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庭訓往来【ていきんおうらい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

庭訓往来
ていきんおうらい
室町時代の往来物玄恵 (げんえ) のとされるが定かでない。1巻。庶民用の初等教科書で,室町から江戸時代を通じ明治初期まで広く普及した。形式手紙文 25通を1年 12ヵ月に配列しているが,文例集ではなく,日常生活に必要な多くの用語を示し,それが意味する社会事象を教えるのを目的とした。貴族的教養を排し,武士,庶民を対象としたところに特色があり,長く愛用された。また往来物編纂の模範ともなった。

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デジタル大辞泉

ていきんおうらい〔テイキンワウライ〕【庭訓往来】
室町時代の往来物。1巻。玄恵(げんえ)著と伝えられるが未詳。応永年間(1394~1428)ころの成立か。1年各月の消息文を集めた初学者用の書簡文範。擬漢文体で書かれ、武士・庶民の生活上必要な用語を網羅する。江戸時代には寺子屋の教科書として広く用いられた。庭訓

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世界大百科事典 第2版

ていきんおうらい【庭訓往来】
往来物の一種。作者不詳。南北朝後期から室町初期の作と推定される。庭訓は,孔子が庭で息子を呼びとめ,詩やを学ぶべきことを説いた故事から出た語で,家庭での教訓,父から子への教訓を意味する。手紙文の形式をとり,〈正月状往〉〈同返〉以下12月まで各月2通ずつに〈八月状単〉を加えた25通からなる。〈招き居(す)えべき輩は,鍛冶鋳物師巧匠……(以下37種の職名)〉のように文章中に同類名詞を列挙し,あるいは〈次に大舎人(おおとのえ)の大津練貫(ねりぬき),六条の染物……(以下19項)〉のように,産業・特産物を短句の形で並べている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ていきんおうらい【庭訓往来】
往来物。二巻。玄恵著と伝えるが未詳。南北朝から室町前期にかけての成立か。年間各月の往復消息文を通じて、社会生活に必要な数多くの語彙を会得できるようになっている。初等教科書として広く普及した。文体は和臭の強い漢文体。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

庭訓往来
ていきんおうらい
中世後期から近代初頭にわたり普及した初歩教科書で、いわゆる往来物の一種。作者は僧玄恵(げんえ)との説もあるが不明。南北朝末期から室町前期に至る間の作とされている。進状・返状各一対ずつの書状を1年の各月に配し、閏(うるう)8月の進状一通を添えた25通の書状からなる。書状には社会万般の事物に関する単語をあげ、武士や庶民の心得おくべき社会生活、生産活動上の知識を網羅している。中世の普及期を経て近世に入り、教科書として編纂(へんさん)・刊行される過程において、幼童・庶民向けへの教育的配慮も加えられ、長く広く愛用された。[利根啓三郎]
『石川謙・石川松太郎著『日本教科書大系3 古往来3』(1968・講談社)』

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精選版 日本国語大辞典

ていきんおうらい ‥ワウライ【庭訓往来】
室町前期の往来物。一巻。玄恵法印の作と伝えるが疑問。応永年間(一三九四‐一四二八)頃の成立かという。往復書簡の形式を採り、手紙文の模範とするとともに、武士の日常生活に関する諸事実・用語を素材とする初等教科書として編まれた。室町・江戸時代に広く流布した。庭訓。

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