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学習【がくしゅう】

デジタル大辞泉

がく‐しゅう〔‐シフ〕【学習】
[名](スル)
学問・技術などをまなびならうこと。「学習の手引」「学習会」
学校で系統的・計画的にまなぶこと。「英語を学習する」
人間も含めて動物が、生後に経験を通じて知識や環境に適応する態度・行動などを身につけていくこと。不安や嫌悪など好ましくないものの体得も含まれる。
人工知能(AI)がデータを読み込み、基準や規則性などを見つけ出すこと。→機械学習

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

がくしゅう【学習 learning】
学習とは,特定の経験によって行動のしかたに永続的な変化が生ずる過程である。同じ行動様式の変化でも,経験によらない成熟老化に基づく変化や,病気外傷薬物などによる変化は学習とはいえない。また疲労や飽きは,回復可能な一時的変化にすぎないので,これも学習とは区別される。子どもの発達過程では,例えば言葉や歩行習得のような学習が,長期にわたって行われている。しかしこの場合,行動様式の永続的変化といっても,多様な経験に基づいて,広い範囲の行動が変化するのであって,この過程はとくに〈発達〉と呼ばれる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

がくしゅう【学習】
スル
まなびおさめること。勉強すること。 新しい教科を-する
生後の反復した経験によって、個々の個体の行動に環境に対して適応した変化が現れる過程。ヒトでは社会的生活に関与するほとんどすべての行動がこれによって習得される。
過去の経験によって行動の仕方がある程度永続的に変容すること。新しい習慣が形成されること。
新しい知識の獲得、感情の深化、よき習慣の形成などの目標に向かって努力を伴って展開される意識的行動。

出典:三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

学習
がくしゅう
learning
個人的経験の結果として起る比較的永続性のある行動の変容。生物体が知覚によって自分の行動を変える場合も学習と呼ぶ。ただし成熟,疲労,その他,器質的,機能的変化による変容は除かれる。学習によって形成された反応様式を習慣という。
学習によって得た行動には,(1) 連合学習ないし条件づけによる学習 (古典的条件づけおよび道具的条件づけ) ,(2) 弁別学習,(3) 順化 (習慣化) ,(4) 概念形成,(5) 課題解決,(6) 知覚学習,(7) 運動学習,などが含まれる。模倣,洞察学習,刷り込みは以上とは異なる種類の学習である。 17世紀から 20世紀なかばまでの学習理論では,一定の普遍的な原理がすべての学習プロセスを支配し,それが機能する方法と理由の説明を科学的に証明することを目的としていた。あらゆる生物体の行動を,自然科学で仮定された法則をモデルに統一体系で理解しようと,厳密で「客観的」な方法論が試みられた。しかし,1970年代までに,包括的理論には様々な漏れがあることがわかり,学習に関する単一の理論は不適切であると考えられるようになった。 1930年代に,心理学のすべての知識を単一の大理論に統合しようとする最後の試みが,E.ガスリー,C.ハル,E.トールマンによって行われた。ガスリーは,知覚や心理状態ではなく,反応が学習の根本的で最も重要な基礎単位であると考えた。ハルは報酬によって促進された刺激=反応 (S=R) 活動の結果である「習慣強度」が学習の不可欠な側面であると主張し,それを斬新的なプロセスとみた。トールマンは,学習は行動から推測されたプロセスであるとした。彼らが広めたいくつかのテーマは,現在も議論されている。
連合はそうしたテーマの一つで,主体は環境中の何かを感じ (感覚) ,その結果そこに存在するものの認識 (観念) が生れるとの意見にその本質がある。観念につながる連合には,時間と空間における物体や出来事の接近,類似性,頻度,特徴,魅力などが含まれるとされる。連合学習は過去に無関係であった刺激を特定の反応に結びつける動物の能力で,おもに条件づけのプロセスによって起る。そのプロセスでは,強化が新しい行動様式を具体化する。初期の有名な条件づけの実験に,19世紀のロシアの生理学者 I.パブロフによって行われたイヌがベルの音で唾液を流すよう条件づけたものがある。しかし,刺激=反応説は様々な現象を満足のいくように説明ができず,過度に還元的で,主体の内的な行動を無視する。トールマンは連合には刺激と主観的な知覚的印象 (S=S) が含まれると考える,より「客観的」でないグループの先頭に立っていた。
もう一つの最近のテーマは,強化である。これは,主体の活動が報酬を与えられる場合にその行動は促進される,との発見を説明するために生れた概念で,強化の理論的仕組みについては激しい議論が続けられている。多くの心理学者は連合理論の普遍的適応性にあまり期待しておらず,学習には他の理由のほうが重要であると主張する。たとえば,ゲシュタルト心理学では,重要な学習プロセスには環境中の様々な関係の結びつきだけでなく,それらの再構築が含まれるとされている。言語心理学では言語学習には多くの言葉と組合せが含まれており,連合理論では十分に説明できないとされ,代りに,語学学習にはなんらかの基本的な組織化の構造,おそらくは遺伝的に受継いだ生れつきの「文法」が基礎となると主張されている。現代の学習理論の主要な問題には,(1) 目標の遂行における動機づけの役割,(2) 学習段階,(3) すでに学んだ仕事とまだ学んでいない仕事の間での訓練の転移,(4) 回想,忘却,情報検索のプロセスと本質,が含まれる。行動遺伝学は先天的行動と後天的行動の区別といった重要な問題に貢献した。イメージ,認知,認識意志作用など,計量化できない概念も探究されている。
学習と記憶のメカニズムは,神経系における比較的持続性のある変容に左右されるようにみえる。学習の効果は,明らかに可逆的プロセスによって脳にまず保たれ,その後より恒常的な神経の変化が起る。したがって2種類の神経学上のプロセスを示唆している。一時的で可逆的な記憶の短期的な機能は,記憶の痕跡を限られた期間保存する生理学的なメカニズム (シナプスの電気・化学的な変化) によって生れる。確実でより永続的な長期の蓄積は,神経単位の物理・化学的構造の変化に依存しているのであろう。シナプスの変化が特に重要と思われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

学習
がくしゅう
経験を重ねることによって行動が比較的持続的に変化し、安定し、その後の行動に効果をもつようになった場合をさすが、環境の変化に対する生体の一般的な適応や、身体的な疲労、損傷、病変、一時的な動機づけなどからもたらされた行動の変化とは区別される。また、成長に伴う行動の年齢的・発達的変化、老化などからも区別されるが、具体的な事例について、それが学習の結果か、成長の結果かを一義的に決定することはむずかしい。学習が行われるのは学校での学課の勉強に限られるのではなく、広く生活の全体にわたっている。学習によってかならずしも常識的な意味での行動の改良がなされるだけでなく、喫煙・飲酒の習慣とか社会的な偏見なども、広い意味では学習の結果として生じる。
 学習された行動が安定し持続する場合は習慣といわれるが、行動の安定はそれが滞りなく進行するうえに適切ではあるものの、環境の変化に対してしばしば固執されやすく、これは癖といわれる。また、特定の作業の上達を目ざして行動が繰り返される場合には練習といい、練習の結果、達成された行動は習熟といわれる。[小川 隆]

学習の機構

学習は、新しい場面で適切な行動が発揮される習得の側面(狭義の学習)と、習得された行動が維持され再現される基となる記憶の側面とをもっている。また、行動の習得と実行performanceとを区別することがある。実行に移されないままの習得行動が、あとで他の行動に効果をもつ場合に潜在学習latent learningということがある。散歩で知った地域のイメージがある場合、これをたどってその地域の特定の地点を捜すことは、未知の、したがってその地域のイメージのない場合よりも容易なのはこの例である。
 学習が成立するには、先行条件として、認知、動機づけ、態度、情動などが影響するが、心理学の術語でいう広い意味の強化reinforcementと行動との随伴関係contingencyが重要である。行動の結果が動機づけと一致し、行動が促進、維持される場合が積極的強化であり、動機づけと一致しないで抑制・回避される場合が消極的強化である。学習はこれらの強化の量、強化の反復によっても影響を受けるが、それはむしろ実行に対する効果であって、習得にとっては、行動と強化との随伴関係や時隔が重要である。強化の遅延は、習得されるべき行動以外の行動の挿入の機会ともなり、適切な行動の習得を妨げる。
 学習の主として認知面では、複雑な認知が急激に要請される場合に習得が困難であっても、簡単な認知から漸次、複雑な認知に移行することによって容易になることがある。底辺で立つ三角形と頂角で立つ三角形とを同定のできなかった幼児が、一方を漸進的に傾けて他方に一致させ同定できるようになったという例もある。学習にとっては意欲が重要で、学習する達成要求の高い者は、行動の反復によって改良が加えられるが、低い者はそうでないことも実証されている。心理学では、行動と強化との随伴性を利用した条件づけconditioningの実験方法が、学習研究に広く使われている。[小川 隆]

学習の基礎事実

行動の反復は学習の進行の基本であるが、この経過は、反復試行(横軸)に対し、反応数、反応量、反応時間など(縦軸)をプロットした学習曲線で示される。たとえば電信の送信・受信作業の学習で、試行数(時間)と送信・受信の語数との間に学習曲線が示される。単位時間での語数に限界があるとともに、それまでの進行は一様ではなく停滞する期間があり、これは高原plateauと名づけられている。これは学習者が新しい方途を探索する時期ともみられ、たとえば電信作業などでは、初期のいちいち文字を選ぶ作業から、語や文としてまとめて選ぶ作業に移行する段階に対応するとされている。
 学習試行を連続して反復する場合を集中学習massed learning、途中、休止を挿入して行う場合を分散学習distributed learningという。一般に後者は前者に比して学習能率は高いとされている。学習材料を全部一度に学習する場合は全習法whole method、部分に分けて逐次、学習する場合は分習法part methodという。学習材料の多寡にもよるが、関連する材料では全習法が有効なことがある。学習の成立後、次の学習を促進させたり抑制したりする事実があり、これは転移transferという。促進は、習得の過程に類似した性質がある場合で、一つの外国語を習得すると他の外国語を習得しやすくなるような場合である。抑制は、スキーの練習が、これと違った運動を含むスケートの習得をむずかしくするような場合である。
 動物の学習実験では、特定の刺激の間に強化・無強化を随伴させ、弁別させる方法がなされる。これは弁別学習discrimination learningというが、弁別する刺激を次々に変えていくと、試行が進むにしたがって後続の学習になるほど、正反応の割合の上昇が急速になることがみられる。学習を繰り返すと、特定の弁別刺激ではなく弁別学習そのものを学習する構えlearning setが成立するといわれている。
 弁別学習の成立後、強化刺激と無強化刺激とを入れ替えて学習することを逆学習reversal learningというが、この場合も脊椎(せきつい)動物では比較的速く学習され、弁別刺激の特定の価値よりも、価値の交替に対する学習の構えが成立する。[小川 隆]

動物の学習

動物行動学(エソロジー)では、学習を、「経験を通じて個体の行動になんらかの適応的変化を生み出す過程。疲労、感覚的順応、成熟、手術やけがによる変化とは区別される」と定義し、行動の適応的変容としてとらえている。動物の行動は生得(せいとく)的行動(本能)と習得的行動(学習)に区分される。生得的行動は、進化の過程において最適の遺伝子が選択されて種の行動を定型化してきたのに対し、習得的行動は、学習の過程によって最適の反応を選択し一時的に個体の行動を変容していくものといえる。しかし、動物が何を学習するかは、その種の生得的な「学習の鋳型(いがた)」によって限定される。いいかえれば、動物の種は、それぞれに固有な学習能力をもっている。
 動物の学習は、次のように分類されている。(1)慣れhabituation、(2)古典的条件づけ(条件反射型)、(3)試行錯誤学習および道具的条件づけ(オペラント学習、条件反射型)、(4)潜在学習latent learning、(5)洞察学習insight learning、(6)刷り込み(インプリンティング)。このうち(2)と(3)をまとめて連合学習associative learningとよんでいる。「慣れ」は、もっとも単純な学習で、刺激が繰り返し与えられることによって反応が低下し、ついには消失する現象である。これは、個体にとって生活に無意味な反応をしないという生存価をもっている。学習では、「経験の記録」が動物の体内に蓄えられている。この記録は「記憶の痕跡(こんせき)」memory traceとか「エングラム」engramとよばれ、学習を神経生理学的に解明する研究者にとって今日的研究対象である。[植松辰美]
『佐々木正伸編『現代基礎心理学5 学習』(1982・東京大学出版会) ▽佐藤方哉編『現代基礎心理学6 学習』(1983・東京大学出版会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

がく‐しゅう ‥シフ【学習】
〘名〙
① 学びならうこと。学校などで勉強すること。
※続日本紀‐養老二年(718)一〇月庚午「或講論衆理、学習諸義
※蛻巖先生答問書(1751‐64か)中「よくよく此の聖語を信じ、学習あるべし」 〔史記‐始皇本紀〕
② 教育学で、広くは精神、身体の後天的発達をいい、狭くは、過去の経験をもとに新しい知識や技術を習得することをいう。
※学校教育法(1947)四五条「当該施設における学習を当該高等学校における教科の一部の履修とみなすことができる」
③ 心理学で、経験によって、過去の心理的、行動的な経験をこえて新たな行動の仕方を習得すること。

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最新 心理学事典

がくしゅう
学習
learning
学習の定義はさまざまであるが,最も広くとらえると経験による行動の永続的可塑性である。したがって,特定の経験に依存しない単なる成熟による行動変化は,学習に含まれない。経験による可塑性の最も基礎になるのは,同じ刺激反復によって反応が減衰,または消失する馴化habituationである。疲労の場合は反応できなくなってくるので,繰り返し与えている刺激の強度を弱めると,さらに反応は減弱する。一方,馴化の場合は反応できなくなっているわけではないので,刺激を弱くすると逆に反応が復活する。これが鋭敏化sensitizationであり,反復刺激によって逆に反応が増大する。

 条件づけconditioningは単なる行動の変化ではなく,行動と環境との関係の学習であり,レスポンデント条件づけとオペラント条件づけに分けられる。ある刺激と別の刺激の対呈示による学習がレスポンデント条件づけrespondent conditioning,または古典的条件づけclassical conditioningである。これを体系化したのがパブロフPavlov,I.P.の条件反射学である。一般的には生まれつきの反射(無条件反応unconditioned response)を引き起こす無条件刺激unconditioned stimulusと,中性的な刺激を対呈示することにより,その中性的な刺激が条件刺激conditioned stimulusとなって当該の反応を条件反応conditioned responseとして引き起こすようになる。多くの場合,二つの刺激呈示の時間的接近が必要であるが,食物嫌悪学習のように時間的接近がなくても条件づけが成立する場合がある。このような刺激間の結びつきの研究を発展させたものが連合学習理論associative learning theoryである。もう一つの条件づけがオペラント条件づけoperant conditioning(または道具的条件づけinstrumental conditioning)で,行動の自発がなんらかの結果を生み出し,それが当該反応の自発を促進したり(強化),抑制したり(罰)する。この行動自発とその結果との関係を随伴性contingencyという。また,ある刺激の呈示に対して反応が自発される場合には,その刺激を弁別刺激discriminative stimulusという。

 さまざまな行動の自発がいわば無作為に行なわれ,たまたまその結果が良ければそれが学習されるとするものが試行錯誤学習trial and error learningであり,無作為ではなくある予測をもって行動がなされるのが洞察学習insight learningである。洞察学習の場合には徐々に学習が進行するのではなく,基本的には1回で学習が成立する。ただし,実際にはこれらの学習は同時に進行することがあり,純粋に試行錯誤,純粋に洞察という場合だけではない。自分が行動するのではなく,他者の行動を見て学習するのが観察学習observational learningであり,この場合も基本的には第1試行から学習が成立する。学習の機構として,反応とその結果の関係(随伴性)が必要とする考え方と,時間的接近contiguityのみで十分であるとする考えの両方がある。学習成立後に行動に強化が伴わないようにしたり,無条件刺激が呈示されないようにすると,反応が出現しないようになる。これを消去extinctionというが,消去もまた経験による行動変化であり,学習の一つである。 →馴化-鋭敏化
〔渡辺 茂〕

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