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性感染症【せいかんせんしょう】

妊娠・子育て用語辞典

せいかんせんしょう【性感染症】
性的な接触で人から人へうつる病気の総称。STD/STI(Sexually Transmitted Diseases/Infections)と略されます。性器だけでなく、肛門や口からの感染もあります。梅毒淋菌感染症、性器クラミジア感染症性器ヘルペス尖圭コンジローマ、性器カンジダ症、腟トリコモナス症などほか、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症などがあります。

出典:母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授)
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知恵蔵

性感染症
古典的な性病を始め、性行為を介して伝染する疾患すべてを指し、性行為感染症ともいう。古典的性病には淋病軟性下疳(げかん)、梅毒、鼠径(そけい)リンパ肉芽腫がある。それ以外では、マイコプラズマ性尿道炎、性器ヘルペス、B型肝炎尖圭コンジローム、トリコモナス膣炎、エイズサイトメガロウイルス感染症成人T細胞白血病など。近年、増え続けている。
(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

せい‐かんせんしょう〔‐カンセンシヤウ〕【性感染症】

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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大辞林 第三版

せいかんせんしょう【性感染症】

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

性感染症
せいかんせんしょう
sexually transmitted disease; STD
性行為や性的接触によって感染する疾患の総称。代表的なものは梅毒淋疾,性器ヘルペスウイルス感染症(→単純疱疹),エイズクラミジア感染症腟トリコモナス症カンジダ症尖圭コンジローム軟性下疳サイトメガロウイルス感染症,疥癬ケジラミ症など。性的接触以外に,垂直感染輸血などによって感染するものもある。初期は生殖器系泌尿器系,口腔などに発症し,亢進すると全身に症状を呈するものが多い。旧性病予防法では,梅毒,軟性下疳,淋疾,鼠径リンパ肉芽腫症の 4種が性病として定められていた。今日では,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律により,梅毒,クラミジア感染症,性器ヘルペスウイルス感染症,尖圭コンジローム,淋疾が 5類感染症に分類されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

性感染症
せいかんせんしょう

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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内科学 第10版

性感染症(人の行動と感染症)
 性感染症は性行為および類似の行為によって感染する疾患の総称である.わが国ではかつて,梅毒,淋病,軟性下疳,鼠径リンパ肉芽腫(第4性病)の4疾患がいわゆる性病(venereal disease:VD)として扱われ,性病予防法によって届出が義務づけられていた.しかし,その後の医学の進歩により,性行為に関連して感染する疾患がほかにも多く存在することが明らかになり,現在では約20もの疾患がその範疇に入るとされている.現時点において感染症法により届出が必要とされている性感染症は表4-3-1に示す疾患である.
(1)わが国における性感染症の現状
 梅毒の発生動向については1987年以降減少傾向にあったが,最近増加傾向にある(図4-3-1).これは梅毒の報告数がHIV感染症患者に高く,HIV感染症患者が増加するに伴い梅毒の報告数も増加していると考えられている.
 一方,わが国のHIV/AIDS患者に関しては,2004年の1年間に新たに報告された患者ははじめて1000件をこえ,これまでの累積数も約1万件に達しており深刻な状況が続いている.先進文明国のなかでHIV/AIDS患者がいまだに増加し続けているのはわが国だけともいわれており,今後の爆発的な増加が懸念されている.
 淋菌感染症,性器クラミジア感染症,性器ヘルペス,尖圭コンジローマの4つの性感染症の動向について2000年から2011年までのこれら4疾患の定点調査の結果を図4-3-2,4-3-3に示した.淋菌感染症,性器クラミジア感染症に関しては,男女とも2002年をピークとしてやや減少傾向にあり,尖圭コンジローマは横ばい,女性における性器ヘルペスだけが現在も増加しているように見受けられる(国立感染症研究所感染症情報センター).
(2)性感染症の病原体と疾患
 おもな性感染症の病原微生物と疾患について表4-3-1に示す.大きく分けて,細菌,マイコプラズマ,クラミジア,ウイルス,原虫,真菌,寄生虫によるものなどとなるが,これらの微生物の感染によって生じる疾患は多岐にわたり,幅広い年齢層にみられる.また,現在の性感染症の感染ルートはきわめて多様化している.性器性交,口腔性交,肛門性交,接吻などにより感染するだけでなく,皮膚の接触だけで感染するものもある.性器性交以外の類似した性行為により感染する疾患についてその感染ルートを知ることは,性感染症の予防のためにもきわめて重要である.
(3)おもな性感染症の定義と届出基準症状
 以下,各性感染症の詳細については,【⇨4-4-2)-(1)単純ヘルペスウイルス,(7)ヒトパピローマウイルス,4-4-3)-(7)HIV感染症とAIDS,4-5-3)-(2)淋菌,4-8-1)梅毒,4-10-3)クラミジア・トラコマティス感染症】に記載されているため,ここではHIV/AIDSを除く5疾患の届出基準について示す.
a.梅毒
 定義および臨床的特徴は【⇨4-8-1)】を参照.
届出基準
 ア 患者(確定例) 医師は,梅毒の臨床的特徴を有する者を診察した結果,症状や所見から梅毒が疑われ,かつ,表4-3-2の左欄に掲げる検査方法により,梅毒患者と診断した場合には,法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない. この場合において,検査材料は,同欄に掲げる検査方法の区分ごとに,それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること. イ 無症状病原体保有者 医師は,診察した者が梅毒の臨床的特徴を呈していないが,表4-3-2の左下欄①に掲げる検査方法により,カルジオリピンを抗原とする検査で倍々希釈法では16倍以上,自動化法では16以上,またはそれに相当する抗体を保有する者で無症状病原体保有者と見なされる者(陳旧性梅毒と見なされる者を除く)を診断した場合には,法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない.
 この場合において,検査材料は,同欄に掲げる検査方法の区分ごとに,それぞれ表4-3-2の右欄に定めるもののいずれかを用いること.先天性梅毒届出のために必要な臨床症状は,下記の5つのうち,いずれかの要件をみたすものである.①母体の血清抗体価に比して,児の血清抗体価が著しく高い場合②血清抗体価が移行抗体の推移から予想される値を高くこえて持続する場合③TPHA IgM抗体陽性④早期先天梅毒の症状を呈する場合⑤晩期先天梅毒の症状を呈する場合
b.性器クラミジア感染症
 定義と臨床的特徴は【⇨4-10-3)】を参照.
届出基準
 患者(確定例)
 指定届出機関の管理者は,当該指定届出機関の医師が性器クラミジア感染症の臨床的特徴を有する者を診察した結果,症状や所見から性器クラミジア感染症が疑われ,かつ,表4-3-3の左欄に掲げる検査方法により,性器クラミジア感染症患者と診断した場合には,法第14条第2項の規定による届出を月単位で,翌月の初日に届け出なければならない. この場合において,検査材料は,同欄に掲げる検査方法の区分ごとに,それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること. スクリーニングによる病原体・抗原・遺伝子に関する検査陽性例は報告対象に含まれるが,抗体陽性のみの場合は除外する.
c.性器ヘルペスウイルス感染症
 定義と臨床的特徴は【⇨4-4-2)-(1)】を参照.
届出基準
 患者(確定例)
 指定届出機関の管理者は,当該指定届出機関の医師が,性器ヘルペスウイルス感染症の臨床的特徴を有する者を診察した結果,性器や臀部にヘルペス特有な有痛性の単数または多数の小さな水疱性または浅い潰瘍性病変などの所見から性器ヘルペスウイルス感染症が疑われ,性器ヘルペスウイルス感染症患者と診断した場合には,法第14条第2項の規定による届出を月単位で,翌月の初日に届け出なければならない.
 明らかに再発であるものおよび血清抗体のみ陽性のものは除外する.
d.尖圭コンジローマ
 定義と臨床的特徴は【⇨4-4-7)】を参照.
届出基準
 患者(確定例)
 指定届出機関の管理者は,当該指定届出機関の医師が,尖圭コンジローマの臨床的特徴を有する者を診察した結果,性器およびその周辺に淡紅色または褐色調の乳頭状,または鶏冠状の特徴的病変により尖圭コンジローマが疑われ,尖圭コンジローマ患者と診断した場合には,法第14条第2項の規定による届出を月単位で,翌月の初日に届け出なければならない.
e.淋菌感染症
 定義と臨床的特徴は【⇨4-5-3)-(2)】 を参照.
届出基準
 患者(確定例)
 指定届出機関の管理者は,当該指定届出機関の医師が,淋菌感染症の臨床的特徴を有する者を診察した結果,症状や所見から淋菌感染症が疑われ,かつ,表4-3-4の左欄に掲げる検査方法により,淋菌感染症患者と診断した場合には,法第14条第2項の規定による届出を月単位で,翌月の初日に届け出なければならない.
 この場合において,検査材料は,同欄に掲げる検査方法の区分ごとに,それぞれ表4-3-4の右欄に定めるもののいずれかを用いること.
(4)軟性下疳の診断と治療
 軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)による感染症で,性行為によって感染する.本疾患は淋菌感染症や梅毒と同じように戦後の性病流行期に多くみられたが,その後急速に減少して現在わが国においてはほとんどみられない.まれに海外で感染して受診することがある.
症状と診断
 感染後2~7日して,男性では亀頭部や冠状溝,女性では大小陰唇や腟の入り口付近などに辺縁が不規則で深い潰瘍がみられ,強い痛みを伴う.続いて鼠径部のリンパ節が腫れ,やはり強い痛みを訴える.
 診断は通常,潰瘍の表面から分泌物をとりGram染色をすると,Gram陰性の連鎖状桿菌を認める.確定診断および薬剤耐性を調べるには,血液成分とバンコマイシンを加えたハートインヒュージョン寒天培地やチョコレート寒天培地が用いられるが,国内では培養やポリメラーゼ連鎖反応の検出を受託してくれる機関がない(日本性感染症学会,2011).したがって,診断はおもに臨床症状と感染の機会があったかどうかを確認することによって行われる.なお,検体は,潰瘍面の分泌物を綿棒などで採取するが,接触により激痛を訴えるため,表面麻酔薬などを滴下して採取する(日本性感染症学会,2011).
鑑別診断
 鑑別すべき疾患として性器ヘルペスや梅毒の硬性下疳などがあるが,ヘルペスでは潰瘍が浅くて痛みも軽く,梅毒の硬性下疳では通常,潰瘍の痛みやリンパ節の圧痛は伴わない.
治療
 かつてはマクロライド系,テトラサイクリン系抗菌薬が有効とされていたが,近年ペニシシリンやテトラサイクリン系抗菌薬に対するプラスミド性の耐性株が増えているとされている.現在CDCで推奨されている処方は以下の通りである.①アジスロマイシン(AZM):1 g,経口,単回投与.②セフトリアキソン(CTRX): 250 mg,筋注,単回投与.③シプロフロキサシン(CPFX):500 mg,1日2回,3日間.④エリスロマイシン(EM):500mg,1日3回,7日間.[小野寺昭一・清田 浩]
■文献
日本性感染症学会編:性感染症 診断・治療ガイドライン2011.日性感染症誌,22 (1) supplement, 2011.
Workowski KA, Berman S, et al: Sexually Transmitted Diseases Guidelines, 2010. MMWR, 59: (12), 2010.

出典:内科学 第10版
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