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差戻し【さしもどし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

差戻し
さしもどし
remand
(1) 民事訴訟法上,上級審である控訴審または上告審下級審判決を取り消し,あるいは破棄したときにとられる措置で,再度審理を行なわせるために,当該事件を下級審に移審すること。差戻しを受けた裁判所は,上級審の判断に拘束される (裁判所法) 。この拘束力については,既判力と考える考え方が有力である。 (2) 刑事訴訟法上,控訴審または上告審の手続において,第1審または控訴審が言い渡した判決を破棄したときに,自判移送の場合を除き,原則として事件を原審裁判所へ移審すること。差戻しを受けた裁判所が上級審の判断に拘束されるのは,民事訴訟の場合と同じである。

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デジタル大辞泉

さし‐もどし【差(し)戻し】
提出された書類・案件などをもとへ戻すこと。
訴訟上、上級審において原判決を取り消しまたは破棄する場合にとられる処置。事件を原審である控訴審または第一審に戻して、もう一度審理させること。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

さしもどし【差戻し】
上訴裁判所が原裁判を破棄した後に,事件について審理をやり直させるために,事件を原裁判所(または第一審裁判所)に送り返すことをいう。差戻しは,原裁判所等に事件の事実審理をやり直させる必要があるときに行われる。民事訴訟の控訴裁判所のように,上訴裁判所がみずから事件の事実審理を行えるときは(事実審),それほど差戻しを行う必要も高くないが,それでも,第一審裁判所が訴えを不適法として却下して,事件の本案について十分審理をしていないときなどは,事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない(民事訴訟法307条,308条)。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

差戻し
さしもどし
上級裁判所において、上訴が理由あると認めて原判決を取り消す際に、事件を原裁判所に戻して、もう一度審理させることをいう。これに対して、原判決を取り消したうえ、自ら原裁判所にかわって裁判することを自判という。[内田武吉・加藤哲夫]

民事訴訟における差戻し

民事訴訟では、控訴裁判所が第一審判決を取り消して差し戻す場合(民事訴訟法307条、308条)と、上告裁判所が原判決を破棄して原裁判所に差し戻す(破棄差戻し)か、または同等な他の裁判所に移送(破棄移送)する場合(同法325条1項)とがある。控訴審では、訴えの利益や能力の欠缺(けんけつ)などを理由に訴えを不適法として却下した第一審判決を、控訴裁判所が不適法でないとして取り消すときに、もう一度弁論・裁判をさせるために差し戻すのであり(必要的差戻し)、また、その他の理由によって取り消すときでも、弁論の必要があると認めたときは差し戻すことができる(任意的差戻し)。控訴審では、自判が原則で、差戻しは例外である。これに対し上告審では、その性格上、破棄自判するのは一定の場合に限られ(同法326条)、差戻しが原則である。[内田武吉・加藤哲夫]

刑事訴訟における差戻し

刑事訴訟では、上訴裁判所が原判決を破棄して、判決で事件を原裁判所または第一審裁判所に差し戻すことをいう。控訴裁判所が原判決を破棄して、判決で事件を原裁判所に差し戻さなければならない場合(破棄差戻し、刑事訴訟法398条)、判決で事件を原裁判所に差し戻しまたは原裁判所と同等の他の裁判所に移送しなければならない場合(同法400条本文)、上告裁判所が原判決を破棄して、判決で事件を原裁判所もしくは第一審裁判所に差し戻しまたはこれらと同等の他の裁判所に移送(破棄移送)しなければならない場合(同法413条本文)などがある。上訴裁判所が原判決を破棄した場合は、差戻しが原則であり、自判は例外である(同法400条但書、413条但書)。差戻しを受けた裁判所は、改めて事件について審判することになる。ただし、上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束する(裁判所法4条)。なお、裁判員裁判による判決に対する上訴手続も以上と同じであるから、裁判員の参加した判決について控訴裁判所が破棄差戻しをすることもありうる。ただし、差戻しを受けた第一審裁判所は改めて裁判員を選任したうえで裁判員裁判を行うことになる。[内田一郎・田口守一]

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