Rakuten infoseek

辞書

夫役【ぶやく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

夫役
ぶやく
賦役とも書き,「ふやく」とも読む。人夫役の律令制のもとでは (よう) ,歳役 (さいえき) など「えだち」と称された。荘園制では領主 (つくだ) の耕作その他の土木工事,年貢,貢納物の運搬などがあり,武家社会の大名のもとでも陣夫,運搬役,助郷役その他が課せられた。武士階級の軍役,警固役も広い意味での夫役といえる。江戸時代になると,幕府や大名が農民を夫役させることが少くなり,制限もされた。武士の離村によって夫役の代りに夫米夫銭を出させ,それで必要な労働力を徴発した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ぶ‐やく【夫役/賦役】
《「ふやく」とも》労働で納める課役律令制では広く人身課税をさし、調雑徭(ぞうよう)などを総称したが、中世にはしだいに守護役・陣夫・伝馬役などの労役に限定され、江戸時代には助郷役国役などがあった。ぶえき。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ぶ‐えき【夫役】

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

農林水産関係用語集

夫役
関係農民などに義務として課せられた労働。用水の開発や維持にも当てられた労働。

出典:農林水産省

世界大百科事典 第2版

ぶやく【夫役】
労働課役のことで,〈ふやく〉とも読み,〈賦役〉とも書く。
古代
 大化以前には氏上(うじのかみ)が氏人(うじびと)に調(財物)と役(労力)を出させた。律令制下では(よう),歳役(さいえき),雑徭(ぞうよう)などといわれ,人身に賦課された。律令政府は20~60歳までの男子を正丁(しようてい)とし,庸(10日間にわたる中央官衙(かんが)での無償労役で,布での代納が認められていた)を課し,国司の監督下に1年に60日間の公共事業に従事させることもあった。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

ぶえき【夫役】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ぶえき【夫役】
ぶやく夫役

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

夫役
ぶやく
平安時代以降にみられる労働役の呼称。律令(りつりょう)制下では、庸(よう)(本来は年10日の労役であったが、代納物として布二丈六尺を納める)、雑徭(ぞうよう)(国司(こくし)の徴発する労役で、正丁(せいてい)60日)、兵士役(防人(さきもり)・衛士(えじ))などの労働役があったが、律令支配が後退するなかでこれらの労役の体系は崩壊する。それにかわって国衙(こくが)や荘園(しょうえん)領主が新たな労働役の徴収制度として成立させたのが夫役である。
 中世の税といえば、年貢(ねんぐ)・公事(くじ)・夫役があげられるが、夫役は公事の一形態とすべきもので、在家(ざいけ)とよばれる家を単位に賦課されることが多い。荘園領主や地頭(じとう)などは領民を駆使して、年貢以下の徴収物を津(港)へ運送した。また地頭などの在地領主は近夫(ちかふ)・長夫(ながふ)とよばれる夫役を課した。近夫は地頭などの本拠地で勤める労働役で、3日という例が多い。長夫は地頭などが大番役(おおばんやく)などの関東の公事で在京する場合に、領地の百姓を京都に呼び夫役を勤仕させるもので、近夫に比べて長期のものとなった。なお、地頭・御家人(ごけにん)の大番役・軍役なども広義では労働役の一形態といえるであろう。
 戦国時代に入ると、戦国大名は家臣に課した軍役のほかに、農民に対しては「夫丸(ふまる)」などと称して、陣夫や普請人夫などの種々の夫役を課した。一方職人に対しては、棟別銭(むねべつせん)・段(たん)銭・人夫の諸役を免除するかわりに国役(くにやく)として彼らを動員した。また、家臣もその知行地(ちぎょうち)の農民に対して諸夫役を課し、村落共同体もその成員にさまざまな役を賦課した。
 近世は、このような戦国時代以来の労働徴発体制のうえにたって、役の体系がもっとも整備された時代である。近世の役は、国役という形で個別の領主と領民の間で結ばれた主従関係を断ち切り、領主・領民関係を、それぞれを集団として成立せしめる過程で登場した。したがって近世の身分編成とは表裏一体の関係にあった。夫役に限ってその内容をみると、幕府が各藩に対して課した土木工事などの普請役と、藩が領民に課したものがある。そのほか、街道の宿場の伝馬(てんま)役を補うため設けられた助郷(すけごう)役など、さまざまな役があったが、これらの役はすべて公儀の名のもとに課され、中世以来の村落共同体が独自にもっていた役賦課の体制を再編する形で徴収された。このような役の体系は、幕藩体制の崩壊に伴って解体され、税として徴収されることはなくなった。しかし近代国家も、公共の土木工事や戦時徴用という形で民衆に無償の労働を強いたのである。[飯沼賢司]
『永原慶二著『日本中世社会構造の研究』(1973・岩波書店) ▽島田次郎著『日本中世の領主制と村落 下』(1986・吉川弘文館) ▽歴史学研究会・日本史研究会編『講座 日本歴史 近世1』(1985・東京大学出版会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社日本史事典 三訂版

夫役
ぶやく
支配者が被支配者から徴収した労働課役
人夫役の意味で,「賦役」とも書く。律令制の歳役・雑徭 (ぞうよう) ,荘園制下における領主の佃 (つくだ) の耕作やその他の労役,武家社会における武士の軍役・警固役,戦国大名が農民に課した陣夫・詰夫,江戸時代の国役・助郷役など,これらはみな夫役といえるが,時代が下るにしたがって,しだいに物納・金納化した。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
金澤利明 竹内秀一 藤野雅己 牧内利之 真中幹夫
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

夫役」の用語解説はコトバンクが提供しています。

夫役の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.