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【りつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


りつ
唐律を母法とする日本の古代法典の一つ。刑法および官吏懲戒法に相当する。日本における律の編纂は,『飛鳥浄御原律』 (→飛鳥浄御原律令 ) に始るといわれているが,その存在には疑いもある。確実に存在した律は,大宝1 (701) 年に成った『大宝律』 (→大宝律令 ) であり,今日その全編が亡佚しているが,その内容は,『令集解 (りょうのしゅうげ) 』所引の古記,『律集解』逸文所引の古答からうかがいうる。『養老律』 (→養老律令 ) は養老年間 (717~724) に編纂され,天平宝字1 (757) 年に施行された。条文数はおよそ 500条,総則にあたる「名例律」,ならびに各論にあたる「衛禁律」以下 12編から成るが,そのうち,今日に伝えられているものは,「職制」「賊盗」の2律と,「名例」「衛禁」「闘訟」の一部のみである。ただし,平安時代以降室町時代以前の諸書には,この律の逸文を載録しているものが多く,それによりこの律の多くの条文が復元されている。 (→律令格式 )  

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りつ
vinaya
仏教の僧尼が,仏道を修行するうえで守るべき規範や,違反したときに受ける罰則を定めたもの (→戒律 ) 。これを集成したものを律蔵と呼ぶ。セイロン上座部の伝えたパーリ律,漢訳の『四分律』『五分律』『十誦律』『摩訶僧祇律』などが現存する。

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りつ
中国,日本の音楽理論用語。 (1) 中国,日本の古典的音楽理論における楽律のこと。つまりオクターブ内の諸音の高さの算定法,あるいは諸音と標準音との音程関係を規定する理論。オクターブ内を 12の絶対音高に分ける十二律が一般的。 (2) 十二律のうち奇数番目にあって陽性をもつと考えられていた6律をいい,陰性の (りょ) に対する。 (3) 音の高さ,特に旋律構成音の高さをいう。 (4) 音程の意味にも用いる。音程の単位語として,半音を1律,全音を2律というように用いられる。非常に広い音程に対してはあまり用いられない。 (5) 音階の種類の名称で,雅楽や声明 (しょうみょう) などで三分損益法によって生じる普通の音階を呂の音階というのに対して,それと異なる日本独自のものを律の音階,律旋などという。両者の中間的なものを半律半呂ともいい,現在の呂旋といわれるものに相当する。雅楽・唐楽では六調子を律と呂に分け,平調 (ひょうぢょう) ,黄鐘 (おうしき) 調,盤渉 (ばんしき) 調は律の音階に属するとされているが,現行の雅楽にはこの理論をそのままあてはめることはできない。 (6) 催馬楽 (さいばら) などの楽曲分類法として,2分した結果呂でないものを律という。

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デジタル大辞泉

りち【律】[漢字項目]
りつ

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りつ【律】
古代、中国を中心とする東アジア諸国の刑法典。令(りょう)とともに国家の基本法で、刑罰を規定したもの。日本では、天武天皇の時の飛鳥浄御原(きよみはら)律が最初で、以後、大宝律・養老律で完成した。→律令
《〈梵〉vinayaの訳》仏語。
㋐僧尼の守るべき生活規律。
㋑「律蔵」の
㋒「律義(りつぎ)」の略。
㋓「律宗」の略。
楽音の絶対音高をさす。音律。ピッチ。
日本および中国音楽の音程の単位。十二律の音の高さの差を表し、一律は洋楽の半音にあたる。
十二律のうち、陽(奇数律)に属する6音。⇔呂(りょ)
催馬楽(さいばら)で、平調(ひょうじょう)の音を主音とする曲。⇔
律詩(りっし)」の略。
律旋法」の略。⇔
律調」の略。⇔

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りつ【律】[漢字項目]
[音]リツ(漢) リチ(呉) [訓]のり
学習漢字]6年
〈リツ〉
行動を秩序づけるためのおきて。さだめ。「律令(りつりょう)格律規律軍律法律不文律
物事の法則。「因果律矛盾律
仏教で、僧の守るべき規則。「律師律宗戒律
ある基準に照らして処置する。「自律他律
音楽の調子。「律動一律韻律音律楽律旋律調律
雅楽などで、陽の調子。「律呂(りつりょ)
漢詩の一体。「律詩排律
〈リチ〉おきて。きまりに従う。「律儀
[名のり]おと・ただし・ただす
[難読]呂律(ろれつ)

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世界大百科事典 第2版

りつ【律】
中国や日本の音楽用語。音の高さ,およびその規定。楽律ともいう。中国では古来国家体制の変革とともに度量衡の改定が行われ,その規準として音律を定め,その音律を出すことのできる律管の長さや容積を度量衡の規準としたために音律が重視され,音律の意味で単に〈律〉とも称した。たとえば十二律という語は,理論的に無限に存在する音の中から1オクターブ内の12の音律を取り出した場合の総称として用いられた。また,十二律の奇数番目の6音律(黄鐘(こうしよう),太簇(たいそう∥たいぞく),姑洗(こせん),蕤賓(すいひん),夷則(いそく),無射(むしや∥ぶえき))を律といい,残りの6音律を呂(りよ)という。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

りつ【律】
おきて。法律。特に、古代、犯罪・刑罰について定めた刑法典。令とともに中国で秦・漢時代に発達し、隋・唐時代に大成。日本では唐律を模して、天武朝期の飛鳥浄御原律あすかきよみはらりつから701年に大宝律として制定。718年、改定して養老律とした。
「律詩」の略。
〘仏〙 〔 vinaya〕 出家した者が守るべき規則。
律宗のこと。
楽音の絶対音高。音律。ピッチ。 「調-」 「平均-」
日本・中国音楽で、音程の単位。十二律の一段階の差を示し、洋楽の半音(短二度)に相当。 「第三弦を二-下げる」
十二律の各音のうち陽の(奇数番目にあたる)六音。 ⇔ りよ
相対的音程関係が、レ・ミ・(ファ)・ソ・ラ・シ・(ド)の形の五声または七声。中国の五声・七声を「呂りよ」とするのに対していう。 「唐土は呂の国なり、-の音なし/徒然 199」 ⇔
「律旋りつせん」の略。 ⇔
「律管」の略。

出典:三省堂
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精選版 日本国語大辞典

りち【律】
〘名〙 =りつ(律)①②③
源氏(1001‐14頃)常夏「をかしげなる和琴のある引き寄せひて、かき鳴らし給へば、りちにいとよくしらべられたり」

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りつ【律】
〘名〙
① 音楽で、音律、楽律の意。また、音調。調子。拍子。りち。
※仮名草子・浮世物語(1665頃)四「然るに鳳皇麒麟亀龍をば、これを四霊と名づけて、その鳴声律(リツ)に叶ひ、備ふる形数に応じ」 〔書経‐舜典〕
② 特に雅楽で、絶対音高の定まった十二律を陰陽の二種に分けたときの陽の音の称。日本では壱越(いちこつ)、平調(ひょうじょう)、下無(しもむ)、鳧鐘(ふしょう)、鸞鏡(らんけい)、神仙(しんせん)の六音をいう。六律。陰の音は呂(りょ)という。りち。〔漢書‐律歴志上〕
③ 律旋(りっせん)のこと。りち。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)常夏「をかしげなる和琴の〈略〉りつにいとどよくしらべられたり」
※十訓抄(1252)四「御遊ありけるに、呂をはりて律にうつりける時、〈略〉打聞ば呂の調べにて、律の声を引べきやうもなければ」
④ 「りっかん(律管)」の略。〔礼記‐月令〕
(イ) のり。おきて。法令。刑法。特に古代、中国を中心とした東アジア諸国の刑法典。令を強制するための刑罰を定めたもの。日本では天武天皇のとき編纂された飛鳥浄御原律(あすかきよみはらりつ)が最初のもので、大宝元年(七〇一)の大宝律、養老二年(七一八)の養老律によって完成する。中国、特に唐律の影響を強く受け、その多くが模倣とされる。
※律(718)名例「流罪以下、減一等、其犯八虐者、不此律
※徒然草(1331頃)一八三「人くふ犬をば養ひかふべからず。これみなとがあり。律の禁なり」 〔爾雅‐釈詁〕
(ロ) のっとるべき物事。手本。模範。
※童子問(1707)下「学而無文、猶口而不一レ言。然文之入律亦難」
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一二「一聯が律(リツ)にも絶句にもならず」
⑦ (vinaya 毘奈耶の訳) 仏語。
(イ) 僧尼の守るべき生活規律。
※観智院本三宝絵(984)下「臈の次にまかせて座をつらね、律の文によりてことをつたへたり」 〔大乗義章‐一〕
(ロ) 「りつぞう(律蔵)」の略。
※選択本願念仏集(1198頃)「律即立二十犍度以明戒行
(ハ) 「りつぎ(律儀)」の略。〔勝鬘経義疏(611)〕
(ニ) 「りっしゅう(律宗)」の略。
⑧ 弁護士のこと。
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉一「ヨジシ(貧民窟)のなかで、リツ(弁護士)やシャジ(医者)のところへ行けないヒカワ(貧乏人)相手に」

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りっ‐・す【律】
〘他サ変〙 ⇒りっする(律)

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りっ‐・する【律】
〘他サ変〙 りっ・す 〘他サ変〙
① 定める。規定する。
※明六雑誌‐三九号(1875)人世三宝説・二〈西周〉「其条欵苟も人世今生の事を律する者に在ては亦孰れか此三宝の戕害を保護する者に非る」
② 一定の規律・規則などに当てはめて物事をさばき、処理する。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉五「常識の縄墨を以て律す可きもので無い」

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