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好色一代男【こうしょくいちだいおとこ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

好色一代男
こうしょくいちだいおとこ
浮世草子井原西鶴作。8巻8冊。天和2 (1682) 年刊西鶴の浮草子第1作。 54章から成る構成は『源氏物語』によっており,素材にも古典パロディーがみられ,また遊女評判記仮名草子などの先行作品の影響も受けているが,啓蒙的な姿勢を脱し,人間性を肯定的に描いた点で,仮名草子と明確に一線を画する作品である。前半4巻は富裕な上方町人の子である主人公世之介が,7歳で腰元に恋を知りそめて以来,従姉仲居女,後家などを相手に恋を重ね,34歳で父の遺産を継ぐまでを描く。後半4巻は父の莫大な遺産をもとに,粋人世之が江戸,京,大坂三都の遊里を中心に洗練された好色生活をおくり,各地の遊里をめぐり尽したあげく,60歳のとき,仲間7人とともに「好色丸 (よしいろまる) 」という船を仕立てて女護の島へ船出するまでを描く。

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デジタル大辞泉

こうしょくいちだいおとこ〔カウシヨクイチダイをとこ〕【好色一代男】
浮世草子。8巻。井原西鶴作。天和2年(1682)刊。主人公世之介の1代54年にわたる好色生活を、年ごとに54章に分けて描く。

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世界大百科事典 第2版

こうしょくいちだいおとこ【好色一代男】
浮世草子。1682年(天和2)10月刊。井原西鶴の最初の小説であるとともに,浮世草子と呼ばれる近世小説に道をつけた作品でもある。8巻54章からなり,各章に西鶴自筆の挿絵を載せ,跋文西吟が書いている。世之介一代の女色男色あわせての好色遍歴を,《源氏物語》54帖にならって第1章7歳から第54章60歳まで,1章1歳の年立てによって構成しているが,全体を一部と二部に大別できる。第一部にあたる巻四までは,幼少年期と19歳で勘当されてからの諸国放浪の時代,そしてその幕切れとしての難破蘇生遺産相続

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こうしょくいちだいおとこ【好色一代男】
浮世草子。八巻。井原西鶴作。1682年刊。主人公世之介の好色遍歴を五四の短編により一代記の形にまとめたもの。好色本の初め。文学史上、浮世草子の第一作とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

好色一代男
こうしょくいちだいおとこ
井原西鶴(さいかく)の浮世草子処女作品。1682年(天和2)10月、大坂・思案橋荒砥屋(あらとや)孫兵衛可心から出版。8巻8冊。54章の短編小説群からなり、主人公世之介(よのすけ)の誕生から書き起こし、60歳で女護島(にょごがしま)へ船出するまでの一代記的構想を長編的な筋としている。巻4までの前半部分は、早熟な世之介の幼年時代から始まる遊蕩(ゆうとう)生活を描き、19歳で親に勘当され、江戸、小倉(こくら)、下関(しものせき)、寺泊(てらどまり)、酒田、信州、和泉(いずみ)国など諸国を放浪し、各地の好色生活を体験するが、勘当赦免、莫大(ばくだい)な遺産を相続するまでの話である。巻5以降の後半部分は、諸国遊里の名妓(めいぎ)列伝の体裁をとり、世之介の遊里社会における粋(すい)の実践が描かれる。京都六条三筋町の廓(くるわ)で艶名(えんめい)を馳(は)せた2代目吉野の話から始まり、大坂新町の名妓夕霧、江戸吉原の4代目高尾や初代小紫など、高名な遊女話が続々と展開する。斬新(ざんしん)な構想と自由な散文表現とが相まって、新しい時代の写実的な風俗小説として成功したこの作品は、従来の小説とは一線を画して、浮世草子時代の開幕を告げる記念碑となった。上方(かみがた)版3種、菱川師宣(ひしかわもろのぶ)の挿絵入りの江戸版3種、さらに師宣の絵本としても流布し、上下都鄙(とひ)にわたり広範な読者を獲得した。[浅野 晃]
『暉峻康隆訳注『好色一代男』(角川文庫) ▽前田金五郎著『好色一代男全注釈』2冊(1980、81・角川書店)』

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精選版 日本国語大辞典

こうしょくいちだいおとこ カウショクイチダイをとこ【好色一代男】
江戸時代の浮世草子。八巻八冊。井原西鶴作。天和二年(一六八二)刊。主人公世之介の七歳から六〇歳までの一代記の形をとり、好色の世界のみにかかわる主人公の見聞体験を五四章まで描く。それまで談林の俳諧師であった西鶴による、浮世草子の処女作であり、浮世草子の誕生を告げる作品。

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社日本史事典 三訂版

好色一代男
こうしょくいちだいおとこ
江戸中期,井原西鶴の浮世草子
1682年刊。8巻。好色物の代表作。主人公世之介が7歳にして恋を知り,60歳にして女護島遠征に船出するまでの54年間54章にわたる一代記で,町人の遊興生活と人間の美醜・粋を描出した。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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