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廓文章【くるわぶんしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

廓文章
くるわぶんしょう
浄瑠璃。世話物。3巻。坂田藤十郎が上方和事芸の伝統をつくった夕霧狂言の浄瑠璃や,正徳2 (1712) 年春,大坂竹本座初演の近松門左衛門作『夕霧阿波鳴渡 (ゆうぎりあわのなると) 』の「吉田屋の段」を原拠とする書き換え。安永9 (80) 年頃の成立といわれる。放蕩を尽したあげく借財をつくり,勘当された藤屋伊左衛門が,落ちぶれた紙衣姿で,かつてなじみの遊女夕霧に年の暮れ迫る新町吉田屋で再会する。全体に曲も舞台面もはなやいだ景事 (けいごと) の要素が濃い作品。歌舞伎では1幕2場で上演,通称『夕霧伊左衛門』『吉田屋』ともいう。実在した名妓夕霧の死をいたんで,宝暦年間 (1751~64) 頃から行われた夕霧狂言の舞踊化をもとに,文化5 (1808) 年江戸中村座で地を豊後系浄瑠璃から義太夫節に代えて上演され,翌年の再演で現行の舞踊劇に近いものが成立したといわれる。

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デジタル大辞泉

くるわぶんしょう〔くるわブンシヤウ〕【廓文章】
浄瑠璃。安永9年(1780)成立。寛政5年(1793)大坂大西芝居初演。近松門左衛門作「夕霧阿波鳴渡」吉田屋の段の書き換え。
歌舞伎狂言世話物。一幕。文化5年(1808)江戸中村座初演。に基づく。夕霧伊左衛門。吉田屋。

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世界大百科事典 第2版

くるわぶんしょう【廓文章】
(1)人形浄瑠璃。1780年(安永9)成立の説があるが疑問。93年(寛政5)5月大坂大西芝居で《夕ぎり伊左衛門 曲輪文章(くるわぶんしよう)》の名題で演じたのが初演か。大坂新町の遊女扇屋夕霧と藤屋伊左衛門の情話を扱った近松門左衛門作《夕霧阿波鳴渡(ゆうぎりあわのなると)》(1712初演と推定)吉田屋の段の書替え。(2)歌舞伎狂言。世話物。1幕2場。通称《吉田屋》《夕霧伊左衛門》。〈夕霧伊左衛門〉は,坂田藤十郎所演以来歌舞伎,人形浄瑠璃に続々と脚色されたが,歌舞伎で《廓文章》の名題で独立上演されたのは,1808年(文化5)10月の江戸中村座が最初。

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大辞林 第三版

くるわぶんしょう【廓文章】
歌舞伎の一。世話物。1808年成立。近松門左衛門作の「夕霧阿波鳴渡」吉田屋の段を改作した浄瑠璃・歌舞伎の、夕霧・伊左衛門を主人公とする夕霧物の影響を受けて成立。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

廓文章
くるわぶんしょう
浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)、歌舞伎(かぶき)劇。世話物。通称「吉田屋」。成立は1780年(安永9)という。人形浄瑠璃では1793年(寛政5)5月、大坂・大西(おおにし)芝居で『曲輪文章』の名題(なだい)により初演。近松門左衛門作『夕霧阿波鳴渡(ゆうぎりあわのなると)』(1712)の上の巻「吉田屋」の改作。新町(しんまち)扇屋(おうぎや)の遊女夕霧になじんで勘当された藤屋伊左衛門が、師走(しわす)のある日、うらぶれた紙衣(かみこ)姿で吉田屋を訪れる。夕霧が阿波の大尽の座敷にいたと知り、その不実を怒った伊左衛門も、やがて女の真情を知って心が解け、おりから勘当が許され身請けの金が運ばれる。歌舞伎では、1808年(文化5)初めて『廓文章』の名題で演じられたといわれ、のち義太夫と常磐津(ときわず)(または清元(きよもと))を使った舞踊風の情緒劇として完成した。おかしさ、哀れさ、気骨を兼ね備えた伊左衛門の和事芸が中心で、恋にやつれた病鉢巻(やまいはちまき)の夕霧との色模様など、見どころは多い。[松井俊諭]

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精選版 日本国語大辞典

くるわぶんしょう くるわブンシャウ【廓文章】
[一] 浄瑠璃。一段。安永九年(一七八〇)成立。寛政五年(一七九三)大坂大西芝居初演。「夕霧阿波鳴渡(ゆうぎりあわのなると)」の吉田屋の段の書き替え。
[二] 歌舞伎。世話物。一幕。二世瀬川如皐(じょこう)作。文化五年(一八〇八)江戸中村座初演。(一)の歌舞伎化で、ともに薗八節「ゆかりの月見」に負うところが多い。吉田屋。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典

廓文章
〔義太夫, 新内, 常磐津, 富本, 清元〕
くるわぶんしょう
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
近松門左衛門(1代)
補作者
瀬川如皐(2代)
初演
文化5.10(江戸・中村座)

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廓文章
(通称)
くるわぶんしょう
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
冬簦廓水仙
初演
寛政7.1(江戸・都座)

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