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大麻【たいま】

日本大百科全書(ニッポニカ)

大麻(麻薬)
たいま
hemp
アサの別名タイマのことで、植物としての解説を中心に一般的な利用、栽培史、文化史などについては「アサ」の項目に譲り、ここでは含有成分とその作用を中心に述べる。
 タイマは中央アジアから西アジア、カスピ海沿岸からシベリア南部、ヒマラヤ地方、北インド、さらには西インド諸島からアメリカなど広い地域に分布しており、タイマから得られる樹脂状浸出物を含め、古くからいろいろの名でよばれてきた。中東や北アフリカではハシシュhashishといい、東南アジアなどではチャラスcharasとよぶ。さらにはバンbhangとか、ガンジャganjaともいい、1960年代からアメリカで急激に流行したマリファナmarijuanaの名はよく知られている。一般には、これらを含めて大麻と総称する。
 大麻の主成分はカンナビノール、カンナビジオール、カンナビノール酸などテトラヒドロカンナビノール(THC)の異性体である。乾燥した大麻の葉などを切り刻んで、たばこに混ぜて喫煙すると、これらの成分が吸入されて数分以内に効果が発現するが、持続時間は比較的短い。しかし、精製された樹脂またはTHCを経口的に投与した場合には、作用発現までに30分から1時間を要し、その作用は3~5時間持続する。
 大麻の作用は、脈拍の増加、結膜の充血、口腔(こうくう)や咽頭(いんとう)の乾燥感がみられ、めまい、悪心(おしん)、ときに嘔吐(おうと)がおこる。食欲は著しく増進する。血糖値、呼吸数、血圧などには変化がない。作用は服用者によって個人差があり、用量や投与経路によっても異なるが、意識がだんだん変化して夢幻状態になってくる。すなわち、思考に前後の関連性がなくなり、自由奔放に思考が駆け巡るようになる。数分が数時間に感じられたり、近くのものが遠くにあるように見えたりする。大量に服用すると、幻覚を経験する。極端な安寧感や喜びの興奮がおこり、笑いが止まらなくなったりする。ちょっとした刺激で愉快にはしゃぎ回ったりするが、そのあとはぼんやりと考え込むようになる。1人の場合は鎮静的であるが、仲間といっしょになると多弁で陽気にふるまう現象もみられ、大量投与では死の恐怖感が観察される。しかし、犯罪的行為や攻撃的行動はあまりおこらない。禁断症状としては、ふたたび吸入したくなる精神的依存がみられるが強いものではなく、吸わないと身体的な障害がおこるといった身体的依存はない。また、大麻中毒者ではなんらかの心理的要因によって喫煙時と同じ症状を発する再現症状がみられることがあり、フラッシュバック現象とよばれる。
 なお海外では、マリファナの喫煙は合法となっている国もあるが、日本では大麻取締法によって栽培、所持、譲受、譲渡などが規制され、不正取引や不正使用などが禁止されている。[幸保文治]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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