Rakuten infoseek

辞書

地位【ちい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

地位
ちい
status
社会や集団において,目標,規範,価値規準などによって,一定の形に配列されている人々の位置のこと。単なる空間的位置と違って,上下,優劣などの価値を伴っている。これとよく似た言葉に役割があるが,役割は人々に分与されている機能的状態をいい,地位はその役割の配列されている位置の構造的状態のことである。社会構造のなかでは,地位とそれに対応する役割の配置は,一種のヒエラルキア (階統秩序) をなしている。社会関係社会集団において個人の占めている位置を普通社会的地位と呼び,R.リントンは2類型を提示している。その一つは「帰属的地位」で,これは本人の資質や才能や努力では及ばない属性によって決められる地位,つまり,性,年齢,容貌,親や家族,家格など,いわば生れながらに決定されるものである。もう一つは「業績的地位」で,個人の才能や努力により,その業績の結果として獲得される地位である。 H.メーンは「身分から契約へ」と呼んだが,近代社会になるほど,「帰属的地位」よりも「業績的地位」が重視されてくる傾向にある。しかし現代においても,現実の社会的地位はこの両者の混合形態であることが多い。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ち‐い〔‐ヰ〕【地位】
社会やある組織の中で、人や物の占めている位置。身分や立場など。「高い地位に就く」「生産物中、重要な地位を占める」
存在している場所。位置。
「ありゃ、いい―にあるが、誰の家(うち)なんですか」〈漱石草枕

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ちい【地位 status】
人々が社会において占める相対的位置。個人が占める地位は,富や権力威信などの社会的資源が,個人にどれだけ配分されているかによって定まる。権力や威信などは,人々の間に配分の差異があってはじめて意味をもつ資源であるが,一般に,人々に配分される社会的資源の内容や程度には差異が存在する。人々は社会において,さまざまな異なる地位を占めているのである。社会的資源の配分の度合を多次元的な指標として,人々の地位の布置が測定され,地位連関の構造である社会成層すなわち階層構造が把握される。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ちい【地位】
社会集団における立場。身分。くらい。 「会社での-」
役割上の位置。 「幼児教育の占める-」

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

地位
ちい
status
集団や社会の階層構造上の特定の位置を示すもの。その地位を占める者は特定の社会的資源の配分にあずかる。どのような社会でも、そこに生活する人々の間には、なんらかの形で階層構造がつくられており、それを通じて社会秩序を維持している。性、年齢といった比較的単純明瞭(めいりょう)なものを基準としてつくられる階層構造もあるが、一般に階層構造は細分化されており、かつ複雑微妙な形をとっている。[本間康平]

権利・義務・役割

元来、地位とは権利と義務の範囲を決める法制上の概念として用いられ、社会生活を営むうえで欠くことのできない資格要件を示すものであった。19世紀に入り、ヨーロッパでは旧来の社会秩序が大幅に変わり、人々の地位にさまざまな影響を及ぼした。日本でも、明治維新によって既存の身分秩序が崩壊したため、高い地位にいた人々は、それまでに享受していた特権や名誉が失われていくことを経験したし、低い地位を占めていた人々は、自分たちの運命が開けていく可能性を信じることができた。工業化の進展とともに、このような特権や名誉の侵食がいっそう進んでおり、地位を法制上の問題として固定的にとらえることはできなくなっている。
 社会構造上の位置を示す地位には、地位を占めている人々の個人的資質とは無関係に、その位置を規定する権利と義務、および、役割行動についての期待の枠組みがはっきりと打ち出されている。同時に、地位が確定しているということは、その地位を占める当事者がプラスの特権をもつことによって社会的尊敬をかちとることを主張し、あるいは、マイナスの特権をもつことによって社会的蔑視(べっし)の対象となることを受認するとともに、その事実が社会的に確認されていることを示す。したがって、ある地位を占めるということは、その地位を占める当人が主張するだけでなく、人々がその主張を容認しているという事実が不可欠である。[本間康平]

地位とシンボル

地位は、地位を規定する要因によって二つに大別される。一つは生得的地位ascribed statusとよばれるもので、人々が生まれながらにしてもっているものを規定要因とする。性や人種、あるいは血統、家柄、遺産などに基づくもので、人々の基本的な生活様式を規定する。もう一つは獲得的地位achieved statusとよばれるもので、個人的な努力の結果として、あるいは幸運などによって手に入れることのできるものを規定要因とする。教育程度や職業などさまざまなものが含まれ、社会生活を営むうえで決定的な意味をもつ。
 生得的地位であれ獲得的地位であれ、特定の地位を占める個人や集団がその地位に基づく優越性を表示するために使われるものが地位のシンボルである。シンボルとなるものは、ことば遣いや礼儀作法といった行動様式から、位階勲等や役職などの制度、記章や服装をはじめとする意味を付与されたものなどさまざまで、手に入れることがむずかしければそれだけシンボルとしての効用は大きい。[本間康平]

地位と集団

同じような地位を占める人々は地位を契機とする集合体を形成する傾向がある。集合体の一員になることによって、人々は生活様式や利害関係について共通の認識をもち、互いに一体感を育てるだけでなく、自分たちに与えられている特権を守るとともに、よりよい生活を享受するために、より高い地位を求めて組織活動を展開している。[本間康平]
『R・リントン著、清水幾太郎・犬養康彦訳『文化人類学入門』(1952・東京創元社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ち‐い ‥ヰ【地位】
〘名〙
① 社会や組織などの中での、その人の置かれている位置。その人の身分や能力などの段階。くらい。
※三帖和讚(1248‐60頃)高僧「わが身は智慧あさくしていまだ地位いたらざれば」
一年有半(1901)〈中江兆民〉二「其地位を喪はざらんことを是れ務めて」
② そのものの存在する場所。位置。〔布令字弁(1868‐72)〕
※東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉二「築地〈略〉地位は隅田川の口唇に当て」
③ 土地の有様。地勢。
※続歌舞妓年代記(1907)一六「猿若町地所元地より地位も相劣り候」 〔盧仝‐謝孟諫議寄新茶詩〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

地位」の用語解説はコトバンクが提供しています。

地位の関連情報

他サービスで検索

「地位」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE GROUP, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.