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回折【かいせつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

回折
かいせつ
diffraction
媒質内を伝わる波動が,障害物の後方の幾何学的に決定されるの部分まで回り込む現象音波電波などでは普通に観測されることであるが,電と同じ電磁波である光の場合には,その波長が非常に小さいために,一般には幾何学的な影がきわめてはっきりしていて,回折現象は認めがたい。しかし精密な観測をすると,光もやはり障害物の背後に回り込むことが認められる。この現象の発見干渉現象の発見とともに,光の波動説に対する大きな裏づけとなった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かい‐せつ〔クワイ‐〕【回折】
[名](スル)波が障害物に遮られたとき、その物陰の部分にも波がまわりこんで伝播する現象。波に特有の現象で、海波音波光波X線のほか、波動性をもつ電子線中性子線でもみられる。

出典:小学館
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カメラマン写真用語辞典

回折
 光が絞り羽根のふちをまわり込んで解像力が低下する現象。絞り込んで、絞り穴の直径が小さくなればなるほど、この回折現象が起きやすい。このため、特別の理由がなければあまり絞りすぎないことで回折を防ぎ、解像力を高めるのがふつうの撮影法である。とくにデジタルカメラでは、撮像素子(イメージセンサー)が35mm判よりもかなり小さいため、回折現象が目立つ。このため撮像素子の小さなコンパクトデジタルカメラでは絞りすぎないようにF8などの絞り値にとどめてある。APSサイズの撮像素子でも、最小絞りなど絞り込みすぎると回折の影響で解像度が低下する。ただ、回折現象は利用の仕方によってはレンズ性能を向上できることもある。 → 回折素子レンズ  参照

出典:カメラマンWeb
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世界大百科事典 第2版

かいせつ【回折 diffraction】
スリットに平面波を進入させたとき,スリットが波長と同程度になると,波はスリットを中心とした円形に広がり,スリットの背後にまわり込んでいく。また,波が障害物にあたったときも,障害物の大きさが波長に比べて小さいと,障害物の幾何学的な影の部分にも波がまわり込んでいく。このように,スリットの背後や障害物の幾何学的な影の部分に波がまわり込む現象を波の回折という。回折現象が著しいかどうかは,波長とスリットの間隔や障害物の大きさの関係によって決まり,スリットの間隔や障害物の大きさが波長に比べて大きいときには回折現象はあまり顕著でなく,直進現象が著しく見られ,逆に,スリットの間隔や障害物の大きさが波長に比べて小さいときには,回折現象は著しくなり,同時に直進現象は目だたなくなる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かいせつ【回折】
スル diffraction
波動の伝播が障害物で一部さえぎられたとき、障害物の影の部分にも波動が伝播してゆく現象。障害物の大きさと波長が同程度のとき顕著になる。音波・電磁波・光・ X 線のほか、電子線・中性子線などの粒子線でも、その量子力学的な波動性のために回折が起こる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

回折
かいせつ
diffraction
波が障害物の後ろに回り込んで伝播(でんぱ)する現象。障害物の後ろにいても音源からの音波が聞こえるのは、このためである。光波は音波に比べて波長が非常に短い。したがって光波はほとんど直進して不透明物体の影を生ずる。しかし、光波はわずかにではあるが物体の縁を回り込んで、影の場所にも到達する。また直接に光が当たるはずの場所にも明暗の回折縞(じま)を生ずる。一般に、波は障害物に当たると回折する。波の波長が大きいほど、波の回折は顕著におこる。
 光波の物体による回折は、光源および観察点がどちらも物体から無限に遠い場合(すなわち平行光束で照らし、回折波をレンズで集めて、その焦点面上で観察する場合)と、光源、観察点のどちらか、またはその両方が物体から有限の距離にある場合とでは、回折像の強度分布がまったく違う。前者をフラウンホーファー回折、後者をフレネル回折という。図Aは、ヘリウムネオンレーザーの放つ赤色の平行光線をスリットに当てたときに、遠く離れた壁面上にできる回折像で、ほぼフラウンホーファー回折像とみなされる。その強度分布を図Bに示す。回折像は、その中央に強度の主極大をもち、その左右に等間隔に強度ゼロの場所が並ぶ。その間に強度の副極大があり、その強度は主極大から左右に離れるにしたがって急激に減少する。図Cは、ナトリウムランプの放つ黄色の単色光の平行光線で不透明な板の縁を照らし、板から少し手前の平面上にルーペのピントをあわせたときに観察されるフレネル回折像である。板の縁から離れるにしたがって、フレネル回折縞の間隔が小さくなり、縞のコントラストが低くなる。光はまた板の縁からわずかに影の方へ回り込む。板の平面を通過した直後の入射光波の波面から、ホイヘンスの原理に従って二次波が送り出されるものとして、この二次波の干渉を考えれば、板の縁による光波の回折像の強度分布を説明することができる。
 回折格子に単色の光波が垂直入射すると、フラウンホーファー回折によって、直進する波、すなわちゼロ次の回折波のほかに、その左右に折れて進む一次、二次などの回折波を生ずる。各スリットを通って回折波の進行方向に進む波が、スリットから遠く離れた場所で干渉して強め合うための条件(回折条件)は、これらの各光波の位相差が360度の整数倍に等しいことである。回折格子による回折光波が回折条件から外れた方向に進む場合には、各スリットからの波は互いに干渉して消滅するので、回折波の強度はゼロになる。それで、回折光波を望遠鏡で観察すると、対物レンズの焦点面上に回折線の鋭いスペクトルが観察される。回折格子は高い精度の分光器として利用される。
 単色のX線が結晶に当たると、結晶内に規則正しく並んだ各原子によってX線の波が散乱される。各散乱波が干渉して強め合うのは、ラウエ条件またはブラッグ条件とよばれる回折条件が満足されるときに限られる。結晶はX線波に対して三次元的な回折格子の役割をするので、この現象をX線の結晶による回折という。また、中性子や電子の波も結晶によって回折される。波の回折を用いて結晶内の原子配列などを研究する学問分野は回折結晶学とよばれる。[飼沼芳郎]
『飼沼芳郎著『干渉および干渉性』(1981・共立出版)』
ass="description_linklist">[参照項目] | X線回折

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かい‐せつ クヮイ‥【回折】
〘名〙
① 折れたり曲がったりすること。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二「水は〈略〉跳るあり、盤渦(うづま)くあり。多少の回折を極めて、乍ち壁立する丈余の岩上に至りて、水一噸し瀉落す」
② 音波、電波、光、X線、中性子線などの波動が障害物の背後にまわり込み、影となる部分にまで伝わること。また、その現象。塀の向こう側でも音が聞こえ、谷間でもラジオが受信できる理由の一つ。
※冬の(1928)〈梶井基次郎〉一「やがて日が翳りはじめる。高い椎の樹へ隠れるのである。直射光線が気疎(けうと)い回折光線にうつろひはじめる」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

回折
カイセツ
diffraction

音波,電磁波(光を含む)などの波が孔や障害物などの後方にできる幾何学的な陰影部分にまでまわり込む現象.波長λと孔などの大きさaとの比λ/aが大きいほど回折現象ははなはだしく,これが小さいときはこの現象は無視できて幾何学的な陰影をつくる.孔や障害物が波の波長程度の周期で並んでいるときは,回折波は広い角度範囲に強度をもち,回折波の間の干渉により周期と波長とで決まる特定方向に強度の山をもつ回折線が現れる.周期dの格子線をもつ回折格子に垂直に入射した光は,入射光とのなす角θが

d sin θ = nλ (nは整数)
を満足する方向に明るいスペクトルを生じ,周期的な原子の配列をもつ結晶にX線が入射するときは,周期とX線の波長とで決まる特定の方向に強度の山をもつ,いわゆるブラッグ反射を生じる.[別用語参照]X線回折

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
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東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
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東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
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