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喪服【もふく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

喪服
もふく
喪中に着る服,特にその行事に際して着る儀礼服の総称。型は通常各時代の礼装に準ずるが,概して包被的で裸出部が少いことと,宗教儀礼に直結しているところから最も保守性が強く,変化しにくいのが特色。たとえば日本の一部地方では,最近まで近世 (かみしも) や被衣 (かつぎ) が正装として着用されていたなどがこの例である。色は世界的に共通して薄墨,白が用いられ,西欧では 16世紀の宮廷での白の着用を除けば,中世中期から一貫して黒が用いられている。洋装では男性はモーニングや略礼服手袋腕章を,また女性は黒のスーツやワンピースに喪の腕章,手袋,ベールをつけることが多く,和装では男性は黒の紋付に羽織袴,女性の場合も黒紋付が一般的である。

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デジタル大辞泉

そう‐ふく〔サウ‐〕【喪服】
もふく。
喪(も)に服すること。服喪。「喪服の制」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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も‐ふく【喪服】
喪中や、葬儀法事などの際に着る黒または薄墨色衣服。そうふく。

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とっさの日本語便利帳

喪服
喪は、近親者が死者を悼む行為であるから、喪服の着用は本来は近親者に限られている。しかし、近年は一般の弔問者までが喪服を着用するようになったが、本来の趣旨からすればこれはおかしい。また、通夜には普段着のままで出るのが正しい。通夜をするのは、まだんでいないかどうかを確かめるためであるから、通夜に喪服を着てはいけない。そんなことをすれば、まるで死ぬのを待っていたかのように誤解されても仕方がなさそうだ。また喪章は、世話役の人がつけるものであるから、一般の弔問者は数珠を持つ方がよい。

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

世界大百科事典 第2版

もふく【喪服】
喪にある期間着る衣服。〈そうふく〉ともいう。死体は,それにふれ,あるいは喪家(そうけ)に出入するものをけがすばかりでなく,死者の親族にも穢れ(けがれ)が及ぶものとされた。したがって,これらのものは一定の期間,他との交渉を避け,期日後,清祓(せいふつ)を行うことなどの必要があった。ペルシアでは親族の死にあったときは,自己の家をすてて一定期間よそにとどまることになっていた。親子兄弟・姉妹間では互いに30日,祖父母ととの間では互いに25日,伯叔父母のためには20日とするなどである。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

そうふく【喪服】

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大辞林 第三版

そうふく【喪服】
もふく。
に服すこと。服喪。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

もふく【喪服】
喪中、または弔問の際に着る衣服。ふじごろも。もぎぬ。 黒い-に身を包む

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日本大百科全書(ニッポニカ)

喪服
もふく
死者を弔い、哀悼を表すために着る礼服。凶服ともいう。古くは一定の期間、喪に服するときにつけた衣服をいった。藤衣(ふじごろも)(藤、葛(かずら)の繊維で織った質素な衣服)、いろ(喪服の鈍色(にびいろ)のこと)、墨染めの衣(ねずみ色の喪服)、素服(そふく)(麻(あさ)の御衣(みそ))などという表現もある。今日では親族、友人、知人の葬式、告別式、通夜(つや)、埋葬、年忌の法事などに着る服をいう。[岡野和子]

和装

男子の和装は吉服と同じで、黒羽二重(はぶたえ)、染抜き五つ紋付、羽織に袴(はかま)をつける。女子の和装は黒羽二重、縮緬(ちりめん)の五つ紋付とし、夏は平絽(ひらろ)を着る。本来は白の下着を重ねるが、近年はこれを略すことが多い。帯は黒羽二重、繻子(しゅす)、紋織、夏は平絽、絽綴(つづれ)とし、柄物(がらもの)の場合は吉祥(きちじょう)文様などを避ける。また金、銀泥(でい)や、白抜きで、「夢」の字や経文を表したものなどが用いられる。長襦袢(じゅばん)は白羽二重、綸子(りんず)で、夏用には白平絽か麻を用い、白塩瀬、羽二重の半衿(はんえり)をかける。帯締は黒羽二重の丸裄(ぐけ)、帯揚は黒羽二重、綸子が正式で、白足袋(たび)を履く。草履(ぞうり)、バッグは黒布製とし、革製を用いるときは、光沢のないものを選ぶ。
 通夜、年忌などの際の準礼装には、寒色系の色無地一つ紋または三つ紋を用い、その他は正装と同様にする。
 喪服の制度は奈良時代『養老律令(ようろうりつりょう)』からみられ、『和名抄(わみょうしょう)』には「不知古路毛(ふじごろも) 喪服也」とある。平安時代には、黒平絹の袍(ほう)と鈍色平絹の表袴(うえのはかま)が用いられたが、近親者は濃い黒を、遠縁の場合は薄墨を着る。のちに武家はこれに準じ、江戸時代には男は麻裃(かみしも)、女は白無垢(むく)を用いた。明治以後、天皇の喪服は黒椽闕腋(つるばみけってき)の袍(ほう)と定められた。男は明治の末まで、近親者の喪服は白の長着に水色の裃をつけた。また地方によっては、紋服の上に白地の肩衣(かたぎぬ)をつけたり、千早(ちはや)を用いることもあった。女は明治から昭和の初めまで、喪主や近親者は白羽二重の無垢に、白か水色の羽二重、繻子、紋織の帯を締め、白の長襦袢に白半衿、白丸裄の帯締、白帯揚の白装束であった。[岡野和子]

洋装

喪中の人または弔問者が死者を哀悼して着る黒い衣服、モーニング・ドレスmourning dressともいう。
 かつて喪服は、近親者が喪中に着た衣服をさし、ディープ・モーニング(本喪服)、ハーフ・モーニング(半喪服)などとよばれた。喪の期間は、ときに3年以上という長いものもあったが、通常死後6か月から1年までである。近年はこの習慣が廃れて、喪服といえば、葬儀や告別式、法要や通夜などに着る儀式用の礼服をさすようになった。
 喪の色は、時代、民族、宗教によって異なるが、黒、灰色、白、モーブ(藤色)、濃紺などがある。「白喪の女王」の名が示すように、白はかつての王侯の喪の色であった。黒ビロードのローブを着て白いベールをかぶったイギリスのメアリー・スチュアートの肖像も残されている。また白はフランスのプロバンス地方やイタリアでも喪の色であった。
 かつての典型的なモーニング・ドレスは、通常光らない黒い布地でつくられ、ときにネックラインに白いクレープを用いる以外は、靴、靴下、手袋、ベールなどアクセサリーも黒っぽい色をつけていた。モーニング・ベールは服喪中に顔を覆う薄地の黒いベールで、正式には黒の紗(しゃ)の縁どりのある黒地のニノン(張りのあるオーガンジーのような絹)を、黒や灰色のモーニング・ピンで頭に留めていた。縁どりの幅は近親者ほど太く、遠いほど細くなる。これは17世紀以後に始まった習慣であるが、略式になると、目の細かいチュールで髪の部分だけを覆う小さめのベール(ベール・ハット)が用いられていた。フランスでは19世紀末期から、白い縁どりのついた小さな丸いボンネットに長いベールをつけた「未亡人の帽子(ボネ)」とよばれるものをかぶり、略式には灰色やモーブのベールがあった。第一次世界大戦時には、喪服がモードにさえなった。一部の女性が、休暇で帰還している兵士を愛人とするため、あるいは夫をみつけるために、後家のような服装をしたのである。しかし大戦後、経済的な理由からこの習慣はしだいに廃れていき、簡単なモーニング・バンドや喪章が考案された。現在、女性は、光らない黒の素材のワンピースかスーツ、あるいはアンサンブル、男性は、黒のスーツに黒のネクタイが代表的な喪の装いになっている。[平野裕子]

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精選版 日本国語大辞典

そう‐ふく サウ‥【喪服】
〘名〙
① 喪中(もちゅう)に着る衣服。もふく。〔二十巻本和名抄(934頃)〕 〔書経‐康王之誥〕
② 忌中(きちゅう)にあること。喪に服すること。服喪。
※三代実録‐貞観一三年(871)一〇月五日「天皇為祖母太皇太后喪服有疑未决」

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も‐ふく【喪服】
〘名〙 喪中(もちゅう)に着る衣服。また、弔意を表わして着る礼服。もぎぬ。服衣(ぶくえ)。凶服。ふじごろも。そうふく。
※杜詩続翠抄(1439頃)四「緦麻 貴人喪服也」
※小公子(1890‐92)〈若松賤子訳〉前篇「おめしは、まっ黒な喪服(モフク)でした」

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