Rakuten infoseek

辞書

Infoseek辞書サービス終了のお知らせ

変異【へんい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

変異
へんい
variation
同一の群に属する異なる生物の間にみられる形質相違をいう。同種内での個体の地域的変異とか,各品種の代表的個体を比較しての品種間の変異とか,属のなかでの種レベルでの変異とか,いろいろなレベルでのまとめ方が考えられる。変異には,連続的・非遺伝的・一時的な個体変異と,不連続的・遺伝的・永久的な突然変異があるが,いずれの場合にも,個体発生に伴って遺伝または環境の作用で確立してきた差異という含みがある。また,突然変異 mutationという語が,2語の合成語の感じがあり,長いため,文意が明らかなとき,しばしば単に変異と略していう。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

へん‐い【変異】
[名](スル)
平常と変わったことが起こること。異変。
同種の生物個体間に形態的、生理的な差異が現れること。環境の影響による遺伝しない個体変異と、遺伝する突然変異とに分けられる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

へんい【変異 variation】
生物の同じ種あるいは同じ種内集団に属する個体の間で,同一の形質の示す状態が異なること。一般に広い地域に分布する種では地方による違いの認められることが多く,これを地理的変異という。地理的変異には形質の変異が不連続である場合と,連続している場合とがある。変異が不連続な地理的集団はふつう亜種として取り扱われ,遺伝的にも異なる集団であると考えられている。動物における変異のうち,ヒトの人種的な差違はきわめて特殊なものであるが,元来は同一種内での地理的・遺伝的変異の一つである。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

変異
へんい
variation

同一種あるいは一つの繁殖集団内の個体間にみられる形質の違いをいう。形質とは元来生物の分類の指標となる形態的要素をさしたが、G・J・メンデル以来の遺伝学においては表現形質として現れる各種の遺伝的性質をさす。変異(あるいは個体変異)は遺伝的要因と環境要因の両方によって生ずる。環境要因によって生ずる変異は、環境変異とも彷徨(ほうこう)変異ともよばれ、後代に遺伝しない。

 遺伝子の作用と表現形質の関係は、きわめて多彩である。ある遺伝子は極端に小さな影響しか及ぼさない一方、別の遺伝子は非常に大きな効果をもち、そのようなたった一つの遺伝子に変化がおこった場合にも致死になることがある。遺伝子は、普通、多数の形質に影響を及ぼす。ショウジョウバエのポリモーフとよばれる遺伝子は、その極端な例で、体のつり合い、大きさ、生存力、生殖力をはじめさまざまな形質に影響することが知られている。このような遺伝子を「多面的効果をもつ遺伝子」という。逆に一つの形質に複数の遺伝子が関与することもまれではない。ショウジョウバエの目の色素には20種以上の異なる遺伝子が影響している。さらに身長とか体重のような量的形質には、もっと多数の微少効果をもつ遺伝子が関係している。このような遺伝子の作用の強弱や多面性の程度の相違のほかに、遺伝子の発現という面でも多様性がある。発現が環境や遺伝的背景に強く依存するものから、まったく影響を受けないものまでさまざまな表現度がある。また、ある特定の遺伝子をもつ個体の集まりのなかで、すべての個体がその遺伝子の効果を表現するとは限らない。遺伝子と形質の関係はこのように複雑であるので、変異に遺伝的変異と環境変異があるといっても、それらを区別するには統計的方法が必要になることがある。

 しかし、1960年代から遺伝的変異を直接調べることが可能になった。これは、遺伝子の直接産物であるタンパク質を同定するための簡便法(電気泳動法)の応用による。また、最近では、DNA配列を決定することが比較的容易になってきたので、このレベルでも遺伝的変異を調べることが可能である。これらの方法によって、生物集団はきわめて多量の遺伝的変異を保有していることが明らかになってきた。しかし、このような遺伝的変異と表現形質の関係については、未解決な問題が多い。遺伝子と形質の対応関係はつねに一対一ではない。調べた遺伝子と形質との関係、あるいは調べたい形質にどのような遺伝子が関係しているかという点に関しては、さらに研究の進展をまたなければならない例が多数残されている。

 遺伝的変異がおこる機構も多彩である。DNAの複製や修復時の誤りによって生ずる遺伝子内の変化や、DNAのもっと広い領域で生ずる遺伝子自体の欠失、重複、転座などの変化がある。遺伝的、進化的にたいせつな変異は生殖細胞系列で生じたもので、後代に伝達される必要がある。ときに体細胞系列での変異もみられるが、そのような変異の進化的意味はない。遺伝子レベルで明らかになった多量の変異がどのような機構で保有され、進化的にどのような意味をもつかについて、過去20年間ほど世界中で大きな論争があった。その論点は自然選択の相対的な役割に関してであったが、現在では、遺伝子レベルの変異の多くは自然選択に有利でも不利でもないとする説(中立説)が広く認められるようになってきた。しかし、すべての変異が中立的なものであるはずはなく、遺伝子レベルの変異と表現形質レベルの進化との関係を明らかにする研究の必要性も問われている。

[髙畑尚之]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

へん‐い【変異】
〘名〙
① 平常と変わったことが起こること。また、そのような事態。異変。
※新儀式(963頃)四「若有天文変異、其道博士并蒙宣旨密奏者、具勘録其変異
※太平記(14C後)二三「天地日月未(いまだ)変異(ヘンイ)は無りけり」 〔漢書‐元帝紀〕
② 起源を一つにする個体間に形質の相違が現われること。また、そのような現象の総称。遺伝子型の差異による交配変異、外部要因の作用による境遇変異、真の遺伝子の変化による突然変異の三種に大別される。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

変異
 →突然変異

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

変異」の用語解説はコトバンクが提供しています。

変異の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.