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女房詞【にょうぼうことば】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

女房詞
にょうぼうことば
室町時代,宮中に仕える女房たちが使った一種位相語。のちには一般化して町家の女性も使うようになった。女房詞の古い文献には『海人藻芥 (あまのもくず) 』 (1420) ,『大上臈御名之事』 (1589) などがある。型としては「御…」「…文字」のものが多い。今日なお使われている単語としては,オナカ (腹) ,オヒヤ (水) ,ヒモジイ,キナコなどがある。

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デジタル大辞泉

にょうぼう‐ことば〔ニヨウバウ‐〕【女房詞】
室町初期ごろから、宮中に仕える女房が、多く衣食に関して用いた一種の隠語。のち、将軍家に仕える女性、さらに町家の女性にまで普及し、現代の一般語になったものもある。省略や言い換えを行ったものが多い。「おでん(田楽)」「おひや(水)」「かもじ(髪・かずら)」など。御所詞(ごしょことば)。→文字言葉

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大辞林 第三版

にょうぼうことば【女房詞】
室町初期頃、御所や仙洞御所に仕える女房たちによって使用され始めた一種の隠語。食物・衣服・日常の用具に関するものが多く、上品で優美な言葉として、のちには将軍家に仕える女性から町家の女性にまで広がった。さらには一部の語彙は男性の間にまで用いられるに至ったものもある。団子を「いしいし」、豆腐を「おかべ」、鯉を「こもじ」という類。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

女房詞
にょうぼうことば
室町時代の初期ごろ、御所や仙洞(せんとう)御所に奉仕する女房たちによってつくられた語。それ以後もつくり続けられた。『大上御名之事(おおじょうろうおんなのこと)』によれば、食料品79語、調度品26語であるから、女房たちの身の回りの品物の異名からなるが、のち動作や官職の語にまで及んだ。宮中でつくられたため、上品で優雅なことばとみられて、将軍家や高家の女性にまねられ、江戸時代には富裕な町家の妻女にまで広まった。現代に残るものが多い。語の作り方には、元の語の一部を残した「わら」(わらび)、「まき」(ちまき)の類、それを繰り返した「かうかう」(香の物)の類、元の語の一部を残しそれに「もじ」をつけた「すもじ」(鮓(すし))、「そもじ」(そなた)の類、性質や外観を考えた「おひや」(水)、「おかべ」(豆腐)の類、「物」「の物」をつけた「青物」(野菜)、「夜の物」(夜着)の類、縁起によってつけた「紫」(鮎(藍)にまさる→鰯(いわし))、「待兼ね」(来ぬか→小糠(こぬか))の類などがある。[真下三郎]

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