Rakuten infoseek

辞書

抗凝血薬【こうぎょうけつやく】

世界大百科事典 第2版

こうぎょうけつやく【抗凝血薬 anticoagulants】
血液の凝固を阻止するで,血液凝固阻止薬ともいう。血液凝固機構には延べ10種以上の因子が関与して重要な役割をになっているが,それらの因子のいずれかを取り除いたり因子の活性を抑制することによって血液の凝固を防いだり凝固時間を延ばすことができる。 輸血や血沈その他の血液検査に際して血液の凝固を防ぐために加えるクエン酸ナトリウムは,血液凝固に不可欠な因子であるカルシウムイオンCa2+を除去することによって効果を発現する。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

抗凝血薬
こうぎょうけつやく
血液の凝固を阻止する薬剤で、抗凝固薬あるいは血液凝固阻止剤ともいう。肺塞栓(そくせん)や静脈血栓などの血液の凝固性が異常に亢進(こうしん)している疾患を防止したり、血液透析や輸血、血液検査時に用いられる。血液凝固は次のような機序(メカニズム)による。すなわち、血液中のトロンボプラスチンがカルシウムイオンによって活性化され、プロトロンビンからトロンビンとなり、このトロンビンが血漿(けっしょう)フィブリノゲンに作用してフィブリンとする。フィブリンは絡み合って血栓をつくる。したがって、抗凝血薬の機序としては次のようなものがある。
(1)カルシウムイオンと結合してこれを除去するもの クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)。
(2)プロトロンビンの生成を阻害するもの ワルファリン系のワルファリンカリウムやジクマロール、インダジオン系のフェニルインダジオン。
(3)トロンビンの作用を抑制するもの ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、デキストラン硫酸製剤、ヘパリノイド。
(4)フィブリンを溶解するもの ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナーゼなどの酵素製剤。
 クエン酸ナトリウムやヘパリンは輸血時の血液凝固阻止、または保存血など血液製剤に用いられる。ヘパリンはそのほか血栓・塞栓症に、また手術時や血液透析時の血液凝固阻止を目的として使用される。ワルファリンは血栓・塞栓症の予防と治療に内服で使用される。デキストラン硫酸はナトリウム塩として脂質異常症、制がん剤作用増強などに注射で用いられる。ヘパリノイドには末梢(まっしょう)血管循環促進作用を有するヒルドイド軟膏(なんこう)があり、血栓性静脈炎やケロイドの治療と予防などに用いられる。[幸保文治]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

こうぎょうけつ‐やく〔カウギヨウケツ‐〕【抗凝血薬】

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

抗凝血薬」の用語解説はコトバンクが提供しています。

抗凝血薬の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.