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往生要集【おうじょうようしゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

往生要集
おうじょうようしゅう
恵心僧都源信の著。3巻。寛和1 (985) 年成立。現実の苦悩や汚穢を直視し,念仏を勤めて,西方極楽浄土の阿弥陀如来の国に往生すべきことを説いたもの。「厭離穢土」「欣求浄土」「極楽の証拠」「正修念仏」「助念の方法」「別時念仏」「念仏の利益」「念仏の証拠」「往生の諸行」「問答料簡」の 10章から成るが,各章はさらに細分されて整然とした体系をなす。百六十余の仏典からの 900条に近い引用文によって構成されたものであるが,日本浄土教を確立した貴重な著述として,のちの宗教,文学,美術などに多大の影響を与えた。往生の事実を示す慶滋保胤 (よししげのやすたね) の『日本往生極楽記』と密接な関係にあるが,本書は地獄の精細な記述など,往生の願いを人々に起させようとするところに力点がある。なお源信の『観心略要集』はこの姉妹編

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デジタル大辞泉

おうじょうようしゅう〔ワウジヤウエウシフ〕【往生要集】
仏教書。3巻。源信著。寛和元年(985)成立。諸経論中より往生要文を抜粋し、往生浄土の道を説いたもの。日本の浄土教に画期的な影響を与えた。

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世界大百科事典 第2版

おうじょうようしゅう【往生要集】
比叡山横川(よかわ)の恵心院の僧都(そうず源信が985年(寛和1)に撰述した書。3巻。〈往生極楽〉に関する経論の要文を集め,〈往生の業(ごう)には念仏を本となす〉という思想を明らかにした平安時代の浄土教信仰を代表する著書。〈それ往生極楽の教行は,濁世末代の目足なり。道俗貴賤,誰か帰せざる者あらん〉に始まる序文が有名で,極楽に往生するためにはただ〈念仏の一門〉あるのみという信念から,一つには自身のため,一つには同行者のため,112部,617文にも及ぶ多数の経論を引用して念仏実践の指南書とした。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

おうじょうようしゅう【往生要集】
三巻。源信著。985年成立。極楽往生に関する重要な文を集め、念仏の要旨と功徳を示したもの。日本の浄土教の思想的基礎となった。地獄に関する記述は広く民衆にまで影響を与えた。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

往生要集
おうじょうようしゅう
平安中期の仏教書。天台宗の僧源信(げんしん)(恵心僧都(えしんそうず))の著。43歳の984年(永観2)11月から書き始め、翌年4月に完成したもので、3巻10章からなる。濁世(じょくせ)末代の人にとって極楽(ごくらく)に往生する道を示す教えこそもっともふさわしいものであるという信念から、そのために必要な念仏について経典や論疏(ろんしょ)のなかから要(かなめ)となる文章を集めたもので、引文は112部、617文に及んでいる。10章のうち、とくに注目されるのは、(1)厭離穢土(おんりえど)、(2)欣求浄土(ごんぐじょうど)、(4)正修(しょうしゅ)念仏、(5)助念方法、(6)別時念仏、(8)念仏証拠(しょうこ)、(10)問答料簡(りょうけん)などの章で、(1)と(2)は現実の苦や不浄、無常などを直視して浄土こそ欣(よろこ)び願い求める所であることを10の楽しみによって示している。(4)~(6)の3章は念仏とそれに必要な修行の仕方を説き、これが本書の中心をなす。そこに説かれる念仏は観想が主体をなし、称名(しょうみょう)念仏の比重は低く、また臨終(りんじゅう)正念を重視した点に特色がある。ついで念仏を勧める証拠の経文を示し、最後にこれまで説いたことを問答により補足している。本書は日本浄土教の基礎を確立した金字塔ともいえるもので、以後長く多大の影響を与え、文学、美術その他習俗にまで及んでいる。脱稿後、中国に送られたことも注目される。[石田瑞麿]
『石田瑞麿訳『往生要集』全2巻(1963、64・平凡社、東洋文庫) ▽石田瑞麿校注『日本思想大系 6 源信』(1970・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典

おうじょうようしゅう ワウジャウエウシフ【往生要集】
平安中期の仏書。三巻。源信著。永観二~寛和元年(九八四‐九八五)成立。厭離穢土、欣求浄土、極楽証拠、正修念仏、助念方法、別時念仏、念仏利益、念仏証拠、諸行往生、問答料簡の十門からなる。鎌倉時代の浄土教の確立を促したばかりでなく、さまざまな面で後世に多大の影響を与えた。

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