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干渉【かんしょう】

日本大百科全書(ニッポニカ)

干渉(国際法)
かんしょう
intervention
他国の国内問題に介入すること。干渉は国際法上原則的に禁止されており、この観点から国内問題不干渉の原則(義務)という。ここに国内問題とは、国際法によって規律されずに一国の管轄権内にある事項である。対内的のみならず対外的事項を含み、事項は政治的たると経済的たると文化的たるとを問わない。何が国内問題かは流動的であり、本質的に国内問題であっても国際法により規律されれば、国内問題ではなくなる。国際社会の緊密化につれてその範囲は縮小傾向にあるが、憲法体制、関税、国籍許与、出入国管理などは国内問題の代表的なものである。他方で、干渉とは、一国の意思を他国に強要して特定の行為を行わせることである。単なる勧告や、周旋・仲介の申入れは、干渉にならない。通常、武力による威嚇または武力行使を伴うことが多いが、経済的、政治的その他の強制措置によることもある。いずれにせよ、この原則は、いわゆる国家の基本権の一つとして、諸国の平和共存のための必須(ひっす)の条件とされている。
 干渉が例外的に適法とされることがある。いわゆる合法的干渉である。条約が干渉を認めている場合、他国の人種上または宗教上の迫害の中止を求めて「人道のための干渉」を行う場合(慣習法上はかならずしも確立していない)、内乱に際し正当政府の明示または黙示の要請に基づき協力する場合、国際法違反行為に対し被害国以外の第三国が違反国に制裁を加える場合などがそれである。そのほか、外交的保護、自衛権、国際組織による集合的干渉などをあげる向きもある。当該原則は、国家相互間のみならず、国際組織と国家の間でも問題となる。国連は「本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項」には、原則的に「干渉」しないが、例外的に第7章の強制措置の適用は妨げないとする(国連憲章2条7項)。しかし、慣行上は「国際的関心事項」の概念を導入するなどして、人権問題や「人民の同権と自決」にかかわる植民地問題にも積極的に関与することが少なくない。冷戦後は、安全保障理事会が重大な人権侵害または人道的危機を平和への脅威とみなして、例外的な強制措置をとり、ないしは加盟国に必要な措置をとることを許可するなど、国連の枠内で人道的干渉が発動される機会が増えている。[内田久司]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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