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戸主【こしゅ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

戸主
こしゅ
戸または家の首長として,その構成員を統率する地位にあるもの。名目はともかくとして,実質的には,大化以前からあったものと思われるが,大化改新の際,令の規定によって制度化された戸籍の制によって確立した。籍,計帳もその申告に基づいて作成され,租・庸・調などの税負担の責任者となった。戸主の戸口に対する支配権の有無は明らかではない。しかし,その地位も時代を経るに従って向上し,平安時代に入り家格によって官位が固定,すなわち極官,極位が定まると戸主の権力は増大していった。特に武家社会以後は,戸主という語はみられないが,これに代って,家督が一門,一族の率者として財産の継承,配分を定めるようになり,この継承権を通じて一門,一族に対する独占的,絶対的な家父長的支配権をもつようになり,江戸時代にはこれが庶民にまで及ぶようになった。明治になって,新しい戸籍の制度ができ,家族各人の婚姻などによる家籍の移動に対する同意権,養子,嗣子,家督相続,財産贈与などに対する一方的な指定権,家族構成員の居所に対する指定権などをその内容とした戸主権が認められた。第2次世界大戦後の日本国憲法は,個人の自由,平等をたてまえとしたから,このような家族構成員を戸主の従属物とみるような戸主権は否定された。新しい民法のもとでは家の制度は廃止され,それにつれて戸主という概念もなくなり,単に戸籍の最初に「戸籍筆頭者」として記載されている者をさすにすぎなくなった。

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戸主
へぬし
(1) 戸または家の長 (→戸主〈こしゅ〉) 。 (2) 古代の都城での面積の単位平安京は東西南北に直交する街路によって条坊に区分され,1条は4坊,1坊は 16町,1町は 40丈とし,それを東西 10丈,南北5丈に区画した地を戸主と称した。鎌倉時代には鎌倉にもみえる。 (→条坊の制 )

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デジタル大辞泉

こ‐しゅ【戸主】
一家の主人。家長。
民法旧規定で、戸主権を持ち、家族を統率・扶養する義務を負った一家の首長。昭和22年(1947)家の制度とともに廃止。

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へ‐ぬし【戸主】
大化の改新後、戸の法律上の責任者。こしゅ。
平城京平安京宅地の最小区画の単位。1町を32等分したもの。

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世界大百科事典 第2版

こしゅ【戸主】
改正前の民法旧規定における家族制度の中心的概念で,〈家〉の統率者,支配者。戸主とは,いわゆる家督相続によって得られた地位にほかならないのであり,家督相続は原則として長男単独相続とされた。戸主の死亡,隠居などによって家督相続が開始されると,長男が新たに戸主となり,その戸主を本とする戸籍が編製された。戸主は,その家の全財産と祖先を祭る権利を一手に収めた。この家産の独占的な支配権と祖先祭祀権の両者が,家族に対する戸主の支配権(戸主権)の精神的・物質的な基礎となったのである。

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へぬし【戸主】

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大辞林 第三版

こしゅ【戸主】
律令制で、戸の首長。戸口の租・庸よう・調などに責任を負う。家長。
民法旧規定で、一家の統率者。戸主権を有し、家族を統轄し扶養する義務を負う。1947年(昭和22)、現行民法の公布により廃止。家長。

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へぬし【戸主】
律令制における戸の法律上の責任者。こしゅ。
平城京・平安京の地割りの最小単位。一町を三二の区画に分割したもの。

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精選版 日本国語大辞典

こ‐しゅ【戸主】
〘名〙
① 令制で戸の長。戸口に対する納税の責任を負った家長。
※正倉院文書‐大宝二年(702)筑前国嶋郡川辺里戸籍「戸主卜部乃母曾、年肆拾玖歳、正丁、課戸」
② 民法旧規定での家の統率者、支配者の名称、またはその人。家長。家の系譜・祭具・墳墓の所有権を相続し、家族の婚姻・養子縁組・分家などについて絶対的支配権をもっていた。昭和二二年(一九四七)現行民法の公布とともに廃止。

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へ‐ぬし【戸主】
〘名〙
① 令制で、戸の法律上の責任者。戸籍筆頭人。こしゅ。戸人(へひと)に対していう。
※書紀(720)白雉三年四月「凡そ、戸主には、皆家長(いへのかみ)を以て為。凡そ、戸は皆五家相保(まほ)る。一人を長と為(す)
② 条坊制(平城京・平安京)の宅地の区画。また、その一区画の面積。条・坊の大路で方一六〇〇尺の大区画に分け、これを縦横を四等分する三本ずつの小路によって区画して方四〇〇尺の中区画を作る。これを坪あるいは町と呼び、さらにこの区画を東西に四等分(行という)、南北に八等分(門という)して小区画を作り、戸主と称した。戸主は東西一〇〇尺、南北五〇尺の区画となり、一三九坪弱(約四六〇平方メートル)の面積となる。区画の所在を示す時は、左・右京の何条何坊西何行北何門のように称した。
※東寺百合文書‐へ・延喜一二年(912)七月一七日七条令解「合壱区地肆戸主在一坊十五町西一行北四五六七門」

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旺文社日本史事典 三訂版

戸主
こしゅ
家の首長として家族を支配・統率する地位にある者
令制において確立し,最年長者がなった。中世になると家族に対する支配権が強化された。明治時代,戸主権を法制化したが,戦後,日本国憲法で廃止された。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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