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多糖

栄養・生化学辞典

多糖
 多糖類ともいう.単糖が多数重合した化合物デンプングリコーゲンセルロースなど.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

たとう【多糖 polysaccharide】
単糖が重合して生ずる高分子物質で,生物界に広く分布している。広義には単糖が2分子以上結合したものを含めることがあるが,狭には20分子程度以上のものをいう。その機能は主としてエネルギーの貯蔵と形態構築の二つであり,前者の役割をする多糖を特に貯蔵多糖と呼ぶ。貯蔵多糖の代表例はグリコーゲンデンプンイヌリンである。コンニャク球茎の貯蔵多糖はグルコマンナン(マンナン)と呼ばれ,マンノースグルコースからなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

多糖
たとう
polysaccharide
単糖類が10個以上脱水結合して生じた糖質の総称。グリカンglycan、ポリグリコースpolyglycoseともいう。炭水化物のうち加水分解によりこれ以上簡単な化合物にならない糖を単糖類という。通常2~10の単糖からなる糖を少糖類(オリゴ糖ともいう)、それ以上の単糖からなる糖を多糖類というがその区別は明確ではない。[徳久幸子]

多糖の分類

多糖はいろいろな観点から分類される。同一の単糖から構成されるものを単純多糖(ホモ多糖、ホモグリカンともいう)、異種の単糖から構成されるものを複合多糖(ヘテロ多糖、ヘテログリカンともいう)という。ウロン酸(アルドースの末端の-CH2OHが酸化されてカルボキシ基-COOHとなった化合物)やエステル硫酸(糖のヒドロキシ基-OHに硫酸H2SO4が脱水結合した化合物)を多く含むものを酸性多糖という。中性糖のみのものは中性多糖という。ペントース(五炭糖ともいう)、ヘキソース(六炭糖ともいう)を構成糖とするホモ多糖をそれぞれペントサン、ヘキソサンという。ウロン酸とアミノ糖(糖のヒドロキシ基-OHをアミノ基-NH2で置換した化合物)を構成糖とする一群の多糖はムコ多糖(グリコサミノグリカンともいう)とよばれる。脂質と結合した多糖は糖脂質(グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質など)に分類される。その他機能によって貯蔵多糖(デンプンなど)、構造多糖(セルロースなど)、機能多糖(ヘパリンなど)とよばれる。[徳久幸子]

多糖の名称

構成糖の語尾の-oseを-anに変え、たとえばグルコースが構成糖のホモ多糖はグルカンglucanとよぶ。ヘテロ多糖は、構成単糖をアルファベット順に並べ、グリカンをつける。ガラクトマンノグリカンなどである。イヌリン、ペクチンなど慣用名でよばれるものも多い。[徳久幸子]

多糖の性質

生体を構成する高分子物質で、タンパク質、脂質と並んで自然界にもっとも多く存在する。一般に無定形固体、水への溶解性はさまざまで、甘味はなく、フェーリング溶液(還元糖の検出と定量に用いる試薬)を還元しない。多糖は酸や酵素によって少糖(オリゴ糖)に分解される。それぞれの多糖に特異的な酵素が存在する。たとえばデンプン、グリコーゲン、セルロースはそれぞれ、アミラーゼ、グリコーゲンフォスフォリラーゼ、セルラーゼによって分解される。多糖の検出には、過ヨウ素酸でヒドロキシ基を酸化して、生じたアルデヒド基をシッフ試薬で呈色させる方法が用いられる。多糖の工業的利用は製紙、繊維、プラスチック、食品、医薬品など多岐にわたっている。[徳久幸子]
『江上不二夫監修、鈴木旺他編『多糖生化学』(1969・共立出版) ▽日本生化学会編『生化学データブック』(1979・縮刷版1981・東京化学同人) ▽松田和雄編著『多糖の分離・精製法』(1987・学会出版センター) ▽宮崎利夫編『多糖の構造と生理活性』(1990・朝倉書店) ▽桜井直樹・山本良一・加藤陽治著『植物細胞壁と多糖類』(1991・培風館)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版

多糖
タトウ
polysaccharide

グリカン,ポリグリコースともいう.単糖が10個以上縮重合したものを多糖とみなすが,セルロースのように平均3000個のものもある.一般に,無定形固体.水への溶解度はさまざまであるが,有機溶剤に不溶.甘味はなく,フェーリング液を還元しない.その分類には種々の方法があり,1種類の単糖からなるものは単純多糖(ホモグリカン),複数の単糖を含むものは複合多糖(ヘテログリカン)という.単糖の性質によって,ウロン酸や硫酸エステルを含むものは酸性多糖,中性糖のみのものを中性多糖とよぶ.構成糖の種類によって,ペントーサン,ヘキソーサン,ムコ多糖,ゴム質などにも分類される.ムコ多糖はウロン酸とアミノ糖を構成糖とし,タンパク質と結合して存在しているので,プロテオグリカンのなかに分類される.また,生物界における機能によって,貯蔵多糖(デンプンなど),構造多糖(セルロースなど),機能多糖(ヘパリンなど)に分けられる.名称は単糖の名称-oseという語尾のかわりに-anをつける方法が用いられている.しかし,イヌリンペクチンなど-inで終わる慣用名をもつものはそのままで使われている.構成糖名の前にpoly-をつける方法も用いられる.多糖は酸や酵素で加水分解すると,種々のオリゴ糖を経て構成単糖になる.検出法としては,過ヨウ素酸でヒドロキシ基を酸化開裂させ,生成したアルデヒド基をシッフ塩基で検出する過ヨウ素酸-シッフ反応が用いられる.用途は紙,繊維,プラスチック,火薬,食品,糊料,医薬品など広範囲に及んでいる.多糖の機能の解明や化学的合成も活発に行われている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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