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大伴家持【おおとものやかもち】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

大伴家持
おおとものやかもち
[生]養老2(718)?
[没]延暦4(785).8.28. 陸奥
奈良時代の政治家,歌人。三十六歌仙の一人。旅人 (たびと) の長子。書持 (ふみもち) の兄。その妻坂上大嬢 (さかのうえのおおいらつめ) は大伴坂上郎女 (いらつめ) の娘。天平 18 (746) 年越中守,天平勝宝3 (751) 年少納言となり帰京,同6年兵部少輔,防人 (さきもり) のことなどを司る。同8年の左大臣橘諸兄 (もろえ) の致仕,古慈悲の乱,翌年の奈良麻呂の変など,大伴一族の命運にかかわる大事件の連続するなかで,彼は局外者の立場にとどまっていたらしい。その後地方官などを歴任,宝亀 11 (780) 年参議となり右大弁を兼ね,いったん事に座して官を奪われたがやがて復し,延暦2 (783) 年中納言に進み,翌々年中納言従三位,春宮大夫,陸奥 (みちのく) 按察使鎮守府将軍でした。没後も暗殺事件に連座して遺骸のまま追罰されるなど,名門出身の政治家としては不遇であった。歌人としては文学史上きわめて重要な位置を占め,『万葉集』に長歌 46首,短歌 432首,旋頭歌1首の,万葉歌人中最大の量を残した。『万葉集』そのものの編纂に深く関与していたと考えられ,哀愁をたたえた抒情歌には独自のものがある。

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デジタル大辞泉

おおとも‐の‐やかもち〔おほとも‐〕【大伴家持】
[718ころ~785]奈良時代の歌人。三十六歌仙の一人。旅人の子。中納言。越中守・兵部大輔(ひょうぶのたいふ)など地方・中央の諸官を歴任。万葉集編纂者(へんさんしゃ)の一人といわれる。万葉末期の代表的歌人で、歌数も最も多い。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

大伴家持 おおともの-やかもち
718-785 奈良時代の歌人,公卿(くぎょう)。
養老2年生まれ。大伴旅人(たびと)の長男。妻は大伴坂上大嬢(さかのうえのおおいらつめ)。宝亀(ほうき)11年参議となる。天応元年春宮大夫(とうぐうのだいぶ),従三位にすすみ,2年陸奥按察使(むつあぜち),延暦(えんりゃく)2年中納言となった。「万葉集」の編者として,最多数の和歌(長歌46首,短歌432首など)をのこした。三十六歌仙のひとり。延暦4年8月28日死去。68歳。死後,藤原種継(たねつぐ)暗殺に関係していたとして官籍から除名されたが,のち復した。
【格言など】鵲(かささぎ)の渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける(「小倉百人一首」)

出典:講談社
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世界大百科事典 第2版

おおとものやかもち【大伴家持】
717‐785(養老1‐延暦4)
奈良時代の政治家,歌人。安麻呂の孫,旅人の子。橘諸兄政権下に内舎人として出身し,745年(天平17)1月,正六位上から従五位下に叙される。この昇叙の記事が《続日本紀》に家持の名の見える最初である。746年3月宮内少輔,同年6月越中守に任ぜられ,751年(天平勝宝3)7月少納言となり帰京した。754年4月兵部少輔となり,このとき防人の事務をつかさどる。757年(天平宝字1)6月兵部大輔,同年12月右中弁,758年6月には因幡守となった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

おおとものやかもち【大伴家持】
718?~785 奈良時代の歌人。旅人の子。越中守・中納言など地方・中央諸官を歴任。万葉集で歌数が最も多く、現在の二〇巻本に整えられる以前の一六巻本の体裁の万葉集の編纂者へんさんしやの一人と目される。繊細・優美な歌風で万葉末期を代表する歌人。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

大伴家持
おおとものやかもち
(717/718―785)
『万葉集』末期の代表歌人、官人。旅人(たびと)の子。少年時の727年(神亀4)ごろ父に伴われ大宰府(だざいふ)で生活し、730年(天平2)帰京。737年ごろ内舎人(うどねり)。745年(天平17)従(じゅ)五位下。翌3月宮内少輔(くないのしょうふ)。7月越中守(えっちゅうのかみ)として赴任した。751年(天平勝宝3)少納言(しょうなごん)となって帰京。754年兵部(ひょうぶ)少輔。さらに兵部大輔、右中弁を歴任したが、758年(天平宝字2)因幡守(いなばのかみ)に左降された。以後、信部大輔(しんぶたいふ)、薩摩守(さつまのかみ)、大宰少弐(しょうに)などを歴任。長い地方生活を経て770年(宝亀1)6月民部少輔、9月左中弁兼中務(ちゅうむ)大輔、10月、21年ぶりで正五位下に昇叙した。諸官を歴任して781年(天応1)4月右京大夫(うきょうのたいふ)兼春宮(とうぐう)大夫となり、785年(延暦4)4月中納言従三位(じゅさんみ)兼春宮大夫陸奥按察使(みちのくのあんさつし)鎮守府将軍とみえ、同年8月没。没時はおそらく任地多賀城(宮城県多賀城市)にいたと思われる。年68または69歳。名門大伴家の家名を挽回(ばんかい)しようとして政争に巻き込まれることが多く、官人としては晩年近くまで不遇で、死後も謀反事件に連座して806年(大同1)まで官の籍を除名されていた。
 作品は『万葉集』中もっとも多く、長歌46、短歌425(合作1首を含む)、旋頭歌(せどうか)1首、合計472首に上る。ほかに漢詩1首、詩序形式の書簡文などがある。作歌活動は、732年ごろから因幡守として赴任した翌年の759年までの28年間にわたるが、3期に区分される。第1期は746年越中守となるまでの習作時代で、恋愛歌、自然詠が中心をなす。のちに妻となった坂上大嬢(さかのうえのおおいらつめ)をはじめ、笠女郎(かさのいらつめ)、紀女郎(きのいらつめ)らとの多彩な女性関係と、早くも後年の優美、繊細な自然把握がみられる。第2期は越中守時代の5年間で、期間は短いが、望郷の念を底に秘めつつ、異境の風物に接し、下僚大伴池主(いけぬし)との親密な交遊を通し、さらには国守としての自覚にたって、精神的にもっとも充実した多作の時代である。第3期は帰京後から因幡守となるまでで、作品数は少なく宴歌が多いが、万葉の叙情の深まった極致ともいうべき独自の歌境を樹立した。『万葉集』の編纂(へんさん)に大きく関与し、第3期の兵部少輔時代の防人歌(さきもりうた)の収集も彼の功績である。長い万葉和歌史を自覚的に受け止めて学ぶとともにこれを進め、比類のない優美・繊細な歌境を開拓するが、この美意識および自然観照の態度などは、平安時代和歌の先駆をなす点が少なくない。[橋本達雄]
ふり放(さ)けて三日月見れば一目見し人の眉引(まよびき)思ほゆるかも(第1期)
うらうらに照れる春日に雲雀(ひばり)あがりこころ悲しも独りし思へば(第3期)
『山本健吉著『日本詩人選5 大伴家持』(1971・筑摩書房) ▽北山茂夫著『大伴家持』(1971・平凡社) ▽橋本達雄著『王朝の歌人2 大伴家持』(1984・集英社)』

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精選版 日本国語大辞典

おおとも‐の‐やかもち【大伴家持】
奈良時代の万葉歌人。旅人(たびと)の子。地方、中央の諸官を歴任。歌は繊細、優美を基調とし、すぐれた技巧と抒情性を示し、万葉末期を代表する。「万葉集」中、歌数が最も多く、その編纂者の一人といわれる。従三位中納言。没後、藤原種継暗殺事件に連座した罪で除名。延暦二五年(八〇六)復位。延暦四年(七八五)没。

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旺文社日本史事典 三訂版

大伴家持
おおとものやかもち
718〜785
奈良時代の歌人
旅人 (たびと) の子。『万葉集』に473首おさめられ,『万葉集』中最多。その編纂には最も力があったと考えられるが,758年因幡守任官の年で作歌生活を終えている。のち中納言まで昇進したが,死後藤原種継暗殺に関係したとして処罰をうけた。藤原氏の隆盛に圧迫された貴族の一人。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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