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大島紬【おおしまつむぎ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

大島紬
おおしまつむぎ
鹿児島県奄美大島特産の紬織物の一種大島絣,また単に大島ともいう。非常に手のかかる方法でを紡ぎ,泥染技法による媒染をして,テーチキと呼ばれる植物染料で染める。こうしてできた黒褐色絣糸絣模様縞模様に織った平絹織物をいう。特殊な染色法による色合いと精巧な絣模様に独特の気品があるので珍重されるが,高価である。類似風合いを出した織物に村山大島秩父大島などがあるが市場での評価にはかなり差がある。

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朝日新聞掲載「キーワード」

大島紬
奄美大島が発祥織物で、黒地が基本。バラ科の植物シャリンバイに含まれる色素に含まれる鉄分化学結合させて糸を黒く染める「泥染め」が特徴。明治時代後期から生産性が向上し、1927年のピーク時に奄美で年35万6千反を生産したが、近年は和装需要の減少と景気低迷で落ち込み、昨年は4700反にとどまった。
(2017-05-20 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

おおしま‐つむぎ〔おほしま‐〕【大島×紬】
奄美(あまみ)大島から産出する、絣(かすり)織りの。手で紡いだ糸を、当地産のティーチキという植物の煮出しと、泥の中の鉄塩とで茶色に染めて織る。

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世界大百科事典 第2版

おおしまつむぎ【大島紬】
奄美大島を原産地とする絹絣の高級着尺地(きじやくじ)。生地はしなやかで軽く,しわになりにくい利点をもつ。奄美における紬織物の起源は明らかでないが,1720年(享保5)の《大島政典録》に薩摩藩島民に紬着用禁止令を出したことがみえることから,これ以前に紬が生産されていたことはまちがいないようである。そのころの大島紬は手引きの真綿紬糸を用いて,地機(じばた)で製織されたきわめて素朴なものであったと思われる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

おおしまつむぎ【大島紬】
奄美大島・鹿児島市から産出する絹の絣かすり織物。糸をテーチキ(車輪梅)の樹皮を煮出した液に浸したあと、鉄分の多い泥田に入れて黒褐色に発色させる泥大島のほか、藍大島・泥藍大島がある。大島。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

大島紬
おおしまつむぎ
鹿児島県奄美(あまみ)大島の奄美市名瀬(なぜ)地区を中心に生産される平織の絹織物で、絣柄(かすりがら)を主とした高級着尺地。また、これに技法を同じくして生産され、「……大島」の名でよんでいる各地の絹織物を含んでさすことがある。大島紬がいつごろから生産されていたかは明らかではないが、おそらく南の久米島(くめじま)紬から技法が伝わる江戸初期ごろから盛んになり、やがて1720年(享保5)には島津藩から紬着用の制限令が出されているので、このころには一般に普及していたのであろう。藩政時代には貢納品として少量生産されたにすぎないが、明治ごろから隆盛に向かった。しかし現在では交通運輸に便利な鹿児島本土産のものが生産量も多いのが現状で、奄美から鹿児島へ移った人たちによって織られているものが多く、これも大島紬とよんでいる。第二次世界大戦前鹿児島で織られていたものは、緯(よこ)絣でこれを鹿児島大島とよんだ。それぞれの生産組合は生産地を区別しているが、いずれも大島紬には変わりはない。なお、韓国産のものも現在では一部に輸入されている。
 大島紬は、もと紬糸を使用したが、明治以後には、経(たて)糸に生糸、緯糸に紬糸を、ついで経緯とも玉糸に変わり、現在では甘撚(あまよ)りの絹糸で織るようになっている。紬というもとの名称が、そのまま残されているにすぎないのである。絣糸の防染は、手括(てくび)りによる括絣によったが、現在では能率的な「むしろ」のように縛る織締機(おりしめばた)を使っている。染色は、独特の泥大島ではテーチキ(シャリンバイともいう)の樹皮を細かく刻んだものの煮出し液で染め、さらに泥土中につけ独特の黒褐色の色調を出す。いわゆる泥土中の鉄分によるタンニン含有物の鉄媒染法(いわゆる泥染め)である。このほか泥藍(どろあい)大島、藍大島や、化学染料による色大島もある。模様はもと簡単な幾何文の絣柄であったが、明治以後には細かい十字絣による絣柄へと転換する。そして精緻(せいち)な柄行を細かい絣技法により織り出すが、その大島絣独特の柄ゆきは、毒蛇(ハブ)のうろこ模様の表現にあったといわれる。
 これをまねた村山大島とか伊勢崎(いせさき)大島などとよばれるものが生まれたが、「本場大島」の地位は揺るがず、独特の色の渋さと模様は、広く男女和服地として使われ、町着、普段着として愛用されている。[角山幸洋]

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事典・日本の観光資源

大島紬

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精選版 日本国語大辞典

おおしま‐つむぎ おほしま‥【大島紬】
〘名〙 鹿児島県奄美大島から産出する紬。手でつむいだ糸を、当地で産する「てえちぎ」という植物の煮出液と鉄分を含んだ泥土で褐色に染めてから手織で織る。絣織(かすりおり)の物が多く優雅。近世から生産されていたが、明治中期以後改良され、生産量がふえた。おおしま。
※初すがた(1900)〈小杉天外〉二「一人は蚊絣(かがすり)の大島紬(オホシマツムギ)の小袖に同じ柄の羽織」

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