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害虫【がいちゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

害虫
がいちゅう
injurious insects
人間生活に直接または間接に損害を与える昆虫加害の対象により,森林害虫,衛生害虫,農害虫,食品害虫などに分類される。害虫と称される昆虫でも,一生を通じて害を与える種はまれで,種類によっては幼虫は害虫でも,成虫は花粉の媒介などをし,益虫であることも少くない。害虫による被害は意外に大きく,イネを例にとると,ウンカニカメイチュウなどにより収穫が減り,さらに貯蔵中にコクゾウムシなどに加害され,年平均約 10%が失われるといわれる。これらの防除には,各種の殺虫剤誘蛾灯,天敵を利用する方法などが工夫され,不妊雄を放つなどの生物学的防除も研究されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

がい‐ちゅう【害虫】
人間の生活に直接または間接に害を与える昆虫。蚊・ノミ・ハエ・ウンカ・アブラムシなど。ダニや人体寄生虫など昆虫でないものも含めていうこともある。⇔益虫

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

害虫
 昆虫が人間の目的にとって有害な作用をする場合,その昆虫.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

がいちゅう【害虫 injurious insect】
人畜などに直接的に害を与えたり,農作物やその生産物などに損傷加害をする昆虫の総称で,益虫に対することばでもある。昆虫を害虫か益虫かと明確には区別できないことが多く,まして生まれながらに害・益虫の別があるわけではなく,あくまで人間を中心とした利害関係をいうのである。例えば昆虫の成虫と幼虫では食性が異なるものもあるため,チョウなどのように幼虫は害虫であっても,成虫は花粉媒介をしたり美観を呈するので害虫とはされないことがある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

がいちゅう【害虫】
人間の生活に直接・間接に害をもたらす昆虫。人体を刺したり吸血したりする衛生害虫のほか、家畜を襲うアブ、農作物や果樹などを食害するウンカ・アブラムシ・ハムシなど、食物や衣類などを食害するイガ・シミ、木材を食害するシロアリなどの総称。また、昆虫以外でも回虫・ツツガムシ・サナダムシなども含めることが多い。 ⇔ 益虫衛生害虫

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

害虫
がいちゅう
人間の生活に対して直接または間接に害を与える昆虫の便宜上の呼称。益虫に対する語。この呼称は、人間と昆虫との関係のとらえ方によって、人間の都合でよばれるものであって、絶対的なものではない。同じ種類の昆虫でも人間が有用だと判断している植物を食する場合は害虫となり、雑草だと判断している植物を食する場合は益虫ともなる。昆虫以外にも、人、家畜、作物に被害を与えるダニ、ツツガムシ、回虫、サナダムシ、ナメクジなども一般に害虫に含められる場合がある。利害関係の明瞭(めいりょう)なものに直接人体を加害する衛生害虫がある。これらは自然環境や人間の生活環境下で人と好ましくない関係をもつもので、次の昆虫類があげられる。
 ノミ、ナンキンムシ(トコジラミ)、シラミ、ケジラミ、カ、ブユ、ヌカカ、ウシアブ、ツェツェバエなどは、人を刺し、ときに病気を伝染させる吸血昆虫である。スズメバチ、アシナガバチ、ドクガ、アリなどは、毒針や毒毛で人を刺し、アオバアリガタハネカクシ、カミキリモドキ類は、有毒な毒液を体から分泌する有毒昆虫である。
 農業生産環境は人間生活の基盤となる食糧生産の場であり、作物や家畜を加害する昆虫は古くから重要視されてきた。ニカメイガ、ヨトウムシ、ウンカ、ヨコバイ、アブラムシ、カイガラムシ、カメムシ、ハムシなど多くの昆虫が農業害虫として問題となる。また、収穫した大量の穀類やその加工品などにはコクガ、コクゾウ、ゴミムシダマシなどが発生し、貯穀害虫とよばれる。畜産の場では家畜を襲うサシバエ、ウシアブなどの家畜害虫が大量に発生し、家畜を加害したり、精神的ショックを与えたりする。酪農製品や魚貝類の乾物にはチーズバエやカツオブシムシなどが発生し、食品害虫とよばれる。これらの昆虫は、人間の生活が豊かになり、人間の生活環境内に昆虫が必要とする餌(えさ)が1か所に、しかも多量に一定期間存在する環境条件ができあがり、それにひかれて侵入し害虫化した。その際、機械的に伝染病や寄生虫卵などを媒介するハエやゴキブリは真の衛生害虫(ベクター)とは異なり、環境衛生害虫というべきもので、人間生活の発展に伴う環境の変化の結果生み出された害虫である。これと似たものに、住居の材料や家具などを加害する家屋害虫のシロアリ、アリ、キクイムシ、シバンムシなどがあり、人間の生活環境の害虫は増加している。
 最近は、単に多量に発生したムシというだけで不快害虫(ニューサンス)とよばれて問題となる。ユスリカ類、クロショウジョウバエ、ハヤトビバエ類などの大量発生は、人間生活の特殊環境から大量に発生している。害虫は、人体寄生虫、刺咬(しこう)昆虫、有毒昆虫などを除き、農業生産環境(農耕、牧畜、造林)、人類生活環境(工場、農村、都市)などの歴史的発展に伴って、自然の生態系が乱された結果、大量発生して問題となるものが多い。ひとたび人間の生活環境に侵入して適応した害虫は、世界中至る所の似たような環境に移って広がる性質をもっている。この分散移住に一役買っているのが、近代社会の交通、輸送機関の発達であり、マメコガネのように日本から北アメリカに侵入してダイズに大被害を与えたことや、逆にアメリカミズアブやアメリカシロヒトリのように外国から日本に侵入したりして国際的な問題となる。そのため、空港や港には、害虫の移動をチェックする植物防疫所や検疫所が設けられている。[倉橋 弘]

防除

害虫防除には次のような各種の方法が有効とされている。(1)発見して手で捕殺する。(2)超音波、減圧、光線、温湿度などを利用して防虫したり、殺虫したりする物理的防除法。(3)殺虫剤、燻蒸(くんじょう)剤、忌避剤、誘引剤、不妊剤などによる防虫および殺虫を行う化学的防除法。(4)寄生昆虫、捕食昆虫、寄生菌、昆虫ウイルスなどを利用する生物学的防除法。(5)作物の耕作期の変更や作業方法の改善など、環境改善による防除法など、多くの方法がとられている。
 最近は単一の方法だけに頼るのでなく、効果のあるあらゆる方法を併用した総合防除法が研究され実施されるようになってきた。また、農林業関係では、あらかじめ害虫の発生動向を知り、それに速やかに対応して防除対策がたてられるように、全国規模で発生予察事業が組織されている。[倉橋 弘]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

がい‐ちゅう【害虫】
〘名〙 人間の生活に直接、間接に害を与える虫の総称。人体に寄生するカイチュウや、血を吸うノミ、ダニ、カ、衣類・食物などを食害するイガ、カツオブシムシ、ゴキブリ、農作物・果樹などを食害するアブラムシ、ケムシ、ウンカなどをいう。⇔益虫
※風俗画報‐三二〇号(1905)歌謡門「農家稼穡(かしょく)の上に就き、最も注意を要するものは、害虫(ガイチウ)駆除の方法如何にあり」

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