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宣命【せんみょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

宣命
せんみょう
国文体の,いわゆる宣命書きで記された勅をいう。ただし,国文学史,国語史では『続日本紀 (しょくにほんぎ) 』所収の 62編を特称するのが普通である。宣命はもともと「天皇の命を宣 (の) る」意で,詔勅を宣布する意味で用いられたが,平安時代初期頃からその国文体の詞章自体をさすようになった。『続日本紀』所収のものは,文武1 (697) 年の宣命を最初に,桓武天皇の延暦8 (789) 年の宣命にいたるまで,即位,改元,立后,立太子,反乱,譲位など国家的大事件に関して出されたものである。事件についての朝廷の主張,感情が知られ,儀礼的,類型的要素は濃いが,雄大荘重な声調をもつ文章に文学性が認められる。体言や用言の語幹を大書し,用言の語尾や助詞,助動詞を小書する宣命書きは国語史上注目される。

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デジタル大辞泉

せん‐みょう〔‐ミヤウ〕【宣命】
天皇の命令を伝える文書の様式の一。漢文体を用いるに対し、宣命書きで記されたもの。

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世界大百科事典 第2版

せんみょう【宣命】
天皇の命を宣(の)べ聞かせること,またはその文書。の一形式。宣命はテニヲハに万葉仮名を用いるなど和文を漢字によって表記したもので,この文体を宣命体ともいう。現存する宣命で最も古いのは,《続日本紀》の文武天皇即位(697年)の宣命で,以後その例は数多い。宣命の起源については,日本古来の和文にあるという見方のほか,漢文の訓読文にはじまるとの説もある。宣命の成立は,実例の残る文武朝よりさかのぼると考えるべきであろう。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

せみょう【宣命】
「せんみょう(宣命)」の転。
[句項目] 宣命を含める

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せんみょう【宣命】
〔宣読する勅命の意〕
天皇の命令を伝える文書の一形式。詔勅のうち宣命体で書かれたもの。
[句項目] 宣命を含める

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日本大百科全書(ニッポニカ)

宣命
せんみょう
和文体の詔勅。「命(みこと)を宣(の)る」の意で、元来、天皇の命を勅使から宣べ聞かせることをいうが、平安時代に入るとその文章をさすようになった。漢文の「詔勅」と区別して、和文体のものをいう。平安時代以後にも宣命は行われているが、その用途は限られており、文詞も多く先例によるのみであって実質は失われるようになったので、とくに『続日本紀(しょくにほんぎ)』に収める62編に限定していうことが多い。『続日本紀』の宣命は、即位、改元、立太子、追尊、授位、褒賞、誅罰(ちゅうばつ)など、さまざまな場合に下されている。天皇の命を伝える一般的な形の一つであり、その文案の起草は、中務(なかつかさ)省の内記の職掌であった。その書式は宣命書(せんみょうがき)とよばれる特殊な形をつくりあげていくこととなったが、宣命の特徴は、むしろそうした文体以上に、宣読される(口頭で宣布される)ということにある。「……と詔(の)りたまふ天皇(すめら)が大命(おほみこと)を諸(もろもろ)聞き食(たま)へよと宣(の)りたまふ」(一詔(いっしょう))を結びの定型句とする(段落の結びとしても多く用いられる)ところに、相手に訴えかけるようにして天皇の命を伝えることがよく示されている。宣読は特殊な曲節をもってなされたらしく、のちには一定の曲節をつくったことが「宣命譜一巻」(『本朝書籍(しょじゃく)目録』)のあることからも想像される。奈良時代の和文の語法とともに、文字以前の口誦の段階で形づくられた口頭詞章の系統を引く表現をそこにうかがうこともできるという点で、「祝詞(のりと)」とともども重要な資料である。[神野志隆光]

宣命書

実質的な語や部分(自立語)を大字で、形式的な語や部分(付属語)を小字で右寄せまたは割行(わりぎょう)で書き、ほぼ日本語の語順に従って書き記す形式。宣命を記載するのに用いる独自の表記法であることから、この名称がある。古く宣命は、一様に同じ大きさの漢字で書き連ねられていたが、宣命使が読み上げる場合に、一定の朗読法があって、特別に声調を重んじたところから、誤読をなくしたり、切れ目を示したり、口頭で宣読しやすいように案出されたものと考えられる。
 奈良時代中期ごろから文献のうえで確認されるが、当時からすでに宣命以外にも祝詞(のりと)、古寺の縁起、文書などで用いられており、日本語文体の一つであったことが知られる。このような表記形式は、日本語における自立語と付属語、用言の語幹と活用語尾という文法上における区別を、素朴に意識している点で注目される。時代が下るにつれて、万葉仮名の部分が草仮名、平仮名、片仮名およびそれらの混用で書かれるようになり、平安時代後期には記録類や講式、和讃(わさん)などにもみえ、今日の漢字仮名交じり文の源流の一つとなった。[沖森卓也]

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精選版 日本国語大辞典

せ‐みょう ‥ミャウ【宣命】
〘名〙 「せんみょう(宣命)」の変化した語。

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せん‐みょう ‥ミャウ【宣命】
〘名〙 天皇の勅命を宣すること。また、その文書。本来は詔・勅(みことのり)と同性質のものであって、特に和文を宣命書きという特殊な表記で表現したものを、漢文体で記された詔・勅と区別していう。奈良時代に多く用いられたが、平安以降は次第に詔・勅が普通になった。みことのり。せんめい。
※令集解(738)公式「今検宣命之事。皆此大事。論宣命之色。皆此小事」
※源氏(1001‐14頃)桐壺「勅使来て、その宣命読むなん」

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せん‐めい【宣命】
〘名〙
① 教命(きょうめい)を伝達すること。〔応璩‐与満公琰書〕
② =せんみょう(宣命)〔運歩色葉(1548)〕

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