Rakuten infoseek

辞書

文化史【ブンカシ】

デジタル大辞泉

ぶんか‐し〔ブンクワ‐〕【文化史】
学問・芸術文学思想宗教風俗制度など、人間の文化的活動の所産について包括的に記述した歴史政治史経済史などと区別していう。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ぶんかし【文化史 Kulturgeschichte[ドイツ]】
〈文化史〉という歴史叙述の一分野が,ヨーロッパにおいて形成されたのは18世紀後半である。それはまず〈政治史〉との対立を意味した。すなわち,国家的事件にのみ限定された歴史叙述に対し,風俗・習慣や精神生活の歴史叙述を意図した。そのような意味での文化史を創始したのは,通例,ボルテールの著作《諸国民の風習と精神についての試論》(1756)と目されている。しかし,彼はまだ〈文化史〉という用語を用いていない。《人間性形成のための歴史哲学異説》(1774)の著者J.G.ヘルダーにおいても,文化史の考えが芽生えていた。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ぶんかし【文化史】
科学・芸術・文学・教育・宗教・風俗・交通などを相関連させ、人類の文化の変遷・発達を記述した歴史。文明史。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

文化史
ぶんかし
歴史学の対象は人間のあらゆる生活面にわたるので、その研究はそれぞれの領域に応じて分化し、政治史、経済史、法制史、美術史、思想史等々多様な形態をとる。文化史もその一つで、扱う対象は風俗、習慣のような底辺の生活様式から、政治、経済を含み、高次の学問、芸術、宗教などの活動面までを広く包括する。しかし対象が広いだけで、文化史の方法は明確に規定されていない。一般の用法としては政治史に対して使われることが多く、その場合は知的活動面に偏って、精神史、技術史、芸術史に近いものとなる。文化史と文明史の区別も明確ではない。語義としては「文化」は知的・精神的形成をさし、「文明」は技術的・社会的形成をさすが、両者は互いに関連しているから、別個に使い分けられるものではない。トインビーは文化史のスケールの大きいものを文明史というが、この定義も学界に定着していない。
 いわゆる文化史はヨーロッパの18世紀啓蒙(けいもう)思想の産物である。その百科全書的な知識がもとになって、歴史の見方が聖史から俗史へ変わる転機に成立した。フランスのボルテールは『諸国民の精神と習俗論』において、伝統的なキリスト教的ヨーロッパ中心史観を打ち破り、非ヨーロッパ諸民族を同等に扱い、イスラム教や仏教をキリスト教と同列に置き、民衆の風俗や商業から上層の学問、芸術にわたる広範な歴史を書いた。これが文化史の始まりである。しかし19世紀のドイツ史学はナショナリズムへの関心から政治史に傾き、文化史は疎んぜられた。19世紀末ランプレヒトは独特の文化史を提唱した。それは伝統的な政治史に対して社会状態そのものを対象にして、その個別的事実を記述するのではなく、集団主義的方法で事象の一般型、発展段階を抽出するものだった。彼の意図は自然科学的方法を導入し、コントやバックルのように歴史を法則科学にしようとするものであったため、専門の歴史家や哲学者から反対された。この方法の継承者はいない。20世紀に入りシュペングラーは文化の形態をマクロにとらえ、それを生物学的アナロジーで有機体とみ、その個体の発生・成長・死滅の循環を文化史のパターンとした。この仮説は文化史の一つの側面を直観的にとらえてはいるが、対象が大きすぎて実証できないために、科学的な歴史学の方法にはなっていない。文化史は概念が決まらぬまま多様に書かれている。[神山四郎]
『バグビイ著、山本新・堤彪訳『文化と歴史』(1976・創文社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ぶんか‐し ブンクヮ‥【文化史】
〘名〙 狭義には、人間の内面の精神生活に関する歴史研究で、学問、芸術、思想などの精神文化の歴史をさす。広義には、人間の創造したあらゆる文化財、たとえば政治、社会経済、法律、制度、風俗、科学、芸術、文学などを含むあらゆる人間生活の領域を総合的に観察し叙述した歴史。文明史。開化史。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の花見「文化史的に見れば」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

文化史」の用語解説はコトバンクが提供しています。

文化史の関連情報

他サービスで検索

「文化史」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE GROUP, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.