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広告心理学【こうこくしんりがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

広告心理学
こうこくしんりがく
advertising psychology
広告の方法,手段,その効果などの心理学的な側面や基礎を明らかにしようとする研究分野。広告効果の測定には,質問紙や面接による方法などのほかに,投影法セマンティック・ディファレンシャル法さらにはアイカメラなども用いられる。

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こうこくしんりがく
広告心理学
psychology of advertising
広告は企業が消費者に向けて情報発信を行なうためのコミュニケーション・ツールであり,マーケティング戦略を進めるうえで重要な手段である。広告媒体としてテレビ,新聞,ラジオ,雑誌(マスコミ4媒体)が代表的なものとされてきたが,近年ではインターネットが主要な媒体になりつつある。広告は情報伝達機能(商品の機能や特長の伝達),説得機能(商品や企業に対する好意的態度の形成),需要創造機能(需要を喚起して商品へのニーズを作る)などの機能をもつが,いずれも広告の受け手である消費者の心理的特性に大きく依存する。

 広告心理学はスコットScott,W.D.の著書『広告の理論The theory of advertising』(1903)を起源として,知覚心理学,認知心理学,社会心理学などを基礎とする応用分野として発展してきた。広告が消費者に与える心理的・行動的影響を説明するために多くのモデルが提案されてきた。この代表例であるAIDMA(アイドマ)モデルは広告提示から購買行動に至るプロセスをattention(広告への注意),interest(広告内容への興味・関心),desire(広告で伝えられた商品への欲求の生起),memory(広告内容や商品の記憶),action(実際の購買行動)という五つの段階で説明するものである。また電通によりAISAS(アイサス)モデルが提案され,2005年に商標として登録された。これはattentionとinterestに加え,商品への興味をもった後にインターネットなどを利用して積極的な情報探索(search)を行ない,また商品購買(Action)をした後の商品評価に関する情報を流すことで,それを求める新たな消費者との間で情報の共有(share)が成立するというものである。インターネットを駆使して積極的・能動的に消費者のクチコミ情報を収集し,それを考慮して商品購買を決定する現代の消費者のあり方を適切に表わしたモデルといえる。

 広告の説得機能については1950~60年代を中心にアメリカの社会心理学者たちが取り組んだ説得的コミュニケーション研究(態度変容研究)がその理論的基礎になる。ここではなんらかの態度変容や行動変容を期待して行なわれる情報伝達のしくみが実験的手法を用いて解明された。たとえばホブランドHovland,C.I.とワイスWeiss,W.は同一の情報を提示する場合であっても,情報源(情報の送り手)の信憑性credibilityが高いほど説得の効果が高まることを明らかにしている。この信憑性は送り手の専門性expertise(専門的知識の有無)と信頼性reliability(人間としての信頼性)によって規定されることを示しているが,このことは推奨広告(テレビCMなどで特定の人物が商品を勧める広告)における人選を考える場合の参考になる。また強い恐怖心の喚起が必ずしも態度変容につながらないというジャニスJanis,I.L.とフィッシュバックFeshbach,S.が行なった恐怖喚起コミュニケーションに関する研究なども広告表現の方法を考えるうえで示唆を与えてくれる。さらに有名タレントを起用した広告により生じる商品への好意の形成の影響はハイダーHeider,F.のバランス理論により説明できるだろう。広告が消費者に与えた効果(広告効果)を客観的かつ定量的に測定することも重要な課題であるが,テレビ広告に関する指標としてリーチreach(ターゲットとなる視聴者のうち何パーセントが広告を見ているのか)やフリークエンシー(1人当たり何回見ているのか)などの接触の程度や範囲を測るマクロ的な指標や,前述した社会心理学的な態度変容研究の枠組みを用いて測定される心理的変容の程度,あるいはGSR(皮膚電気抵抗)や瞳孔径などの生理的指標が用いられる。 →行動経済学 →消費者行動 →マーケティング
〔永野 光朗〕

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