Rakuten infoseek

辞書

抄物【しょうもの】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

抄物
しょうもの
室町時代を中心に,僧侶らによって行われた講義録,およびその聞書 (ききがき) などの総称。『史記抄』『毛詩抄』など, (鈔) の名前がついていることが多いところから抄物の名がある。仏書漢籍などに当時の口語で注釈を書加えたものであるため,原文からの影響力や講義口調といったスタイルの反映が考えられるものの,室町時代の比較的純粋な口語資料ということができる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

しょう‐もつ〔セウ‐〕【抄物】
抜き書きしたもの。書き写したもの。また、詩作や歌作の参考書で、そのような形のもの。
しょうもの(抄物)

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

しょう‐もの〔セウ‐〕【抄物】
室町時代から江戸初期、五山の僧侶や学者などによってなされた漢籍仏典国書の講義記録や注釈書の総称。本文の語釈通釈が主で、室町時代の国語資料として貴重。「論語抄」「史記抄」「碧巌録抄」「日本書紀抄」などのように、原典名に「抄」を付した書名が多い。しょうもつ。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

しょうもの【抄物】
室町時代から江戸時代にわたって,漢籍,仏典や一部の国書などを五山禅僧や学者らが講義し注釈したものの筆記をいう。その草案の手控も含まれる。〈抄〉とはもともと〈抜書き〉をさすが,〈抄物〉の場合は原典の語句を取り出して講説を行うことを意味する。講義者や受講者の自筆本,転写本,それらをもとにした慶長(1596‐1615)以降の版本が多く残され,漢籍で100種以上,仏典で50種以上に及ぶ。日本における漢籍注釈史などの資料としてだけでなく,口述を片仮名と漢字を交えて書いたもの(仮名抄)が多く,国語史の資料としても貴重である。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

しょうもつ【抄物】
書物の抜き書き。また、和歌・漢詩の作り方を書き抜いて集めた本。参考書。 「古歌を多く覚え、家々の-をみるばかりによりて/為兼和歌抄」 → しょうもの(抄物)

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

しょうもの【抄物】
主として室町時代に作られた漢籍・仏典・漢文体国書の注釈書の総称(一部は江戸時代に入っても作られた)。多く、原典の書名に「抄」を付して「論語抄」「史記抄」のように呼ばれる。講述のための手控え、講述の聞き書き、それらを類纂るいさんしたものなどがある。漢文で書かれた漢文抄と漢字片仮名交じり文で書かれた仮名抄とがあり、後者は文語体と口語体とがある。口語体仮名抄は室町時代の口語を反映する。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

抄物
しょうもの
室町中期から江戸初期にかけて、京都五山の禅僧や博士(はかせ)家の学者などが漢籍や仏典や一部の国書を注解・講義した際に、これを受講した者が筆記した聞書(ききがき)。さらに講者の講義用草案や講義口調で書いた注釈をもこれに含める。『論語抄』『史記抄』『三略抄』『杜詩(とし)抄』『碧巌(へきがん)録抄』『貞永(じょうえい)式目抄』などのように、講義の対象となった原典名に「抄」を付した書名をもつものが多いため、「往来物」などと同じ仕方でこうよばれる。今日膨大な量の抄物が全国各地の寺院や図書館などに伝存するが、代表的な抄物としては、牧中梵祐(ぼくちゅうぼんゆう)講、桃源瑞仙(とうげんずいせん)(1430―89)聞書・抄『史記抄』、惟高妙安(いこうみょうあん)(1480―1567)抄『玉塵(ぎょくじん)』、清原宣賢(きよはらのぶかた)(1475―1550)講、林宗二(りんそうじ)(1498―1581)聞書『毛詩環翠口義(もうしかんすいこうぎ)』などをあげることができる。その本文は、原典の語句を抽出して、それについて片仮名交りゾ体(ナリ体のものもある)の文体で注釈するものが多い。桃源『史記抄』の周本紀の部分から例示する。
  長子――文身断髪ハ、荊蛮(ケイバン)ノ俗一生水ニツカリテヲルホドニ、身ニ画ヲカイタリ、イレハウクロ(入黒子)ヲシタリ、髪ヲ断テ、ヲソロシサウニシタリナンドスルゾ。蛟竜(カウリユウ)ガクラウホドニカウシテヲドスゾ。中岩ノ日本紀ヲ撰(セン)セラレタニ、国常立尊(クニトコタチノミコト)ト云ハ呉太伯ノ后裔(コウエイ)ヂヤナンドヽ云ハ、不合事ゾ。中岩ホドノ人ヂヤガウツクシウモ不合事ヲヲセ(仰)ラレタゾ。
 当時の口頭語を反映するため、キリシタン資料、狂言台本とともに、室町時代日本語の研究資料として価値が高い。曹洞(そうとう)僧によって作成された抄物は、東国方言の研究資料となる。また、抄物の注釈は、原典の単なる注釈にとどまらず、百科全書的知識を与えようとしていることが多く、種々の面から注目される。中国哲学・文学はいうまでもなく、国文学、国史学の立場からも注目、利用されている。[柳田征司]
『湯沢幸吉郎著『室町時代の言語研究』(1929・大岡山書店) ▽中田祝夫編『抄物大系』(1970~75・勉誠社) ▽岡見正雄・大塚光信編『抄物資料集成』(1971~76・清文堂出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

しょう‐もち セウ‥【抄物】
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「その家集ども〈略〉せうもちども、持たせてものせられよ」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

しょう‐もつ セウ‥【抄物】
〘名〙 (「抄」は文書を書きぬく意)
① 抜き書きしたもの。写しとったもの。また、そのような形にまとめられた、詩作・歌作のための参考書。手本。しょうもち。しょうもの。
※方丈記(1212)「すなはち、和歌・管絃・往生要集ごときの抄物を入れたり」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

しょう‐もの セウ‥【抄物】
〘名〙
① 漢籍、仏典、国書などを注釈した講義録の総称。また、僧や儒者の講義の筆記録もいう。「━抄」という書名を多く持つところから呼ばれる。室町期(ほぼ文明(一四六九‐八七)以後)の、特に口語を研究する上で役立つ。用語は京都語のものがほとんどであるが、「人天眼目抄」「碧巖大空抄」などは断定の助動詞「ダ」が見えるので有名である。「毛詩抄」「論語抄」「史記抄」「大学抄」「首楞厳経抄」「日本書紀抄」の類。
※慶長見聞集(1614)四「近年世間に流布する筆作の新らしき抄物共、皆聖賢のいひ置たる言葉を作りたる斗にて、珍敷かはる句なし」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

抄物」の用語解説はコトバンクが提供しています。

抄物の関連情報

他サービスで検索

「抄物」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.