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大和物語【やまとものがたり】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

大和物語
やまとものがたり
平安時代中期の和歌説話集。作者未詳。2巻。約 173段。伝本により出入りがあり,成立事情は複雑であるが,天暦5 (951) ~6年頃には現存本に近い形態が成立していたと推定される。全体は大きく2部に分れ,主として宇多上皇を中心とする廷臣,女性たちに関する和歌説話を集めた部分と,葦刈り説話,菟原処女 (うないおとめ) 説話などの伝承的な和歌説話を集めた部分から成る。

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デジタル大辞泉

やまとものがたり【大和物語】
平安中期の歌物語。作者未詳。天暦(947~957)ごろの成立、のち増補されたといわれる。和歌を主とし、恋愛・伝説などを主題とする170余編の説話を収録。

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世界大百科事典 第2版

やまとものがたり【大和物語】
平安時代の歌物語。10世紀の中ごろに成立し,その後若干の増補が行われたと考えられる。書名の〈大和〉の根拠は不明であり,また作者についても,多くの推定説が提出されているものの現在のところ明証がない。約173段の小話から成り,《伊勢物語》とともに歌物語の代表とされるが,しかし《伊勢》は在原業平に擬せられる一人の〈男〉の一代記的な構成をもっているのに対し,この作品は一貫した主題や中心となる特定の主人公をもたない,雑然とした和歌説話集という体裁である。

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大辞林 第三版

やまとものがたり【大和物語】
歌物語。二巻。作者未詳。一〇世紀半ばに成立。一七〇余の章段から成る。「伊勢物語」と並び称される歌物語だが、全体を通じての主人公はなく、説話集的性格をもつ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

大和物語
やまとものがたり
平安時代中期の歌物語。作者不明。成立は951年(天暦5)ごろ現存本168段あたりまでほぼ成立、以後『拾遺集(しゅういしゅう)』成立(1005ころ~07ころ)ごろまでに169段から173段まで、および他にも部分的な加筆があるらしい。内容は173段にわたる歌語りの集成であるが、単なる機械的な打ち聞き記録の域を超えて、虚構ないし潤色とみられる部分も少なくない。陽成(ようぜい)~醍醐(だいご)朝にわたる、僧侶(そうりょ)男女貴賤(きせん)140余名に上る人の歌295首を含み、話題は多様である。前半は当代の宮廷に生まれた歌語りを主とし、後半は、姥捨(おばすて)山、芦刈(あしかり)、立田(たつた)山などの古い伝承が多い。各段の配列に際しては、巻頭に宇多(うだ)天皇に関する説話を置くなど、身分本位の古代説話集の部類方法に通ずるところもあり、また勅撰(ちょくせん)歌集に似た部類意識もないわけではないが、全体としては、登場人物による取りまとめ、素材の類似性、語彙(ごい)の共通性など、かなり自由な連想作用によって、章段と章段とは連接されている。全編にわたる主題的統一性は微弱で、一見無秩序にみえるが、こうした連鎖的構成がその雑纂(ざっさん)的形態を支えている。また、先行する『伊勢(いせ)物語』の影響下にあるものの、それにあった強烈で純粋な叙情性は薄く、世俗的なゴシップの次元に密着しており、当代の文芸の平均的な実態を伝える点が多い。
 伝本は、二条家本系統と六条家本系統とに大別される。前者に属する弘長(こうちょう)元年(1261)写の藤原為家(ためいえ)筆本が最善本とされており、従来流布した定家(ていか)本もおおむね二条家本である。
 また六条家本では、九州大学図書館蔵勝命(しょうめい)本は、為家本と同じころの写にかかるが、134段以降の零本(れいほん)であり、近世初期写の御巫(みかなぎ)本・鈴鹿(すずか)本もこの系統といわれるが、勝命本との間にはかなりの異同がある。[今井源衛]
『阿部俊子著『校本大和物語とその研究』(1954・三省堂) ▽柿本奨著『大和物語の注釈と研究』(1981・武蔵野書院) ▽阿部俊子・今井源衛校注『大和物語』(『日本古典文学大系9』所収・1957・岩波書店) ▽高橋正治校注・訳『大和物語』(『日本古典文学全集8』所収・1972・小学館)』

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精選版 日本国語大辞典

やまとものがたり【大和物語】
平安中期の歌物語。作者は、花山院、敦慶親王女房大和など諸説ある。天暦(九四七‐九五七)頃の成立。百七十余段からなり、前半は当時の貴族社会における生活儀礼としての和歌の諸相を、贈答の軽妙さなどに重点をおいて示し、後半約三〇段は、物語的、説話的傾向の大きい歌話を集めている。「伊勢物語」が作り物語、日記文学への移行を示すのに対し、説話文学への契機を持つといわれる。

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