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心筋梗塞【しんきんこうそく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

心筋梗塞
しんきんこうそく
myocardial infarction
冠動脈の閉塞によって起る心筋壊死。左心室壁の冠状動脈,ときにはその分枝血栓塞栓,れん縮などが生じて血流が止り,その血管領域の組織に酸素が欠乏して,心筋層に壊死を生じる。一般症状としては,独特の不安感の強い胸内苦悶や激痛があり,心音は微弱,顔面は蒼白となり,血圧は多くは低下する。心電図は特異な梗塞曲線を描く。誘因としては心身の過労,ことに強い感情ストレスとの関係が深いとされている。梗塞巣が大きくない場合には十分回復の見込みがあるが,いかにすみやかに適切な診療を行えるかどうかが予後を決定する。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

心筋梗塞
冠動脈が完全に閉塞され、心筋虚血が続いて細胞が壊死に至った病態。激烈な胸痛が続きニトログリセリンは効かない。発症する直前に、過度の疲労、睡眠不足、激務、過度の精神的ストレスがあることが多いとされている。発症後6時間以内であれば、冠動脈にできた血栓を溶かす血栓溶解療法か、またはPTCA(経皮的冠動脈形成術)によって、閉塞した血管を開通させることができる。
(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

心筋梗塞
動脈硬化などで心臓を取り囲む冠動脈がふさがって血液が届かなくなり、心臓の筋肉が壊死(えし)する。厚労省の調査では08年の急性の心筋梗塞の患者は4万9千人。研究班によると、00年に調べた全国23地域の患者759人の死亡率は21%、半数は病院に着く前に心停止していた。
(2010-08-07 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

しんきん‐こうそく〔‐カウソク〕【心筋梗塞】
心臓の冠状動脈の、血栓などによる閉塞、急激な血流の減少により、酸素と栄養の供給が止まり、心筋が壊死(えし)した病態。激しい狭心痛、ショック状態などが起こる。中年以後に多い。MI(myocardial infarction)。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

心筋梗塞
 心臓に酸素や栄養素を送る冠状動脈に閉塞が起こり,血流が障害されて心筋の壊死を起こす症状.

出典:朝倉書店
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生活習慣病用語辞典

心筋梗塞
冠動脈 (心臓に酸素や栄養素を供給する血管) が一定時間完全に詰まり、心臓の筋肉 (心筋) の一部が壊死することで起きます。一度壊死した心筋は、元には戻りません。 激しい心臓発作が持続するのが特徴です。最悪の場合は失神、呼吸停止、心停止となります。狭心症で有効なニトログリセリンの効果はありません。

出典:あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)
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世界大百科事典 第2版

しんきんこうそく【心筋梗塞 myocardial infarction】
冠状動脈の一部の血流がとだえて,その流域の心臓の壁が壊死に陥り,心臓の機能障害を生じる疾患。生命にかかわる場合のある重い病気である。20世紀初期までは,病理解剖によって初めて診断できる疾患であったが,最近では臨床的に容易に診断できるようになった。
[心筋梗塞の疫学]
 日本では心筋梗塞を含む心疾患による死亡は1950年以来,増加の傾向にあり,58年以来,悪性新生物脳血管疾患に次いで3位を占めるようになり,さらに85年以降は脳血管疾患を抜いて第2位となっている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しんきんこうそく【心筋梗塞】
冠状動脈に血栓などが生じて血液の循環障害が起き、その部分の心筋が壊死えしする疾患。胸部前面に激しい疼痛とうつうが起こり長時間持続し、呼吸困難・不整脈・チアノーゼ・ショック状態などを呈する。 → 狭心症

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

心筋梗塞
しんきんこうそく
冠状動脈による心筋への酸素(血液)の需要と供給が不均衡となり酸素不足の状態(冠不全)が持続する結果、心筋細胞に不可逆性変化(心筋壊死(えし))が生じて心筋の収縮機能が多少なりとも障害を受けた病態をいう。原因は主として冠状動脈の硬化性狭窄(きょうさく)病変を基盤とし、血栓形成や動脈のれん縮が加わって冠血流がとだえることにあると考えられる。すなわち、冠血流が停止すると、心筋細胞において細胞小器官の膨化が数十分以内に生じ、数時間の経過で心筋壊死が進展するとされている。心臓弁膜症などで心腔(しんくう)内に形成された血栓が冠状動脈閉塞を引き起こすこともある。
 好発年齢は狭心症と同様に50~60歳代であり、男性が女性に比べて多い。臨床的に労作および安静時に突然生じる左前胸部の絞扼(こうやく)感(絞め付けられるような感じ)を主症状とし、冷汗、悪心、嘔吐(おうと)などの随伴症状を呈することもある。また頻発する狭心症の発作に対してニトログリセリンの投与が奏効しない場合も、心筋梗塞への移行を考慮しなくてはならない。[井上通敏]

診断

病歴、心電図所見、白血球数、血清逸脱酵素の定量によって診断されるが、多くの場合、発症数時間後に心電図のST部分の著明な上昇を認めるので、判定は容易である。心筋の壊死によって、血清内へ流出する血清逸脱酵素の一つであるクレアチンフォスフォキナーゼ(CPK)のイソ酵素MB型の定量測定も、心筋梗塞に特異性が高く、診断に有用である。[井上通敏]

治療

急性心筋梗塞は発症後数時間内に不整脈などで死亡する例が多いので、早期にICUやCCUに収容して集中監視および治療を行うことが肝要である。安静を保ち、酸素吸入を施行する一方、胸痛に対しては鎮痛剤を使用するが、心筋梗塞の胸痛は通常の鎮痛剤では奏効しない場合が多く、麻薬(モルヒネ)の使用を余儀なくされることもある。これらの一般的処置が行われたら、集中監視システムを設置した専門施設での治療が必要である。心筋梗塞の死亡率は20%程度であり、心不全、ショック、心破裂、不整脈に基づくことが多い。治療法の進歩に伴い、不整脈による死亡は減少傾向にあるが、心筋収縮機能の低下に起因する心不全やショックによる死亡率は依然として高率である。心筋の収縮力低下は障害心筋の範囲に依存しているため、治療に際してはこの点に留意し、心筋の保護に努力する。すでに壊死が進展した心筋細胞は再生しないので、非梗塞領域の健常残余心筋の障害進展を防止することも肝要である。なお、外科的療法としては、心不全やショックが強いときに大動脈内バルーンパンピングを行う。すなわち、大腿(だいたい)動脈から大動脈内にバルーン付きカテーテルを挿入し、胸部下行大動脈内に固定して大動脈圧を調整し、冠血流を増加させる方法である。また急性期を過ぎてからは、大動脈と冠動脈にバイパスの血管を設ける手術も行われる。[井上通敏]

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