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敬語【けいご】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

敬語
けいご
honorific
話の主題になる人物話し相手に対する敬意を示すために用いられる言語表現。日本語の敬語は一般に,尊敬語謙譲語丁寧語の3種に分類される。尊敬語と謙譲語は話の主題になっている人物に対する話者の敬意を示し,丁寧語は話し相手に対する話者の敬意を表わす。「あのかたになんと申されたのですか」という文では,「かた」は話題の人物に対する話者の敬意を示して「人」「やつ」などと対立する尊敬語,「申さ」はその人物が「申す」という動作をした話し相手より上位であることを示す謙譲語,「れ」は話者の話し相手に対する敬意を表わす尊敬語であり,全体に「です」という丁寧語がついている。このように,日本語では,「おっしゃる;申す」「召し上がる;いただく」「いらっしゃる;参る」など特別の単語によったり,「おからだ」「神父様」など接辞によったり,尊敬語の「れる,られる」「お~になる」など,謙譲語の「お~する」「~ていただく」など,丁寧語の「~です」「~ます」など,助動詞や補助動詞によったり,種々の仕方があり,それらが一種の体系をなしている。実際の言語行動においては,年齢,地位,性別,家柄,親疎など多くの要因がからんで,どの表現を用いるかが規定される。敬語の分類については,謙譲語を自分の行為・ものごとが向かう相手への敬意を表すことばと自分側の行為・ものごとなどを相手に対して丁重に述べることば (丁重語) の二つに分け,丁寧語のうち「お酒」「お料理」など,ものごとを美化して述べることばを美化語として,5分類とする説もある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

敬語
文化庁の国語に関する世論調査(06年、16歳以上対象)によると、社会生活を営む上で敬語を使いたいとした人が93%に上ったが、敬語を「難しい」と感じる人も68%に達した。そんな中、文化審議会の国語分科会は10月、敬語の指針案をまとめた。敬語を不得手とする若者向けに広がった「マニュアル敬語」を戒め、場と相手の気持ちをふまえて使うべきだと指摘している。
(2006-11-11 朝日新聞 夕刊 1社会)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

けい‐ご【敬語】
話し手または書き手が相手や話題の人物に対して敬意を表す言語表現。日本語では敬意の表し方によって、ふつう、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種に分けられる。敬譲語。→尊敬語謙譲語丁寧語待遇表現
[補説]「敬語の指針」(平成19年2月文化審議会答申)では、敬語の働きと適切な使い方をより深く理解することを目的として、従来の3種類に対し、尊敬語謙譲語Ⅰ謙譲語Ⅱ(丁重語)、丁寧語美化語の5種類に分けて解説している。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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就活用語集(就活大百科 キーワード1000)

敬語
面接の際に緊張してあがってしまうのは仕方のないことですが、敬語に慣れていないために、肝心の話がしどろもどろになって要領を得ない学生が多いのは残念なことです。敬語・言葉遣いの基本を学んでおきましょう。敬語には次の3種類があります。■尊敬語…相手に敬意を表すために、相手の動作や状態、持ち物などを直接敬う言葉。■謙譲語…自分や、自分側の動作、持ち物などをへりくだって言う言葉(結果として相手を敬う形になる)。■丁寧語…相手に対して品のよいていねいな対応が必要な時に使う言葉。

出典:マイナビ2012 -学生向け就職情報サイト-
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世界大百科事典 第2版

けいご【敬語】
が食う〉と〈あの方が召し上がる〉,〈が降った〉と〈雨が降りました〉のように客観的には同一の内容をもちながら異なった表現があり,その内容に現れる人(登場者)またその表現行為に関与する人(話し手自身・相手)の間の優劣関係を意識することによって一方が選択されるとき,その表現を敬語というが,日本語においてとくにいちじるしく認められる表現法である。敬意の表現だけでなく,逆に相手を見下げる気持の表現を含めて,大きく〈待遇表現〉の名で一括することもあるが,標準としての言語,とくに教育の面では卑下し悪口する表現が取り上げられることは少ない。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

けいご【敬語】
聞き手や話題にのぼっている人物・事物に対する話し手の敬意を表す言語的表現。日本語の敬語には、聞き手・話題に対して話し手の敬意を表現する「尊敬語」「謙譲語」と、聞き手に対して話し手の敬意を直接に表現する「丁寧語」とがある。 → 尊敬語謙譲語丁寧語

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

敬語
けいご

話し手(書き手)が聞き手(読み手)あるいは話題の人物に対する敬意に基づいて用いる特定の言語形式をいう。たとえば、「Aさんがなさるそうです。」は、「Aがするそうだ。」を敬語の言い方にしたものであるが、前者は、話し手が話題の人物Aに対する敬意に基づいて「Aさん」といい、「なさる」という言い方をする一方、聞き手に対しても「そうだ」のかわりに「そうです」を用いることにより敬意を表していることになる。このように敬語は、敬語でない語に対応する別の言語形式であるところにその基本的性格がある。ただし同じ言い換えでも、一方に「Aの野郎もしやがるそうだ。」のような言い方もあり、要するに日本語では、人をどのように待遇するかによって言語形式が変わるので、これを言語待遇または待遇表現とよぶ。敬語を広い意味に解する場合は、これらと同義語として用いられることもあり、近年そうした傾向もみられるが、普通は最初に述べたように敬意に基づく表現をさす。敬語は日本語のほか朝鮮語、チベット語、ジャワ語などに著しいが、欧米語には少ないといわれる。しかし英語のWill you ~ ?に対するWould you ~ ?の形、ドイツ語やフランス語のduやtu(ともに「おまえ」に相当)に対するSieやvous(ともに「あなた」に相当)など、敬語的表現がないわけではない。

[辻村敏樹]

敬語の種類

敬語は、もっとも一般的には、(1)相手や第三者の動作・状態・所属物などを高めていう尊敬語(「おっしゃる」「くださる」「お美しい」「ご住所」など)、(2)自分または自分側の者の動作・状態・所属物などを低めていう謙譲語(「申し上げる」「いただく」「拙宅」など)、(3)相手・自分に関係なく物言いを丁寧にする丁寧語(「お天気」「ご飯」「です」「ます」など)の三つに分けられる。しかし、丁寧語のうち「です」や「ます」は相手に対し直接敬意を表す語なので、これを対者敬語とよんで、ほかの丁寧語や尊敬語・謙譲語のように表現素材(話題の人物や事物・事柄)について用いられる敬語(素材敬語)と大きく区別することもできる。その場合、丁寧語という名称は「です」や「ます」に限って、「お天気」や「ご飯」の類は、素材を美化する表現として美化語などとよぶのが適当であろう。そのほか、敬意の対象によって「為手(して)尊敬」「受け手尊敬」「聞き手尊敬」「自己卑下」の各敬語を設ける説、「参る」や「致す」の類を話し手の品位を保つとともに、聞き手に対する敬意を表すものとして「丁重語」という一類をたてる説などいろいろある。

[辻村敏樹]

敬語の語構成

敬語は、構成上からみると、(1)特定語形を用いるもの(「おっしゃる」「なさる」「くださる」など)、(2)普通の語に敬語的成分を付加するもの(イ. 前接「顔」「本」など、ロ. 後接「息子さん」「行かれる」など、前後接「医者」「研究なる」など)の二つがある。ただし、(1)(2)の両方を用いて「お見えになる」「お伺いする」などの形にすることもある。

[辻村敏樹]

敬語表現の手順と対人関係

敬語の使用にあたっては、話し手、聞き手、話題の人物それぞれの関係に応じて、上記各種のことばを使い分けたり、組み合わせたりする必要があるが、動作の表現では、原則として、(1)話題の人物相互の関係による敬語、(2)話し手と話題の人物の関係による敬語、(3)話し手と聞き手の関係による敬語の順、たとえば、
  「AさんがBさんに本を(1)さしあげ(2)られ(3)ます。」
のように表現される。このことは、逆に、敬語表現の型から人と人との関係を探りうることを示す。

[辻村敏樹]

敬語と敬語意識

敬語は、もと人力を超えた存在(神)に対する敬避の表現に発したものと思われ、古くは文字どおり敬いの気持ちを表すものが中心であった。しかし今日では、そういう意識で用いられることもないではないが、対人関係における上下・親疎などの認識に基づくものがその基調となっている。すなわち、(1)上下関係の認識によるもの(上役・年上・先輩などに対する敬語)、(2)親疎関係の認識によるもの(初対面の人や面識の薄い人に対する敬語)、(3)恩恵的関係の認識によるもの(商人の客に対する敬語や、患者の医者に対する敬語など)、(4)優劣関係によるもの(役人・代議士などに対する敬語)、(5)公的立場の認識によるもの(放送・講演などの際の敬語)などいろいろある。そのほか、自己の品位を保とうとの意識から用いる場合や、親愛・諧謔(かいぎゃく)の意の表現のため自分自身に用いる場合もある。

[辻村敏樹]

現代敬語の傾向

現代敬語の傾向としては、(1)美化語や対者敬語への傾斜、(2)特定語形の衰退、(3)相対的用法の拡大などがあげられる。(1)や(2)は敬語簡素化の方向としてとらえられるが、とくに(1)の原因としては、人を上下関係にかかわりなくみようとする現代社会の一般的風潮をあげることができよう。なぜなら、尊敬語や謙譲語は、本来、上下関係を反映するものとしてできたものであるのに対し、美化語や対者敬語はそういう性格のものではなく、自己の品位を保つとか、聞き手のみへの敬意を示すといったものとなっているからである。また、相対的用法とは、相手によって敬語の使い方を変えることで、これは、古く神や天皇が上位者としての意識のもとに、自分自身に敬語を用いた絶対的用法(類例は近世の大名などにもある)と対照的なものといえる。なお、絶対的用法から相対的用法へというのが敬語の一つの流れであるが、現代では自分の身内はもちろん、勤務先の上司のことを外部の人に話すにも、自身のことをいう場合と同様な話し方をする傾向が広まりつつあり、これは上述の流れのなかの現象としてとらえることができる。

[辻村敏樹]

『時枝誠記著『国語学原論』「第5章 敬語論」(1941・岩波書店)』『金田一京助著『日本の敬語』(1959・角川書店)』『辻村敏樹著『現代の敬語』(1967・共文社)』『辻村敏樹著『敬語の史的研究』(1968・東京堂出版)』『辻村敏樹編『敬語史』(1971・大修館書店)』『宮地裕著『文論』「敬語論」(1971・明治書院)』『林四郎・南不二男編『敬語講座』全10巻(1973~74・明治書院)』『大野晋・柴田武編『岩波講座 日本語4 敬語』(1977・岩波書店)』『宮地裕編『敬語史』(1981・明治書院)』『国立国語研究所編『企業の中の敬語』(1982・三省堂)』『国立国語研究所著『敬語と敬語意識――岡崎における20年前との比較』(1983・三省堂)』『桜井光昭著『敬語論集――古代と現代』(1983・明治書院)』『大石初太郎著『現代敬語研究』(1983・筑摩書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

けい‐ご【敬語】
〘名〙 相手や話中の人物に対する敬意を表わす言語的表現。日本語では、相手や話中の人自身、およびその人に属する物や行為を敬う意味で用いるもの(尊敬語)、相手や話中の他人に対し、謙遜(けんそん)する意味で自分および自分がわの物・行為について用いるもの(謙譲語)、相手に対する直接の敬意から話し方を選ぶもの(丁寧語)が含まれる。形式としては、敬意を含んだ特別の単語を用いたり(君・のたまう・おぼす)、語頭、語尾、あるいはその双方に、敬意を表わすための一定の接辞・助動詞を添えたり(お顔・手前ども・お書きになる・読みました)する。また、尊敬語だけを特にいう場合もあり、相手との相対的な身分や年齢によって変わる待遇表現を広く含めていう場合もある。
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉政界叢話「臣民の敬語(ケイゴ)も方今の様には恭々しからず」

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