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報道写真【ほうどうしゃしん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

報道写真
ほうどうしゃしん
photojournalism
ニュース性のある出来事や人物を主体として報道する写真形式。広義には迅速な報道を目的とする新聞写真を含むが,狭義にはグラフ雑誌,写真雑誌,写真集を主たる媒体として,写真家独自の問題意識や主張に基づいたカメラ・アイによって,社会現象や自然現象をいわゆる組写真の形式で報道するフォト・エッセーを意味する。『ライフ』誌を中心に活躍したマグナム集団の写真家によるフォト・エッセーが代表的なもの。写真の発明直後から新聞写真として登場し,1930年代以降グラフ・ジャーナリズムの隆盛を背景として社会的影響力を高めたが,60年代以降テレビの台頭とともにその性格と意義が問直されようとしている。なお,日本語の「報道写真」という呼称は,ルポルタージュ・フォト reportage photo伊奈信男が訳した際に初めて使われたとされる。客観的,素材主義的なこのドイツのルポルタージュ・フォトと,写真家の主体性が重視されるアメリカのドキュメンタリー・フォト (→記録写真 ) は報道写真の二大潮流である。

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デジタル大辞泉

ほうどう‐しゃしん〔ホウダウ‐〕【報道写真】
新聞・ラジオ・テレビなどで報道することを目的として撮影される写真。

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監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ほうどうしゃしん【報道写真】
社会や自然界のできごとを,広く伝達する写真のこと。日本語としては昭和初期に,写真評論家の伊奈信男が〈ルポルタージュ・フォトreportage photo〉の訳語としてこの言葉を用いたのが初めといわれる。その意味では,〈報道写真〉という言葉はやや固有名詞的な性格を帯びているわけであるが,しかし今日の一般の意識としては,いわゆる〈ドキュメンタリー写真(ドキュメンタリー・フォト)〉ともほぼ同じような意味で,また,いわゆる〈ニュース写真〉などもその中に含めて,より広い意味の言葉として用いられ,定着しているということができる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ほうどうしゃしん【報道写真】
新聞やテレビを通じて報道することを目的とし、事件・事故を取材した写真。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

報道写真
ほうどうしゃしん
事件や事故など社会情勢や、世相、風俗、習俗など社会の表情を具体的に伝える目的で撮影される時事的な写真の総称。語源としては、1920年代のドイツでウルシュタイン社が発行していた日刊新聞や週刊誌に掲載された新しい写真ドキュメンタリーの形式・内容に、写真評論家の伊奈信男(いなのぶお)(1898―1978)が、報道写真の訳語をあてたもので、第二次世界大戦後、新聞写真を含め、社会的な題材を扱った写真すべてをこの名称でよぶようになった。広義のドキュメンタリー写真が自然、社会一般の現象を客観的に記録、伝達するのに対し、報道写真は題材を同じくしながら、速報性が重視され新聞・雑誌などの媒体で、読者に迅速な理解を促すように撮影、構成される。そこで、フォト・ジャーナリズム、グラフ・ジャーナリズムの写真様式のことをもさすようになった。
 報道写真の歴史的展開は、1925年ドイツで開催された「新即物主義展」の客観主義に徹した写真表現に端を発し、題材を日常の事象に及ぼしたウルシュタイン社が、ドキュメンタリー写真を報道写真へと発展させたのであった。その後ナチスの台頭でアメリカに亡命した写真家たちが、『タイム』『フォーチュン』の発行者H・R・ルースによって36年11月23日に創刊された『ライフ』や、その6週間後に創刊された『ルック』などに報道写真のスタイルを導入し、編集者、記者、写真家が一体となった組織的な編集制作方法を確立した。『ライフ』はこれをフォト・エッセイとよんだ。『ライフ』は最盛期850万部を発行し、アメリカの政治、外交をキャンペーンする役割を果たすとともに、そのスタッフ写真家にはいずれもこの時代を代表する報道写真家を配し、テレビが発達するまで、社会的に強い影響力をもつ媒体であった。第二次世界大戦後はカルチエ・ブレッソンやロバート・キャパたちによる報道写真の通信社「マグナム・フォトス」も設立され、1960年代は報道写真のもっとも充実した時代であったが、テレビの発達などによる72年の『ライフ』休刊で、衰退期に入った。なお『ライフ』は78年に月刊誌として復活したものの、売れ行きの落ち込みにより、2000年に廃刊している。その後、アメリカのタイム・ワーナー社の雑誌出版部門であるタイム社が、2004年10月から『ライフ』を新聞の折り込み誌として復刊した。これは、提携した新聞の毎週金曜日版に折り込まれる無料週刊誌という形をとっている。
 日本ではドイツで報道写真を学んだ名取洋之助が「日本工房」を設立(1933)し、その影響下から出た木村伊兵衛(いへえ)や土門拳(けん)が第二次世界大戦後も活躍した。その後、放送メディアの隆盛に押されて出版ジャーナリズムが衰退するなか、1980年代に入るとスキャンダル報道などセンセーショナルなニュースを扱う写真週刊誌の登場で、報道写真はふたたび注目されるが、2001年(平成13)にはその種の雑誌では草分けである『フォーカス』が休刊となった。しかしそうした一過性の報道ではなく、戦乱や人種問題などについて長期にわたる個人取材を敢行し、人間の普遍性を追求しようとする地道な報道写真家たちはなおも世界各地で活躍を続けている。[重森弘淹・平木 収]
『中井幸一編『日本写真全集10 フォトジャーナリズム』(1987・小学館) ▽A・ゴールドスミス解説『世界写真全集3 フォトジャーナリズム』(1989・集英社) ▽徳山善雄著『フォト・ジャーナリズム――いま写真に何ができるか』(平凡社新書)』

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精選版 日本国語大辞典

ほうどう‐しゃしん ホウダウ‥【報道写真】
〘名〙 事実を報道することを目的として撮影された写真。
※第2ブラリひょうたん(1950)〈高田保〉アロハ「キャパが固有名詞に値するようになったのは、スペインの内乱の報道写真を出してかららしい」

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