Rakuten infoseek

辞書

変化物【へんげもの】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

変化物
へんげもの
歌舞伎舞踊のうち,1つの題名のもとに,異なった人物を扱ったいくつかの舞踊を扮装を変えて連続して踊り分けるものを総称していう。一人立が原則。元禄年間 (1688~1704) の女方水木辰之助の「七化け」が最も古い。寛政年間 (89~1801) 以後,種々の役柄を兼ねる役者の出現とともに,その種類も多様化し,早替り引抜きで衣装を変えて演じられた。文化文政年間 (04~30) に最も多く作られている。三変化から十二変化まであるが,五変化,七変化が多い。全体の構成には四季や雪月花などの見立てが多用される。明治以後はそのなかの1曲だけを切り離して演じるのが常となった。長唄の『汐汲』『供奴』,常磐津の『年増』,清元の『保名』『座頭』『六歌仙』など。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

へんげ‐もの【変化物】
歌舞伎舞踊の一種で、いくつかの小品舞踊を同一外題で統一し、同じ踊り手が次々に早替わりで踊り分けるもの。変化舞踊

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

へんげもの【変化物】
歌舞伎舞踊の一系統。いくつかの小品舞踊を組み合わせて構成し,踊り手が違った役柄をそれぞれ扮装をかえて踊りわけるもの。役柄の数によって,五変化,七変化などとよび,全曲合わせて一つの外題で上演した。名称の由来は妖怪変化がさまざまに姿をかえるという意味から出ている。元禄期(1688‐1704)の女方水木辰之助が1697年11月京の都万太夫座で,《七化狂詩(ななばけきようし)》として,犬,業平,老人,小童六方藤壺猩々(しようじよう)を演じて大当りをとったのにはじまる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

へんげもの【変化物】
歌舞伎舞踊で、幾種類かの小品舞踊を組み合わせ、一人の踊り手が早変わりで続けて踊り分けるもの。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

変化物
へんげもの
歌舞伎(かぶき)舞踊の一系統。「変化舞踊」ともいう。いくつかの小品舞踊を組み合わせて構成、演者が次々に扮装(ふんそう)を変え、異なる役柄を連続的に踊り分けるもの。総体のテーマによって一つの外題(げだい)をつけ、役柄の数によって「五変化」「七変化」などとよんだ。地の音楽は長唄(ながうた)が多いが、常磐津(ときわず)、富元(とみもと)、清元(きよもと)なども使い、ときには「掛合い」の形式も用いる。演者は1人を原則とするが、幕末には複数の演者で構成される作品もできた。変化物の最初は1697年(元禄10)初世水木辰之助(みずきたつのすけ)が演じた「怨霊事(おんりょうごと)」の系統を引く『七化狂詩(ななばけきょうし)』といわれる。享保(きょうほう)(1716~36)以後、主として江戸で行われたが、その後は怨霊から離れ、単に目先の変化をねらうものとして発達、文化・文政(ぶんかぶんせい)期(1804~30)にはもっとも流行した。明治以後、『六歌仙容彩(すがたのいろどり)』以外、全編が残る作品はなくなり、それぞれの一部が独立して行われるようになったが、そのなかには日本舞踊を代表する名曲も多い。長唄『鷺娘(さぎむすめ)』『羽根の禿(かむろ)』『越後獅子(えちごじし)』『供奴(ともやっこ)』『汐汲(しおくみ)』『手習子(てならいこ)』『藤娘(ふじむすめ)』、常磐津『三つ面子守』『駕屋(かごや)』『年増(としま)』、清元『保名(やすな)』『鳥羽絵(とばえ)』『三社祭』などは好例。[松井俊諭]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

へんげ‐もの【変化物】
〘名〙
※名語記(1275)三「変化物といへるをばけ物といひなせる歟」
歌舞伎所作事で、同じ俳優が次々に別の人物に早変わりして踊る小品舞踊の組み合わせ。「供奴」「浦島」「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)」などを含む七変化「拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)」の類。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

変化物」の用語解説はコトバンクが提供しています。

変化物の関連情報

他サービスで検索

「変化物」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE GROUP, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.