Rakuten infoseek

辞書

Infoseek辞書サービス終了のお知らせ

弁証法的唯物論【べんしょうほうてきゆいぶつろん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

弁証法的唯物論
べんしょうほうてきゆいぶつろん
dialectical materialism
マルクス主義世界観の基礎をなす哲学。すなわち運動する物質をその全理論の出発点とし,物質の運動法則,運動形態は弁証法的であるとする。思惟の弁証法もこの物質の弁証法的運動の反映であるとされる。創始者であるマルクスエンゲルスはともにヘーゲル左派に属し,フォイエルバハ唯物論ヘーゲルの弁証法哲学から思想形成を行なったが,彼らは前者の唯物論が機械的であり,後者の弁証法が観念論的であると批判し,弁証法を唯物論的に,唯物論を弁証法的につくり直した。弁証法的唯物論という名称は G.プレハーノフの命名によるが,この方法はレーニンスターリン,毛沢東などによって発展させられ,革命の哲学とされてきた。この認識論としての弁証法的唯物論を人間社会の歴史に即して考えたものが史的唯物論といわれる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

べんしょうほうてき‐ゆいぶつろん〔ベンシヨウハフテキ‐〕【弁証法的唯物論】
《〈ドイツ〉dialektischer Materialismusマルクスエンゲルスが1840年代にヘーゲル弁証法フォイエルバッハ唯物論を批判的に摂取して創始し、レーニン毛沢東らが進展させた哲学説。自然・社会・歴史の発展過程を、物質的なものの弁証法的発展としてとらえた。唯物弁証法

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

べんしょうほうてきゆいぶつろん【弁証法的唯物論 dialektischer Materialismus[ドイツ]】
マルクス主義哲学の基本的立場を表す通称。〈唯物弁証法materialistische Dialektik〉という言い方も同義に用いられる場合がある(ただし唯物弁証法とは,元来はヘーゲルなどの観念論的な弁証法と区別して,唯物論的な弁証法という方法論上の特質を表す)。マルクス主義の始祖K.マルクスおよびF.エンゲルスは,自分の哲学を体系的な形では書きのこしていないが,後継者たち,特にドイツ社会民主党のK.カウツキーやロシアのマルクス主義者たちによって,始祖の哲学が体系的な解釈図式で整理されるようになった。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

弁証法的唯物論
べんしょうほうてきゆいぶつろん
dialectical materialism 英語
matérialisme dialectique フランス語
dialektischer Materialismus ドイツ語

マルクス主義の根本的な哲学学説として、主として革命成立後の旧ソ連で解釈、整理された思想。弁証法的唯物論の自然への適用が自然弁証法であり、歴史・社会への適用が史的唯物論であるとみなされるか、もしくは、広義の自然弁証法と弁証法的唯物論が同一のものとされて、史的唯物論がその適用とみなされる。「史的唯物論は、弁証法的唯物論の諸命題を、社会生活の現象、社会歴史の研究へ適用させたものである」(スターリン)。つまり、弁証法的唯物論は、自然と社会に共通する根本原理である。

[加藤尚武]

観念弁証法と形而上学的唯物論

弁証法的でない唯物論、つまりいわゆる形而上(けいじじょう)学的唯物論と、唯物論的でない弁証法、つまり観念弁証法の両方に対立し、「唯物弁証法」ともいわれる。マルクス、エンゲルスは自分の立場に「弁証法的唯物論」ということばを用いたことはない。このことばは、元来、他の哲学思想に対してマルクス主義の性格を特徴づけることばとしてプレハーノフによって初めて用いられ、レーニンに引き継がれた。デボーリン、ブハーリンによって、一定の解釈のもとに内容的に整えられたのち、スターリンの『弁証法的唯物論と史的唯物論について』(1938)によって、(1)マルクス主義を他の思想から特徴づけるとともに、(2)自然と社会に共通する原理的規定として、(3)簡潔な教条の形に定式化された。このスターリンの考え方はその後、ソ連で発行される諸種の哲学教科書の原型を形づくった。

 スターリンは、唯物論の特徴として、物質、自然、存在はわれわれの意識の外に、意識から独立して存在する客観的現実であり、物質は感覚、観念、意識の源泉であることを強調したうえで、「弁証法的方法の主要な特徴」を、(1)事物、現象を相互に有機的に連関し、相互に制約、限定しあう相関的な全一体とみる。(2)自然を絶えざる運動と変化、更新と発展、発生と崩壊、衰亡としてみる。(3)液体が気体に転化するときのように、自然を量的変化から質的変化に転化する発展、飛躍的転化の形での発展としてみる。(4)矛盾が自然の事物と現象にかならず内在し、古いものと新しいもの、死滅するものと生成するもの、……その闘争が発展過程の内容を構成する、と要約した。これらの特徴づけの細部については、当然、マルクス、エンゲルスの思想との異同がさまざまに指摘されている。

[加藤尚武]

『マルクス、エンゲルス著、花崎皋平訳『ドイツ・イデオロギー』(1966・合同出版社)』『マルクス著、宮川実訳『経済学批判』(青木文庫)』『マルクス、エンゲルス著、大内兵衛他訳『共産党宣言』(岩波文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

べんしょうほうてき‐ゆいぶつろん ‥ハフテキ‥【弁証法的唯物論】
〘名〙 (dialektischer Materialismus の訳語) 哲学学説。一九世紀から二〇世紀にかけて、マルクス、エンゲルス、レーニンらが、ヘーゲルの観念論的な立場に反して、その弁証法を唯物論の上に適用し、自然と社会の歴史的過程を物質的存在の弁証法的発展として説明した理論。〔モダン用語辞典(1930)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社世界史事典 三訂版

弁証法的唯物論
べんしょうほうてきゆいぶつろん
dialektischer Materialismus (ドイツ)
19世紀中ごろ,マルクスとエンゲルスによって創始され,さらにレーニンによって発展させられた共産主義の世界観。唯物弁証法ともいう
それ以前の唯物論がフォイエルバッハのように形而上 (けいじじよう) 学的(非弁証法的)であったり,ディドロのように機械論的であったりしたため,ヘーゲルの弁証法を取り入れてさらにその観念論的な形態を克服し,唯物論の最高形態として確立した。この世界観は人間の歴史的社会に適用されて唯物史観に展開し,労働者階級による世界変革の実践哲学となった。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

弁証法的唯物論」の用語解説はコトバンクが提供しています。

弁証法的唯物論の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.