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妖精【ようせい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

妖精
ようせい
英語のフェアリー fairy,フランス語のフェ féeの訳語。広くヨーロッパの民間伝承で信じられていた魔力をもつ超自然的な存在。地上または地下の妖精の国にすみ,人間よりも才能にすぐれ,長生する。男女の性別があり,ときに人間と交際してこれを助けたり,害をなしたりし,人間と結婚する例もある。地理や自然環境に明るかった新石器時代の先住民に関する記憶,キリスト教が追放した異教の神々の信仰の名残り,死者霊魂への信仰など多くの要素が結びつき,地方的な粉飾や変形が加えられて妖精伝承が成立したと推定されている。しばしば危害を加えて恐れられ,悪霊とも考えられていたが,シェークスピアが『夏の夜の夢』で描いた慈悲深い,霊妙で夢幻的な小人の妖精は,伝統的な妖精観を変えてしまった。いたずら者のパックはイギリス民間伝承の家庭的な妖精で,夜,人家を訪れて床を掃き,脱穀し,牛乳の上皮をかすめ取ると考えられていたもの。また自然現象 (たとえば,きのこの「妖精の輪」) の説明に用いられることもあり,人間の子を盗んで「取替え子」 changelingを置いていくとも考えられた。

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デジタル大辞泉

よう‐せい〔エウ‐〕【妖精】
人間の姿をした精霊。超人間的能力を有し、いたずらで遊び好きなものとして、西洋説話・伝説に多く登場する。フェアリー。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ようせい【妖精 fairy】
西洋で信じられている超自然的存在,精霊。英語のフェアリーという語はラテン語fatum(運命)より派生。ラテン語動詞fatare(魔法にかける,魅惑する)より中世フランス語faerが生成し,さらにféerieとなって英語に入り,さまざまな形を経てfairyに定着した。E.スペンサーが《神仙女王》(1590‐96,未完)で初めてfairyを想像の国を指すものとして用い,そこに住み,不思議な力を有するもののともなった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ようせい【妖精】
主として西洋の伝説・物語に出てくる精霊。善良なるもの、悪がしこい小人など、その姿・性格は多様である。フェアリー。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

妖精
ようせい
人間界に密接した世界に住み、変幻自在の超自然的な存在。その美醜、大小、善悪などの性状は地域や時代によって甚だ異なるが、一般にはきわめて人間に近い姿や性質をもち、良心や節操に欠けることが多く、気まぐれで、人間からの親切には大げさな返礼をし、じゃけんにされると手ひどい仕返しをするという。近世まではどちらかといえば邪悪な存在として恐れられたが、童話や漫画によって美化されてしまった。英語のフェアリーfairy、フランス語のフェfeやドイツ語のフェーFeeなどは、ラテン語のファトゥムfatumつまり運命の女神に由来し、半神的性格を伝えている。したがって、ギリシア神話に登場する海、川、泉、森、丘などに住む美しい女精ニンフや、オデュッセウスを誘惑した半女人半鳥のセイレンも妖精のなかに含めることができよう。ペルシア神話では天使のように飛翔(ひしょう)するペリ、スラブ世界では凶悪このうえないババリジャガ、スカンジナビアの醜悪・巨大なトロール、そしてわが国のすだま(木の精や山の霊)、アイヌ伝説のコロボックルなども妖精と考えられよう。
 イングランドのロビン・グッドフェロー(別名パック)、スコットランドのブラウニー、ドイツのコボルトなどは、人家もしくはその近くに住み、夜になると人知れずその家の仕事をするといわれる。コーンウォールにすむピクシーは気まぐれな小人で、赤いとんがり帽子に緑の服を着た姿で一般に知られ、一説に洗礼前に死んだ嬰児(えいじ)の魂という。アイルランドのレプラコーンはいつでも片方の靴だけをつくっている靴屋の妖精であり、また同地には緑衣をまといグレーのマントを羽織った女精バンシーがいて、死ぬ運命になった人の服を川岸で洗いながら泣くといわれ、その声が聞こえると身近に死者が出ると人々は恐れた。馬の姿をしたケルピーはスコットランドに住み、旅人を水の中に引きずり込んだり、夜、水車を回したりする。ノウムとかノッカーとかいわれる妖精は地中にいて、地中の宝を守ったり、鉱脈のありかを知らせたりするという。
 妖精の存在については、支配民族の前に住んでいた原住民、キリスト教の到来によって抑圧された異教の神々、死の世界に住む住人たちなどいろいろな解釈がなされている。ただ善良で親切な、またはかわいく美しい妖精の姿は、近世以後のおとぎ話、童話、漫画などの所産であって、それまでは悪魔や魔女と同類視され、きわめて恐れられた存在であった。とくにチェンジリングといって、生まれたばかりの嬰児がさらわれ、妖精の子とかえられてしまうという恐怖が根強くあった。
 アーサー王伝説で、王の妹モルガン・ル・フェーは魔力によって王を助ける妖精であり、アリオストの『狂えるオルランド』にも登場する。スペンサーの『妖精女王』、シェークスピアの『真夏の夜の夢』では妖精が主役的役割を果たしている。
 第二次世界大戦中の原因不明の飛行機事故は、しばしばグレムリンという新参の妖精のせいといわれた。[船戸英夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

よう‐せい エウ‥【妖精】
〘名〙
① 人を惑わすあやしいばけもの。妖怪。〔大唐三蔵取経詩話‐六〕
② 人間の姿をした自然物の精。西洋の昔話などに、不思議な術を持つ美しい女の小人として出てくることが多い。フェアリー。
※田園雑感(1921)〈寺田寅彦〉四「御伽噺にあるやうな淋しい山中の妖精の舞踊を想ひ出させた」

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