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平衡河川【へいこうかせん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

平衡河川
へいこうかせん
graded river
の運搬力に対して送流物質量が釣合っていて,河床浸食堆積を起さないような河川。現実には河川の全流路にわたって平衡状態に達することはありえないが,平衡状態に近い河川の勾配は上流に急で下流にゆるやかな指数曲線を描くようになる。このようななめらかな曲線を描く河川を平滑河川ということもある。地形学では河川の縦断勾配が平滑な曲線を示すようになった河川は壮年期に達したといわれる。

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デジタル大辞泉

へいこう‐かせん〔ヘイカウ‐〕【平衡河川】
河川の輸送力土砂の運搬量とがほぼ等しいため、浸食や堆積(たいせき)が進まない状態の河川。その縦断面は上流で急、下流で緩やかとなる。平滑河川。

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世界大百科事典 第2版

へいこうかせん【平衡河川】

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大辞林 第三版

へいこうかせん【平衡河川】
浸食と堆積との釣り合いがとれて、安定した形状を維持して流れる河川。その縦断面形は、上流に急、下流に緩で、平滑な曲線になる。平滑河川。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

平衡河川
へいこうかせん
graded river
川の営む侵食、運搬、堆積(たいせき)作用の間に力学的なつり合い、すなわち平衡の状態が成立している川。平滑河川、グレード河川ともいう。平衡の状態としては静的平衡と動的平衡とが考えられる。前者は、流水のエネルギーと河床の抵抗とが力学的につり合っている状態で、侵食も堆積もおこらない。後者は、一定距離の区間内で侵食量に見合うだけの堆積量があり、流入してきた土砂に匹敵するだけの量が下流側に流出している状態で、土砂収支の面からつり合いがとれていて、結果的には侵食も堆積もおこらなかった場合と同じことになる。
 川の縦断面は上流側で急傾斜、下流側になるほど緩傾斜となり、全体としては上に向かってくぼんだ曲線で、ほぼ指数曲線で近似できる。河床の縦断面の各部分は、上流側から供給される土砂を下流側へ運ぶのに必要な流速を維持すると考えると、下流側の縦断勾配(こうばい)は、流送される土砂粒子の細粒化に伴い、粒径に対応して緩勾配となるという説明が成り立つ。アメリカの地形学者マッキンJoseph Hoover Mackin(1905―68)は、長い年月にわたって、流域から供給された荷重の運搬に必要なだけの流速を生ずるように、勾配が微妙に調節されている川を平衡河川と定義した。そして、なんらかの条件が変化すると、その変化の影響を吸収するように平衡の関係を変化させていくのが平衡河川の外見上の特徴であると述べている。マッキン流に解釈すれば、大部分の川はこのような平衡状態の達成を目ざしているという意味で平衡河川とよぶことができる。現実の川で、河床が侵食も堆積も受けない完全な均衡状態が全川にわたって成立することは考えられないし、静的平衡状態が一時的に成立したとしても、外的な条件の変化によって長続きはしないであろう。灌漑(かんがい)水路ではこれに近い状態が要求されることから、流路の安定を図るレジーム理論や安定河道の理論が生まれたが、諸外国では流路の横断面の安定が主眼で、安定流路の縦断形状理論は日本で発達した。
 アメリカの地形学者W・M・デービスは、動的平衡の概念を彼の侵食輪廻(りんね)(地形輪廻)説のなかに取り入れ、壮年期の河谷の地形的特徴としたが、マッキンの定義によれば、平衡状態は定常状態を目ざした川の自己調整作用の現れであるから、平衡河川が壮年期のみの特徴とはならない。定常状態は壮年期以外にも出現するからである。レオポルドLuna Bergere Leopold(1915― )とウォルマンMarkley Gordon Wolman(1924― )の理論的研究では、川は定常状態を目ざして流水の位置エネルギー消費速度を最小にすべく調整すると考えられている。山茂美]

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精選版 日本国語大辞典

へいこう‐かせん ヘイカウ‥【平衡河川】
〘名〙 河流浸食作用と堆積(たいせき)作用とが平衡を保っているため、運搬作用だけが働いている河川。

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