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失火罪【しっかざい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

失火罪
しっかざい
fahrlässige Brandstiftung
過失に基づく火災によって建造物器物を焼いたとき,刑法はこれを失火罪 (116,117条ノ2) として処罰する。火力によって公共の危険をきたし,多数人の生命,身体,財産に対し不測の損害を与えるおそれがあるため,失火を公共危険罪一種とし,業務上過失または重過失によるときにはが加重される。

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デジタル大辞泉

しっか‐ざい〔シツクワ‐〕【失火罪】
過失により火災を発生させて、建造物・船舶鉱坑などを焼失させる罪。刑法第116条が禁じ、50万円以下の罰金に処せられる。

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世界大百科事典 第2版

しっかざい【失火罪】
過失により火災を発生させ,建造物その他の物を焼く罪(刑法116条)。失火罪は客体の相違により成立要件を多少異にする。すなわち,現住建造物等を焼く場合または他人の非現住建造物を焼く場合は,いわゆる抽象的危険であり,公共の危険が発生したかかを問わず失火罪が成立するが,自己所有の非現住建造物または他人のないし自己の非建造物を焼く場合には,いわゆる具体的危険犯であり,公共の危険が発生した場合にかぎり失火罪が成立する。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しっかざい【失火罪】
過失により火災を起こし、建造物・艦船・鉱坑などを焼失させる罪。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

失火罪
しっかざい
過失により火災を発生させ、公共の危険を生じさせる罪。失火罪は広義の放火罪の一種であり、基本的には、公共危険犯、すなわち、不特定または多数人の生命・身体・財産に対し危険を生じさせる罪であるが、同時に、財産犯的性格も考慮されている。現行刑法には大きく次の3類型がある。すなわち、(1)過失によって現住建造物または他人所有の非現住建造物を焼損する罪(116条1項)、(2)過失によって自己所有の非現住建造物を焼損する罪(同条2項)、(3)業務上の過失または重大な過失によって(1)、(2)の罪が行われる場合(117条の2)、がそれである。このうち、(1)および(3)の罪は、抽象的公共危険犯であり、目的物の焼損があれば公共危険の発生が擬制されるのに対して、(2)の罪では、目的物の焼損に加えて、公共危険が具体的に発生することを要するものと解されている(通説・判例)。
 失火罪のうち、(1)、(2)は50万円以下の罰金であるが、(3)の業務上失火罪と重過失失火罪とは、とくに刑が重く(3年以下の禁錮または150万円以下の罰金)、なかでも、業務上失火罪における「業務」とは何かがしばしば問題となる。「業務」につき、判例は、火気を直接取り扱う業務のみならず、発火の危険を伴う業務や火災の発見防止の業務も、これに含まれると解している。ただ、家庭の主婦や喫煙者などは、日常的に火気を用いるが、「社会生活上の地位」に基づいて行っているわけではないから、ここにいう「業務」にはあたらない。
 なお、ホテル、デパート、病院における火災にしばしばみられるように、業務上失火により多数を死傷させる場合、判例は業務上過失致死傷罪(刑法211条)のみの責任を問うにとどまるものがほとんどであるが、学説では、業務上失火罪も成立しうると解するのが一般である。[名和鐵郎]

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精選版 日本国語大辞典

しっか‐ざい シックヮ‥【失火罪】
〘名〙 過失で火災を起こし、建造物・艦船などを焼失させることによって成立する罪。刑法一一六条に規定。

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