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放送衛星【ほうそうえいせい】

デジタル大辞泉

ほうそう‐えいせい〔ハウソウヱイセイ〕【放送衛星】
静止軌道に打ち上げられ、テレビなどの地上放送局からの電波を中継・増幅し、地上へ送り返す人工衛星。BS。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ほうそうえいせい【放送衛星 broadcasting satellite】
放送衛星は衛星放送を行うための人工衛星であり,宇宙に浮かぶ放送局である。放送衛星は,地上から見ると常に同じ場所に静止して見えるので静止衛星と呼ばれる。静止衛星は,赤道上約3万6000kmの軌道を地球の自転と同じ向きとスピード,すなわち軌道上を毎秒約7kmで地球の周りを回っている。 放送衛星は,放送のための装置,電力供給のための太陽電池蓄電池,衛星の姿勢制御する小型ロケットと地上から制御を行う管制装置などで構成されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

放送衛星
ほうそうえいせい
broadcasting satellite; BS
地上 3万6000kmの静止軌道上から一般視聴者に向けて放送を行なう衛星。地上の送信局からの電波を受信し,異なる周波数に変換,増幅して放送するもので,1基の衛星から広大な地域に放送することができ,山や建造物の影響を受けにくい特徴をもつ。早くから各国で技術的研究が行なわれ,日本でも 1978年4月,郵政省と宇宙開発事業団が開発した実験用衛星『ゆり』が打ち上げられたのを皮切りに,次々に衛星が更新され,静止軌道上で活動を継続している。衛星からの放送は特に隣接国における受信の問題をはらむので,運用について国連専門機関国際電気通信連合 ITUで議定され,各国の要求に基づいて使用チャンネルが割り当てられている(→スピルオーバー)。日本は 1977年の世界無線通信主管庁会議で八つのテレビチャンネルの割り当てを受けた。当初,制度上は放送衛星 BSと通信衛星 CSに分かれていたが,2000年に 110度CS(東経110°の静止軌道上にある通信衛星 N-SAT-110)が打ち上げられると同じ衛星アンテナと受信機でどちらも視聴可能になり,2009年,特別衛星放送として制度上も統合された。(→人工衛星

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

放送衛星
ほうそうえいせい
broadcasting satellite

地上の放送局から発信されたテレビ送信波を人工衛星が中継し、これを直接各家庭のアンテナで受信できるような方式を衛星放送といい、このためのテレビ送信波(映像信号と音声信号)を中継する衛星。

 放送衛星の基本的な機能は通信衛星と同様で、搭載した中継器(トランスポンダー)で地上から送信した電波を一度受信したのち、別の周波数に変換して地上に向けて再送信する。放送衛星ではKuバンド(12~18ギガヘルツ)を利用する。この周波数帯は地上放送に比べて伝送帯域幅が広くとれるので、より高品質なテレビ放送が可能になる。一方、強い雨が降っている時などは降雨による減衰を受け、映像が乱れる。受信は地上の一般家庭に限らず、鉄道や船舶などの移動体でも可能である。放送衛星を静止軌道に置くことで、地上に多くの中継局を設置するよりもはるかに効率的になる。放送衛星は一般家庭の小型アンテナでも受信可能なように、衛星側の送信電力を高くし、放送エリアを絞る成形ビームアンテナで放送域を制御(スピルオーバーといわれる放送波の漏洩(ろうえい)を防止)する。

 日本では実験用静止放送衛星「ゆり」(1978)、「ゆり2号a」(1984)、「ゆり2号b」(1986)により技術開発と実証実験が行われ、1989年(平成1)から世界初の本格的な衛星放送が開始された。その後、「ゆり3号a」(1990)、「ゆり3号b」(1991)、「ゆり4号」(1997)が相次いで打ち上げられ、日本における衛星放送は確固たるものとなった。BS放送には、1989年に本放送が開始されたBS(アナログ)放送と、2000年(平成12)に本放送が開始されたBSデジタル放送がある。アナログ方式は2011年7月に一部の地域を除いて廃止され、デジタル方式に移行した。2016年時点では、東経110度の静止軌道に、BSAT(ビーサット)-3a、BSAT-3b、BSAT-3cの3機が運用され、衛星基幹放送が行われている。2017年には次期放送衛星BSAT-4aが打ち上げられる。4K(フルハイビジョンの4倍の画素数の映像)や8Kという高精細な放送サービスは、2015年に試験放送が行われ、2016年時点で3番組の超高精細度テレビジョン放送(4K)、156番組の高精細度テレビジョン放送が行われている。

[森山 隆 2017年1月19日]

『永井裕著『人工衛星――ロケットから放送衛星まで』(1991・電気書院)』『原田益水著『衛星のすべて――BS、CSなど衛星通信の歩みと技術』改訂版(1993・電波新聞社)』『遠藤敬二・泉武博監修『放送衛星の基礎知識――BSデジタル放送を中心として』(2001・兼六館出版)』『片岡俊夫著『新・放送概論――デジタル時代の制度をさぐる』(2001・日本放送出版協会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ほうそう‐えいせい ハウソウヱイセイ【放送衛星】
〘名〙 (broadcasting satellite の訳語) 地上局から送られてくる放送電波を増幅して、直接家庭で受信できるよう一定のサービスエリアに送信する静止衛星。BS。〔日本沈没(1973)〕

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