Rakuten infoseek

辞書

Infoseek辞書サービス終了のお知らせ

室内楽【しつないがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

室内楽
しつないがく
chamber music
本来は王侯貴族の館で演奏される音楽の総称で,声楽の室内カンタータや小規模な管弦楽のための作品も含まれていた。しかし古典派以後,宮廷音楽没落と本格的な管弦楽の独立に伴って,各パートが独奏的な機能をもつ重奏のための音楽のみをさすようになった。標題音楽的な描写を含まず,純粋な絶対音楽的な表現を目指すとともに,洗練された緻密な書法をとるのが室内楽の特色で,ソナタ形式による曲が多い。奏者の数により二重奏,三重奏…などといわれ,楽器の種類によって弦楽四重奏,管楽五重奏などと呼ばれるが,ピアノ五重奏とかフルート四重奏は,ピアノあるいはフルートと弦楽重奏との組合せをさす。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

しつない‐がく【室内楽】
少人数の独奏楽器による合奏音楽。弦楽四重奏・ピアノ三重奏など多くの形態がある。元来は教会・音楽会場以外の宮廷一室などで演奏された音楽をさし、声楽の入ることもあった。チェンバーミュージック

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

しつないがく【室内楽 chamber music】
一般に1パートを1人の奏者が受けもつ重奏形態の器楽合奏曲をさし,2人から10人程度の奏者で編成される。ただし,その概念および編成は時代によって異なっており,この定義は主として古典派以降の室内楽に該当する。 室内楽(ムジカ・ダ・カメラmusica da camera)という語は16世紀中ごろのイタリアの理論書に初めて現れる。そこでは,王侯貴族の館において限られた聴衆のために奏される,教会音楽以外の音楽をさしていた。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

室内楽
しつないがく
chamber music 英語
Kammermusik ドイツ語
musique de chambre フランス語
musica da camera イタリア語

西洋の器楽合奏において、各パートに1人の独奏者を配する楽器編成法をとくに重奏(アンサンブル)といい、重奏による器楽合奏曲を総称して室内楽という。楽器の数により二重奏から九重奏に区分され、用いる楽器の種類や組合せによってさまざまな形態が可能だが、歴史的に形成された定型は十数種ほどである。もっとも重要な定型は、二つのバイオリンにビオラとチェロからなる弦楽四重奏である。

 他の定型の場合にも弦楽器が主体となっており、弦楽四重奏の楽器数を増減したり(弦楽三重奏、弦楽五重奏)、それに別種の楽器を一つ加えたものが多い。後者の場合、ピアノと弦楽器の組合せはピアノ三重奏、ピアノ四重奏、ピアノ五重奏、管楽器と弦楽器の組合せはフルート四重奏、クラリネット五重奏などとよばれる。また、バイオリンとピアノの二重奏は単にバイオリン・ソナタとよばれる。管楽器のみによる定型にはフルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットによる木管五重奏がある。六重奏以上になると定型といったものはなく、任意の楽器の組合せがなされる。形式的にみると、さまざまな形態を通じて厳格な4楽章ソナタの形式が主流をなしており、室内楽を重奏のためのソナタということができる。

[大久保一]

歴史

室内楽がこうした特徴を備えるのは古典派以後のことであるが、少数楽器の合奏は世俗音楽の台頭した中世末期以来広く行われ、バロック時代には音楽の主要な一分野にまで成長していた。ただし、室内楽ということば自体は古典派以降とはやや異なる意味をもっていた。室内楽の原語「ムジカ・ダ・カメラ」は、16世紀中ごろのイタリアで教会音楽に対する世俗音楽の意味で用いられ始めた。カメラとは王侯貴族の宮廷内の部屋を意味する。バロック時代に入り、教会・劇場と並んでカメラが音楽発展の主要な舞台になると、そこでの音楽全般が室内楽とよばれるようになった。このように当時の室内楽の概念は、文字どおり室内という奏楽の場によって規定されており、独奏や声楽、さらに管弦楽をも含む幅広いものであった。室内楽の概念が編成面からとらえられるようになったのは、音楽生活の中心が貴族のカメラから市民的な公開演奏会に移った18世紀末のことである。バロック時代における狭義の室内楽の代表的形態としては、二つのバイオリンと通奏低音からなるトリオ・ソナタがあげられる。

 古典派時代に入ると、通奏低音の消滅に伴いトリオ・ソナタは廃れ、セレナードやディベルティメントなどの娯楽音楽を出発点に新しい室内楽が形成された。初期には管弦楽との編成上の区別はあいまいであったが、交響曲が管弦楽のためのソナタとして発展するのと並行して、重奏のためのソナタという近代室内楽の特質が確立された。もっとも大きな役割を果たしたのは70余の弦楽四重奏を作曲したハイドンで、各楽器の対等な関係に基づく対話風の書法は他の形態においても理想とされた。モーツァルトはハイドンに学ぶとともにピアノや管楽器を含む多彩な形態を試み、ベートーベンの作品は構成の厳格さと深い精神性の表現において古今の室内楽の頂点を形づくっている。表現手段の拡大を求めたロマン派時代には、音色・音量の限られた室内楽は以前ほどの重要性を失い、この分野をまったく手がけない作曲家も多かったが、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、ドボルザーク、フランクなど古典派の流れをくむ作曲家により、古典的構成とロマン的情感の調和した作品が書かれた。

 20世紀に入ると、新古典主義の潮流のもとで室内楽はふたたび重要性を増し、シェーンベルク、バルトーク、ストラビンスキーら多くの作曲家が作品を書いている。新たな特徴としては、伝統的な形態や形式を離れた自由な室内楽的表現の探究があげられる。

[大久保一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

しつない‐がく【室内楽】
〘名〙 二名ないし一〇名ぐらいまでの演奏者による器楽合奏の音楽。弦楽器を主体とし、楽器の編成により、二重奏、三重奏、四重奏、五重奏、六重奏など、種類は多い。元来宮廷の一室で奏されたものが、バロック時代以後室内楽ソナタとして演奏会用の代表的音楽形式の一つとなった。チェンバーミュージック。〔音楽字典(1909)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

室内楽」の用語解説はコトバンクが提供しています。

室内楽の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.