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尿管結石【にょうかんけっせき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

尿管結石
にょうかんけっせき
ureteral stone
尿路結石の一つで,腎臓内で発生した結石が尿管内に下降し,いずれかの部位に嵌入したものをいう。尿管はヘビが卵を飲み込んだような状態になり,尿の流れが妨げられて,腎盂の内圧が上昇する。また,結石を膀胱に向って送り出そうと,尿管が活発に運動する。そのために,腎臓部と尿管部の両方に発作性の激しい痛み (疝痛発作) を感じる。発作は2時間前後で軽減することが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

尿管結石
にょうかんけっせき
(じん)結石が尿管へ落ちてその途中に止まっている場合をいう。尿管が生理的に狭くなっている部位、すなわち腎盂(じんう)から尿管への移行部、総腸骨動脈との交叉(こうさ)部位、尿管から膀胱(ぼうこう)への移行部などで滞ることが多い。結石が腎臓内にある間は無症状であったものが、尿管へ陥入すると、突然、患側腎臓部の背側から側腹部に放散する仙痛発作(さし込み)を生ずる。これは、結石が尿管腔(くう)を閉塞(へいそく)して尿管壁の平滑筋がけいれんし、腎盂内の圧力が急激に上昇するためである。吐き気、嘔吐(おうと)を伴い、腸管も一時的に麻痺(まひ)する。結石が膀胱に近い尿管にあるときは、痛みが同側の睾丸(こうがん)部から大腿(だいたい)内側へ向かって放散することもある。尿は血尿の場合が多く、ときには血塊や結石そのものの排出をみることがある。尿量は痛みの発作時には反射的に一時減少する。結石の大きさ、位置、腎機能への影響は静脈性腎盂造影で判定する。もともと尿管狭窄(きょうさく)がある場合、腎盂腎炎を合併している場合、結石が径1センチメートル以上の大きさで水腎症が中等度以上、腎機能障害が強いと判断した場合には、早期に切石術を行って結石を除去する。結石が径8ミリメートル以下で小さく、ほかに合併症もない場合は、痛みの発作が治まったら通常の生活に戻り、多量の飲水、運動、利尿剤などの内科的治療による自然排石を期待する。しかし、3か月以上の経過観察で結石がまったく移動しなかった場合は、尿管カテーテルを逆行性に挿入して動かしてみたり、結石が下部尿管にあれば、バスケットカテーテルとよばれる先端が籠(かご)状になった尿管カテーテルを結石のある部位まで挿入して捕石を試みたりする。いずれにしても、結石が除去されたあとは、腎結石の場合と同様に、原因疾患の究明と再発防止に努めることがたいせつである。[松下一男]

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六訂版 家庭医学大全科

尿管結石
にょうかんけっせき
Ureterlithiasis
(腎臓と尿路の病気)

どんな病気か

 尿管結石は、腎臓で形成された結石が尿管に下降してきた場合の結石です。

 尿管には、腎盂(じんう)尿管移行部、血管(総腸骨(そうちょうこつ)動脈)交差部、尿管膀胱移行部の3カ所に生理的狭窄部位(きょうさくぶい)といわれる狭い部分があります。前述したように直径8㎜以下の結石は、尿管を通過して自然排石が期待できますが、このような生理的狭窄部位では結石の通過は簡単ではなく、このため尿流の停滞を起こして水腎症を呈することがあります。

 結石が尿管で通過障害を起こすと、激痛が生じます。患者さんは七転八倒するような痛みに見舞われ、冷や汗が出たり、不安におそわれます。

検査と診断

 診断は腎結石と同様に、身体所見、尿検査、腹部超音波、CT検査、静脈性腎盂造影を行います。MRI検査は結石の診断にはあまり有用ではありません。静脈性腎盂造影では、腎盂腎杯・尿管の拡張(水腎(すいじん)水尿管症(すいにょうかんしょう))を呈し、拡張した尿管と正常尿管の境界部に単純X線像で白く見える結石様陰影が認められれば診断可能です。

 結石が腸管ガス像や骨(仙腸(せんちょう)関節など)と重なっている場合には、わかりにくいこともあります。この場合は左右差を見ることが重要です。骨と重なっている場合はCTが診断に有用なこともありますが、CTは断層像のため、スライス面によっては結石を描出しないこともあることを念頭におく必要があります。

 尿酸結石やシスチン結石は、X線透過結石であるため(カルシウムを含有していないため、X線像で白く見えない)、単純X線検査では診断できません。その際は、静脈性腎盂造影で尿管の拡張・狭窄が認められ、かつその部位に超音波またはCT像で結石様陰影が確認できれば診断可能です。

 尿路結石と区別が必要なものには、腎部・腹部・骨盤内にある石灰化像があります。

①静脈石:中心部が淡く見えます。結石の場合はだ円体をしていて、逆に中心部が濃く見えます。静脈性腎盂造影による尿管の走行で最終的には区別できます。

②消化器系石灰化:胆石、膵臓の石灰化(慢性膵炎(すいえん))、腸間膜リンパ節の石灰化、虫垂・結腸憩室(けいしつ)内のバリウム残存などがあります。

③その他:腹部大動脈の石灰化、とくに動脈瘤(どうみゃくりゅう)がある場合や、精管・精嚢(せいのう)の石灰化、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)類皮嚢腫(るいひのうしゅ))などがあげられます。

 壮年期以降の場合には、尿路上皮(にょうろじょうひ)悪性腫瘍(膀胱がん、腎盂・尿管がんなど)の合併がないかを確認するために、尿細胞診を行うことがあります。

治療の方法

 腎結石と同様で、疼痛がある場合には鎮痛薬(インドメタシン坐薬やペンタゾシンの注射)、鎮けい薬、結石形成抑制薬などを投与し、水分摂取・補液を行います。適度な運動(縄跳びなど)も有用です。尿路感染症を伴っている場合には、抗菌薬の投与も行います。

 腎結石と同様に、尿管ステントや腎瘻(じんろう)造設が必要なこともあります。とくに、両側尿管結石嵌頓(かんとん)の場合には、腎後性(じんごせい)腎不全(尿管が両側完全閉塞されることによる急性の腎不全)となり、緊急で両側または片側の尿管ステント留置または腎瘻(じんろう)造設が必要になります。自然排石が期待できない場合や水腎症が進行している場合には、手術を行います。

 結石が中部尿管よりも腎臓に近い位置にある場合には、体外衝撃波砕石術(ESWL、コラム)を行いますが、これよりも膀胱側に近い下部尿管結石では経尿道的尿管砕石術(けいにょうどうてきにょうかんさいせきじゅつ)TUL、コラム)を行います。これは、尿道から内視鏡(尿管鏡)を挿入し、尿管口から尿管内へ進めて結石を直視下に観察しながら結石破砕を行う手術です。

 最近はほとんど行われなくなった腎盂切石術や尿管切石術は、開腹して腎盂・尿管を切開し、結石を壊さないようにして採石することが基本でしたが、ESWLやTULは皮膚に傷はできないものの、完全に採石できるとは限らず、残石の問題が残ります。ただし、観血的手術の場合は再手術は難しいですが、ESWLもTULも再手術は可能です。

 ESWLおよびTULを行ったあとは、尿流を保つ目的で、直径2~2.5㎜の尿管ステントを留置します。ESWLは鎮痛薬(ペンタゾシンなど)または硬膜外(こうまくがい)麻酔下で、TULは腰椎(ようつい)麻酔下または硬膜外麻酔下で行います。入院日数は3~4日です。

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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