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屏風【びょうぶ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

屏風
びょうぶ
室内に立てて風をよけ視界をさえぎり,また装飾に用いる家具。中国漢代に始り,木製紙製,布製などがある。2枚,4枚,6枚,8枚をつなぎ合せて折りたたみ形式とし,1対になるのが普通で,これを1双という。日本へは奈良時代に伝来し,その遺品正倉院にみられる。平安時代には室内調度品として数多く作られ,風景画や名所絵などが描かれた。以来今日まで書画発表の一形式として発達してきた。

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デジタル大辞泉

びょう‐ぶ〔ビヤウ‐〕【×屏風】
《風を屏(ふせ)ぐ意》室内に立てて風をさえぎったり、仕切りや装飾に用いたりする調度。長方形の木の枠に紙・絹を張ったものを2枚・4枚・6枚などとつなぎ合わせ、折り畳めるようにしてある。多くは表面を絵や書で飾る。中世以後、左右二つを一双として、関連する図柄を描くようになった。 冬》「向きかへてふたたび眠る―かな/万太郎

出典:小学館
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家とインテリアの用語がわかる辞典

びょうぶ【屏風】
縦長の長方形の木枠に紙や布を張ったものを偶数枚つなぎ、角度をつけて開いて立たせ、装飾を兼ねて風よけ、室内の仕切り、目隠しに用いる調度品。安土桃山時代以降は書や絵画の一形式となり、美術品としての価値を高めた。

出典:講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

屏風
びょうぶ
室内に立てて風を防ぎ、または仕切りや装飾に用いる調度品。板状のものをつづり合わせて、折り畳むようにするが、板状のものは、2枚、4枚、6枚、8枚などからなり、接合の方法も革紐(ひも)や鋲(びょう)、蝶番(ちょうつがい)などがある。日本に最初伝来したことを伝える記事は『日本書紀』天武(てんむ)天皇朱鳥1年(686)の条で、新羅(しらぎ)からの進調品に屏風があったという。のちには法隆寺や大安寺の資財帳に記載されたり、『東大寺献物帳』に「御屏風壱百畳」とあり、正倉院にそのうちのいくつかが現存する。一例として、鳥毛帖成文書屏風(とりげじょうせいぶんしょのびょうぶ)をあげると、六扇(せん)一畳(じょう)(六曲一隻)で、一扇の高さ149.0センチメートル、幅56.1センチメートルで、各扇には君主の明鑑とすべき座右銘を楷書(かいしょ)で八字二行に配し、文字は、輪郭線を黒みを帯びた鳥毛でくくり、その内部も色とりどりの鳥毛を伏している。このほかに篆書(てんしょ)や立女図があり、それぞれの扇の連結は、縁を円形にとった孔(あな)の周りに黒柿(くろがき)などで補強し、そこを(ろうけつ)染めの(あしぎぬ)の紐を通して、接扇(つなぎひも)としている。なお『献物帳』の屏風の高さは、120.5センチメートルから220.0センチメートルまでのものがある。
 平安時代の貴族の寝殿造の住宅に多くの屏風が使われたことは、当時の日記・物語に屏風に関する記事が多く現れていることから知られる。御即位のとき高御座(たかみくら)の後ろに立てる孔雀(くじゃく)形屏風をはじめ、唐人打球の図の大宋(そう)屏風、地獄変(じごくへん)屏風、四季をそれぞれ3曲ずつ12曲描く月齢屏風、悠紀(ゆき)・主基(すき)屏風などがある。京都・東寺旧蔵の山水(せんずい)屏風(国宝、京都国立博物館)は、元来真言(しんごん)密教の秘法を伝える際に使用されたもので、唐人が描かれているものの、背景には日本の景観が混じって表現され、唐絵(からえ)から大和(やまと)絵への推移を示すものとして貴重である。また、屏風絵の上方に色紙を張り混ぜる屏風も出現しているが、これには色紙を横に並べて張って四季の歌を書く長(ちょう)、2枚の色紙の上角・下角を接して張って恋の歌を書く角(かく)、1枚の色紙を他の色紙の半の高さに張り雑(ぞう)の歌を書く半の形式がある。当時の『延喜式(えんぎしき)』『類聚雑要抄(るいじゅうぞうようしょう)』には、製作法がみられるが、多くは約180センチメートル以下六扇(六曲)のものであった。各扇の連結には枠に番(つがい)をつけてつなぎ、扇と扇とが密着して傷まないために丸形の革を縁に押したが、皮が銭(ぜに)形なのでこれを銭形屏風とよんだ。
 屏風全体に絵を描くようになった平安時代より、各時代にそれぞれ特色ある技法の屏風絵が出現した。これと並行して、建物の板戸や扉にも絵画による装飾が行われるようになり、書院造の発展とともに部屋を仕切る襖(ふすま)障子にも絵画が描かれ、屏風絵を含めて障屏(しょうへい)画とよばれる日本絵画の1ジャンルを形成してゆく。室町時代には水墨主体の山水・花鳥図など、桃山時代にはこれに加えて彩色豊かな風俗画や都市の行事を描くことが流行した。南蛮屏風や洛中洛外図(らくちゅうらくがいず)屏風などがある。さらに江戸時代には多様な絵画様式で発表されるようになるとともに、庶民社会にも屏風が普及して、枕(まくら)元に立てる小さな枕屏風、茶の湯のときに用いる風炉先(ふろさき)屏風、香をきくときの香屏風など特殊なものも現れた。現代では、屏風は壁面に張って室内装飾とするなど、過去の使い方とは変わったが、日本画の表現形式として屏風絵は根強い人気を保っている。また結婚式をはじめ、祝宴の背景に金屏風は欠かせないものとなった。
 なお、屏風はつなぎ合わせた数により、6枚つなぎ2点(2隻)からなるものを六曲一双といい、1点だけの場合は一隻または半双という。[郷家忠臣]
『武田恒夫・山根有三他監修『日本屏風絵集成』17巻・別巻1(1978~1981・講談社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

びょう‐ぶ ビャウ‥【屏風】
〘名〙 (「びょう」は「屏」の呉音。風を屏(ふせ)ぐの意。「ぶ」は「屏」の韻尾がŋであるため連濁したものかという)
① 折りたたんで移動する室内の障屏具。装飾をかねて風を防ぎ室内の仕切りに用いる。長方形の枠を布帛や紙で包み、内面を絵様や書で飾り、六枚つなぎ二点(二隻)からなるものを六曲一双といい、一点だけを一隻または半双という。また、四枚つなぎ、二枚つなぎなどがあり、高さにより四尺屏風、六尺屏風など、絵様により唐絵屏風、大和絵屏風などともいう。へいふう。《季・冬》
※大和(947‐957頃)六四「近くだにえよらで、四尺のひゃうふによりかかりて立てりていひける」 〔史記‐孟嘗君伝〕
② 山崖が切り立ってつづくさまを①にたとえていう。→屏風を立てたるが如し
※蔭凉軒日録‐寛正六年(1465)一〇月五日「楓葉曬錦。山壑列屏風佳絶。殆倍于旧観也」
[補注]中国から伝えられたものだが、「日本書紀‐朱鳥元年四月」の、新羅から献上されたという記事が、記録としては最も古い。

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へい‐ふう【屏風】
〘名〙 (「へい」は「屏」の漢音) 室内に立てて、風を防ぎ、物を隔て、また装飾とする具。ついたて。びょうぶ。
※屋代本平家(13C前)五「七尺(しちせき)の屏風(ヘイふう)は高くとも」 〔史記‐孟嘗君伝〕
[補注]「日葡辞書」は「Feifu(ヘイフ)」の見出しで「ビャウブ」に同じとしている。

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