Rakuten infoseek

辞書

国民経済計算【こくみんけいざいけいさん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

国民経済計算
こくみんけいざいけいさん
national economic accounting
ある一定期間における国民経済の活動と構造をある統計体系に基づいて記録表示する方法。当初は国民所得勘定同義と解されていたが,産業間取引をも把握する産業連関表資金取引をとらえる資金循環勘定国際収支表およびフロー (所得) 面でなくストック (資産) 面をとらえる国民貸借対照表などが発展してくるに及び,これら5つの勘定を統合するものとして拡大されてきた。この5勘定を全面的に統合することの必要性は古くから認められていたが,基礎的統計の未整備や推計技術上の問題から部分的統合にとどまっていた。しかし 1968年国連の提示した新しい新国民経済計算体系 (新 SNA) では,その後の統計や推計技術の発展をもとに5勘定の全面的統合を実現した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

こくみんけいざい‐けいさん【国民経済計算】
一国の経済の全体像を表す統計。生産・消費・投資などのフロー面や資産・負債などのストック面の実態を体系的に記録するもので、各国の経済状況を比較できるように、国際連合が統一基準を定めている。日本では、この国際基準に準拠して、内閣府四半期別GDP速報国民経済計算年次推計を作成・公表している。基幹統計の一つ。SNA(system of national accounts)。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

こくみんけいざいけいさん【国民経済計算】
ある特定の時点および期間に関する国民経済の構造と働き(ワーキング)を,マクロ的に計量するさまざまの集計量(集計概念ともいわれる)のシステムに表章して記録する方法をいう。国民経済計算の眼目が国民経済のマクロ的な計量に置かれるところから,〈マクロ経済計算〉の名で呼ばれることもある。システムに表す形式としては,伝統的に企業会計の〈複式記入の勘定システム〉が利用されてきた。個別企業の企業会計と区別する見地から,〈社会〉を対象とする会計という意味で,国民経済計算のことを〈社会会計social accounting〉ということもある。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

こくみんけいざいけいさん【国民経済計算】
一国の経済活動の循環過程や相互関係などを、企業会計と同様な手法で包括的に記録する計算体系。社会会計。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

国民経済計算
こくみんけいざいけいさん
national economic accounting
国民の経済的諸活動に基づく循環過程の一定期間にわたる結果を事後的に貨幣単位を用いて把握したものであり、国民経済を構成する各部門の関連をも巨視的、整合的に明らかにするように作成された統計情報の体系である。一国の経済的側面を明らかにするもっとも基本的な統計体系であり、国民経済の諸活動に関する実態の分析や将来の予測、あるいは経済政策の立案や経済計画の策定などに際し、その基礎となる情報である。[高島 忠]

歴史的経過

第二次世界大戦後しばらくの間、わが国では個別の政府機関によってそれぞれ独自の利用目的の下に、国民所得統計、国富統計、産業連関表、資金循環表(マネー・フロー表)、国際収支表が作成されてきた。そのため、統計の概念規定、評価基準などに統一性がなく、勘定相互間で整合的な関連づけが行われていなかった。国民経済の循環過程の把握は、財貨・サービスに関する生産、分配、支出の、いわゆる「もの」の流れ(フロー)を取りまとめて記録した国民所得統計が中心であった。1953年に国際連合において初めて作成された国民経済計算の統計基準自体が、そのような国民所得の統計分野に限定されたものであり、その国際基準がSNA(System of National Accounts)の旧体系といわれるものである。
 1968年に旧SNAが全面的に改訂され、従来の財貨・サービスのフローを主とした国民所得中心の体系に対し、新たに生産者間の財貨・サービスのフロー、資金のフロー、海外との取引関係、そしてこれらのフローをストックに結び付ける国民の貸借対照勘定を付け加えることにより、前述の諸勘定を一定の基準の下に有機的に結合する国民経済計算体系の統一基準が提示された。この新しい国際基準がこれまでわが国で新SNAとよばれてきたものである。1970年代に入って各国は順次にこの基準に従って国民経済計算の体系へ移行してきたが、わが国でも78年(昭和53)8月に、従来の国民所得統計から新SNAへと移行した。これによってわが国の国民経済に関する統計体系は、定義、概念、推計方法のすべてにわたり面目を一新して今日に至っている。[高島 忠]

国民経済計算の基本構造

今日の国民経済計算の体系は、経済活動の全循環を「もの」と「かね」の両面から整合的に把握し、国民貸借勘定にまで結び付ける膨大な内容のものであり、かつての国民所得統計に比し、格段に複雑なものとなっている。
 計測の基礎概念として、国民所得統計が国民生産概念をとっているのに対して、新SNAでは国内生産概念が用いられる。それは、新SNAにおいては、生産勘定において個々の生産活動に伴う商品(財貨・サービス)の取引関係、つまり投入と産出の流れを把握し、そのなかにおいて形成される国民所得を計測するという手続がとられるからである。ここで「国民概念」とは、一般に1年以上国内領土に滞在していることを要件とする居住者を計測の対象とすることであり、「国内概念」とは、居住者か非居住者かを問わず政治的な領土の範囲内で行われた全経済活動を計測の対象とするものである。
 今日の国民経済計算(新SNA)は、この国内概念を基本として5勘定、すなわち、国民所得勘定、産業連関表、資金循環表、国際収支表、国民貸借対照表を整合的に結合し、国民経済の循環過程を「もの」と「かね」、およびフローとストックの両側面から体系的に把握する。その際、経済活動の主体として、「もの」(財貨・サービス)の流れに関しては経済活動別の分類(農林水産業、鉱業、製造業などの各産業、政府サービス生産者、それに対家計民間非営利サービス生産者)が採用され、「かね」(所得・金融)の流れについては制度部門別分類とよばれるもの(非金融法人企業、金融機関、一般政府、対家計民間非営利団体、家計〈非金融個人企業を含む〉の5分類)が用いられる。このように経済量の流れによって異なった取引主体分類が用いられるのは、取引主体を集約するにあたって経済活動の内容の点からグループ内の同質性をできるだけ確保しようとする配慮に基づく。このような2分類は異なった分析目的からなされるものであるが、両分類の間には、経済活動別分類の「産業」が制度部門別分類の「非金融法人企業」「金融機関」「家計(非金融個人企業を含む)」の三つに分かれ、「政府サービス生産者」が「一般政府」に、そして「対家計民間非営利サービス生産者」が「対家計民間非営利団体」にそれぞれ対応するという関係にある。
 これらの取引主体分類に基づいて計上される諸勘定の関連は、概略次のように構成されている。まず生産活動については、「生産勘定」によって、経済主体および個々の生産活動ごとに産出内容と費用構成を明確にするとともに、生産された商品(財貨・サービス)の需要と供給の構造を記録する。これは従来の産業連関表を構成する(新たに産業別の財貨・サービス産出表である「V表」と、産業別の財貨・サービス投入表を示す「U表」とが含まれる)とともに、それを「国民所得勘定」に接合する部分となっている。生産勘定に計上された財貨・サービスのうち、家計や政府によって最終的に消費される部分については「消費支出勘定」によってその詳細が把握され、この勘定は所得形態を通じて「所得支出勘定」によって先の生産勘定に結び付けられる。その勘定において把握される国民可処分所得から家計、政府、民間非営利団体による最終消費支出を差し引いたものが貯蓄と定義され、それが「蓄積勘定」に導入されることによって、経済循環における実物面(もの)と金融面(かね)の結合が図られる。海外取引は、国全体として経常取引と資本取引とに分けられて「海外勘定」として計上される。以上の国民経済計算体系のフロー部分のうち、蓄積勘定と所得支出勘定は固定資本形成、在庫投資、固定資本減耗を介して実物ストック面で「貸借対照表勘定」と結合し、その一方で金融的請求権に関する勘定が「資本調達勘定」を通して部門ごとに金融ストック面の貸借対照表勘定を形成する。期首のストックが以上のフロー面の活動によって蓄積される部分を吸収することによって期末ストックとなり、次期の経済活動へと受け継がれていく。ストックの内容は有形資産と対外純資産(海外勘定における対外金融資産と負債の差額)であり、これらが一国の「国富」を形成する。以上が現在わが国で作成されている国民経済計算の全体系の骨格である。[高島 忠]
『経済企画庁国民所得部編『新SNA入門』(1979・東洋経済新報社) ▽経済企画庁編『国民経済計算年報』各年版(大蔵省印刷局)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

こくみんけいざい‐けいさん【国民経済計算】
〘名〙 国民経済の各経済主体の相互依存関係を明らかにするため、国民経済の活動を複式簿記の原理にしたがって分類・集計すること。また、その統計的な表示方式。国民所得勘定・産業連関表・マネー‐フロー表・国際収支表・国民貸借対照表からなる。社会会計。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

国民経済計算」の用語解説はコトバンクが提供しています。

国民経済計算の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.