な変動と生活様式、慣習の変遷により、種々の問題がおこっている。しかし、文化財は古い時代から伝えてきた国民的財産で、これを後世の人々に伝えることはわれわれの責務であることを自覚し、国や地方公共団体はもちろんのこと、所有者、管理団体、さらには国民が一体となって、文化財を保護してゆかねばならない。[榎本由喜雄]
『文化庁編『文化財保護法五十年史』(2001・ぎょうせい) ▽文化財保護法研究会編著『最新改正 文化財保護法』(2006・ぎょうせい)』

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精選版 日本国語大辞典

ぶんかざいほご‐ほう ブンクヮザイハフ【文化財保護法】
〘名〙 文化財を保護・活用し、国民の文化向上に貢献することを目的とした法律。昭和二五年(一九五〇)制定。従来の国宝保存法、重要美術品などの保存に関する法律、史跡名勝天然記念物保存法などを統合したもの。

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