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器官【きかん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

器官
きかん
organ
類似の細胞が集って同じような働きをしているとき,これを組織といい,この組織が集って目的をもった共同の仕事をするとき器官という。たとえば胃,腸,心臓,肺,腎臓などである。胃という器官は,上皮組織筋組織,神経組織などが,消化という目的に対して共同作業をするわけである。下等動物では,器官は組織的に簡単で,未分化の状態にある。単細胞の原生動物では,その原形質内に種々異なる作用を営む部分が分化しているので,これを細胞器官という。鞭毛,収縮胞,中心体など。高等植物では,葉,根,花など器官が区別され,下等植物では分化の程度は低いが栄養器官または生殖器官がみられる。

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デジタル大辞泉

き‐かん〔‐クワン〕【器官】
多細胞生物において、いくつかの組織が集まって一定の形・大きさおよび生理機能をもつ部分。「消化器官

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

器官
 体内の一定の位置にあり,一定の形態をそなえ,一定の機能を営む部位

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

きかん【器官 organ】
多細胞生物のからだの中で,1種ないし多種の組織から成り,どの個体にも共通する一定の形態・構造と機能をもつ部分のこと。動物体についていえば,例えばヒトの犬歯象牙質エナメル質セメント質歯髄などいくつかの組織から成る1個の器官である。ふつう器官は複数または複数種類のものが一定のパターンでつながって協調的に作用し,全体として個体の正常な生活を成り立たせる高次の機能を発現する。動物ではこうした器官の組合せを器官系organ systemと呼ぶ。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

きかん【器官】
いくつかの組織の集まりで、一定の独立した形態および特定の機能を有するもの。動物では、手・足・心臓など、植物では、根・茎・葉・花などをいう。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

器官
きかん
多細胞生物の体内にあって、何種類かの組織からなり、一定の機能を営み、形態的に独立性のある構造をいう。組織はさらに、何種類かの細胞が多数集まってできている。体内において、ある器官の働きはほかの器官と密接な関連をもって営まれていることが多く、それらをまとめて器官系という。たとえば、口から食道、胃、腸、肛門(こうもん)に至る消化管と、唾液腺(だえきせん)、膵臓(すいぞう)、肝臓などの消化腺をあわせて消化系とよぶ。しかし、器官によっては、体から切り離されてもある程度は本来の機能を発揮することができる。器官培養はその例であり、また、体外に取り出された心臓も一定期間は拍動を続ける。ある個体からほかの個体へ器官を移植しても、また、適当な処置をすれば異種の動物の器官を移植しても、機能を営むことがある。単細胞生物の体内にもそれぞれの機能に応じた構造が分化していることが多いが、組織からなるものではないので細胞小器官または細胞器官とよんで区別する。[川島誠一郎]

動物の器官

動物一般にみられる器官系には、神経、感覚、運動、骨格、消化、呼吸、循環、排出、生殖、内分泌などの諸器官系がある。これらのうち、神経系、感覚系、運動系に属する器官を動物独自のものとして動物性器官、栄養、排出、生殖に関係のある器官は植物にもあるので植物性器官とよんで便宜的に区別することがある。
 神経系は、体の隅々にまで張り巡らされた末梢(まっしょう)神経と、神経細胞の集中している脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経から成り立っている。集中神経系に対し、腔腸(こうちょう)動物のように神経細胞が散在しているのを散漫神経系という。感覚系は、感覚刺激の受容を行う器官で、受容する刺激と生ずる感覚の種類に従って分ける。それらは、触覚器官、化学的刺激を受容する嗅覚(きゅうかく)器官と味覚器官、位置感覚を生ずる平衡器官、聴覚器官、視覚器官、自己の内部からの刺激を感じる固有受容器などである。運動系は、筋肉の収縮によって動かされる移動のための諸器官(手足、羽、ひれなど)で、骨格系と協同して働くことが多い。骨格系は、動物の体の大きさと形の枠組みを決め、筋肉の付着点となる器官で、脊椎(せきつい)動物では内骨格、無脊椎動物では外骨格が中心となっている。
 消化系は、口、食道、胃、腸、肛門に至る消化管と、それに付属する唾液腺、膵臓、肝臓などの消化腺からできている。呼吸系をつくる器官には、肺と気管、えら、昆虫の気管などがある。体表でガス交換を行い、特別の呼吸器官をもたない動物も多い。脊椎動物の循環系は血管系(心臓と血管)とリンパ系(リンパ管、リンパ節、胸腺、脾臓(ひぞう))からなるが、無脊椎動物にはこの区別がない。排出系は、脊椎動物では一般に腎臓(じんぞう)、輸尿管、膀胱(ぼうこう)などの諸器官からなるが、無脊椎動物の排出器官には腎管、触角腺、マルピーギ管など特殊な分化がみられる。生殖系は雄の精巣と雌の卵巣およびこれらに付属する腺と導管、外部生殖器からなる。内分泌系はホルモンを分泌する器官で、神経細胞に由来する組織と上皮性腺組織とがある。[川島誠一郎]

植物の器官

多細胞体であっても菌類や藻類には組織の分化が少なくて器官とよぶべきものはほとんどなく、これらの体は葉状体といわれるが、シダ植物と種子植物には維管束などさまざまな組織が分化しており、体はいくつかの器官からなる茎葉体である。コケ植物のなかには明らかに器官の分化しているものが多いし、リニアなどの原始的な維管束植物にはほとんど器官分化がないが、一般に器官を論じる対象となるのは維管束植物である。
 維管束植物の器官としては茎、葉、根の三つを認めるのが普通である。もう一つの器官として花をあげることもできるが、花は複数の器官からなる複合器官であり、その構成要素は葉と茎であると考えられる。花が生殖器官であるのに対して、茎、葉、根は栄養器官と総称される。根は細長く枝分れしながら地中に伸びて吸水と固着をおもな役目とし、葉は扁平(へんぺい)で空中に広がってクロロフィルの働きで光合成を行い、茎は棒状で地上に立って、しかるべき位置に葉や花をつけるとともに、根と葉や花との間の物質輸送路となるなど、各器官には基本的な形と働きがある。しかし、前述の基本的な状態と著しくずれていることもあり、そのような現象を変態という。
 葉が変態して芽を覆う鱗片(りんぺん)や、花を構成する花弁などになっているのは多くの種類に共通する現象で、普遍的変態ともいえるが、特定の種類に限ってみられる変態もある。サツマイモの根が養分を貯蔵し肥大していもになり、ナギイカダの茎が扁平で緑色をして葉状になっているなどがその例である。変態の結果、見かけは互いに大きく異なっていても、本質は同一器官である場合、両者は互いに相同であるという。ジャガイモのいもとトケイソウの巻きひげは、どちらも茎の変態したものであるから、この両者は互いに相同である。一方、見かけが似ていても異質の器官の変態したものであれば、相似という。茎が変態したサイカチの刺(とげ)と、葉が変態したサボテンの刺は互いに相似である。何が変態したものであるかを判定するには、その存在する位置からわかることもあるが、内部構造を調べたり、発生の過程を調べたり、近縁種を比較したり、さまざまな知見を総動員して確認する。[福田泰二]

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