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【あざな】

日本大百科全書(ニッポニカ)

字(あざな)
あざな
男子が元服してつける名。中国に始まる風習で、20歳になって名のるのが本来であるが、わが国では、元服する年齢が一定しないので、字を名のる時期も一定しない。生まれたとき親がつける本名に対し、字は本人の好みや、目上の者が本人の徳などを考慮したりなどしてつけられ、字ができると本名はあまり使われない。このため、本名は諱(いみな)ともいう。普通、長上の者に対しては自分を本名でいい、同輩以下の者には字を使う。他人をよぶときにも字を使うが、とくに目下の者に対する場合や、親や師がその子や弟子をよぶ場合には本名を用いる。『論語』に、孔子が弟子の顔淵(がんえん)を回(かい)、子貢(しこう)を賜(し)とよんだのはこの例である。また、孔子は本名を丘(きゅう)、字を仲尼(ちゅうじ)というが、「仲」は弟の意で、孔子に兄があったからこのようにいい、「尼」は、孔子が尼山(にざん)の神の申し子であったことによるものと考えられる。日本でも、これらに倣って、漢学を学ぶ者が字を好んでつけた。初めは一字で、菅原道真(すがわらのみちざね)の菅三、三善清行(みよしきよゆき)の三耀、氷宿禰継麻呂(ひのすくねつぐまろ)の宿栄などのように、姓氏や姓(かばね)を配したが、江戸時代になると、新井白石(名は君美(きんみ))の在中、貝原益軒(名は篤信)の子誠のように変わっていった。このほか、人々が呼び習わしている別名や通称も字ということがあるがこれは本来あだ名(渾名、綽名)であって、字とは別物である。また町村内の小区画の単位として用いられる字(あざ)は近世からのものを1888年(明治21)制度化したものである。[田所義行]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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