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常識哲学【じょうしきてつがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

常識哲学
じょうしきてつがく
philosophy of common sense
T.リードに代表されるイギリスのスコットランド学派の哲学のことをいい,18世紀末から 19世紀にかけてスコットランドで一大勢力をなした。リードは D.ヒューム懐疑論,G.バークリーの主観的観念論に反対して,形而上学,数学,論理学倫理学,美学におけるある種の真理を,幾何学の公理のように証明できないが,しかし自明の真理であるとして,これを常識の原理と名づけた。ほかにこの学派に属する学者として,A.ファーガソン,D.スチュアートらは道徳哲学において,T.ブラウン,W.ハミルトンは認識論,心理学において,J.オスワルドは宗教学において,J.ビーティーは美学的領域において,それぞれ常識の真理を擁護した。この学派は 1816~70年にロワイエ・コラール,V.クーザンに代表されるフランスの折衷主義に影響を与え,またアメリカの C.S.パースの「批判的常識主義」に,さらに 20世紀ではイギリスの G.E.ムーアの『常識の擁護』 Defense of Common Sense (1925) に影響を与えた。

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デジタル大辞泉

じょうしき‐てつがく〔ジヤウシキ‐〕【常識哲学】
18世紀、スコットランドに興ったイギリス啓蒙(けいもう)哲学の一派バークリー主観的観念論ヒューム懐疑論に反対し、数学・論理学の公理、因果法則外界の実在、自我の存在、善悪の区別などを人間の本性上自明な根本原理とし、これを常識の原理と名づけてあらゆる道理の基礎とした。T=リードおよびその学派(常識学派)に始まる。

出典:小学館
監修:松村明
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大辞林 第三版

じょうしきてつがく【常識哲学】
人間に広く共通する自明な意識としての常識(共通感覚)を根本の原理として、存在・認識・倫理などを考える哲学説。バークリーの主観的観念論やヒュームの懐疑論を厳しく批判したリードおよびその学派(常識学派)に始まる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

常識哲学
じょうしきてつがく
T・リード、J・ビーティ、D・スチュアート、J・O・オズワルドらを代表とし、スコットランドに現れた18世紀イギリス哲学の一傾向。スコットランド常識学派ともいわれ、外界存在や因果律の確実性に対するヒュームの懐疑的帰結を批判した。ヒュームやその先駆、ロック、バークリーの論法は正しいが、彼らがデカルトから継承した、知識の対象と要素を心的で単純な観念とする基本前提は誤りで、実在や因果律などの知識の確実性は、人々の「常識の原理」により保証されると彼らは主張する。
 その説は、一方ではヒュームに極まったイギリス古典経験論の否定的結末に対して、伝統的道徳や宗教の弁護を目的とし、当時の聖職者の護教の拠点ともなった。この保守性に加えて、常識の原理などを中心とする彼らの積極的主張にはあいまいで古拙(こせつ)な点がある。だが他方でそれは、イギリス古典経験論の独断的前提への適切な批判を含み、現代での一段と洗練された常識擁護の先駆としての意義をもつ。[杖下隆英]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

じょうしき‐てつがく ジャウシキ‥【常識哲学】
〘名〙 イギリス啓蒙(けいもう)哲学の一つ。トマス=リードを代表とする常識学派(スコットランド学派)が唱えたもの。〔現代文化百科事典(1937)〕

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